スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

カフェや空港のスマホ充電は危険?「ジュースジャッキング防止ケーブル」でセキュリティ対策っ!

 最近増えている「ジュースジャッキング防止ケーブル」。公共の場所にあるUSBポートを悪用したスマートデバイスに対するクラッキングを防止するための「充電にしか使えないUSBケーブル」だ。

エレコムの「あんしん充電専用ケーブル(MPA-CCFC10BK)」。データ通信を遮断する充電専用のケーブルだ。メーカー価格は1254円。
サンワサプライの「500-USB108W」は、付属のアダプターを装着すると「データ通信を遮断して充電専用のケーブルになる」という製品。アダプター非装着時は最大480Mbpsの通信(USB2.0)に対応する。メーカー価格は1436円。

 どちらも公共USBポート(充電用ポート)でジュースジャッキングをさせないUSBケーブルだ。一見単なるUSBケーブルだが、通信を行う結線がない(500-USB108Wはアダプタ部に結線がない)。充電しかできないので、ジュースジャッキングが不可能というわけだ。

 ジュースジャッキングとは、公共の場にあるUSB充電ポートを悪用した犯罪。USBポートに仕掛けをし、そこにつないだスマートフォンなどに不具合を起こすといったクラッキングだ。ジュースジャッキングが仕掛けられたUSBポートでスマートフォンを充電したら……個人情報がごっそり抜かれた!的な?

ちなみにジュースジャッキングとは、電源(ジュース)を使った人の端末を乗っ取る(ジャック)というイメージに由来している。

コーヒーショップの席。前方に充電用の設備がある。
充電専用USBポートとコンセントがあり、客に提供されている。

 ただ、実際にはジュースジャッキングの被害は出ていないそうだ。実験レベルで「公共の場にある充電用USBポートにスマートフォンを接続すると、こんなリスクもあり得ますよ」というコトらしい。

 そんな報告を受けたマスコミが「カフェや空港でスマホを充電するだけでウィルスが?乗っ取りまで!ジュースジャッキングとは?」的にセンセーショナルっていうか無責任な報道をするので、たぶんそこから都市伝説として「恐怖のジュースジャッキング」が語られるようになったのだと思う。

 まあ考えてみれば、カフェや空港とかのUSBポートに細工する時点で「犯罪者側のリスクが超大きい」。客や店員もいれば監視カメラもある。細工をすれば速攻で逮捕されるか炎上して社会的制裁を受けまくるのが見えていて、そんなリスクを取る犯罪者なんて……。それに、犯罪者にとってより低リスク・高成功率のクラッキング手段はほかに多々ある。

 ジュースジャッキングというリスクは存在するものの、まあまず安心していい。とは言え、心情的に「ヤバい可能性があるならソレをゼロにしたい」と思うもの。なので、前出のような「ジュースジャッキング防止ケーブル」を使えばすっかり安心して公共の場の充電用USBポートを利用できるというわけだ。

充電専用ケーブルなので全然モヤモヤしない!

 前出の2つのジュースジャッキング防止ケーブルは、充電専用ケーブルなので「公共の場にあるUSBポートにスマートデバイスを安心してつなげる」のが利点。「スマートフォンを公共の充電用USBポートにつないだら……ハックされない?」といったモヤモヤを払拭して使える。

 まあ前述のとおり、実際のところジュースジャッキングは「実害が出ているケースはない」のが現状。乱暴に「ジュースジャッキング防止ケーブルなんか使わずに普通のUSBケーブルで充電しちゃって大丈夫」とも言えたりするが、クラッキングされる可能性はゼロではない。

 ので、お守り的に「ジュースジャッキング防止ケーブル」を使うのがいいだろう。モヤモヤしないし。スッキリ使えるし。

エレコムの「あんしん充電専用ケーブル(MPA-CCFC10BK)」は最大でPD60Wの充電ができるUSB-C/USB-Cケーブル。「充電専用(データ通信不可能)」ケーブルだ。ケーブル長は約1m(コネクター含まず)。メーカー価格は1254円。ケーブルの素性が端子部にプリントされていて見分けやすい。
サンワサプライの「500-USB108W」は、最大でPD60Wの充電ができるUSBケーブル。アダプターを使えば「充電専用(データ通信不可能)」ケーブルとなり、使わなければUSB2.0最大480Mbpsのデータ通信が可能なUSBケーブルとして使える。ケーブル長は約1m。メーカー価格は1,436円。こちらもケーブルの素性が端子部にプリントされている。
サンワサプライの「500-USB108W」は、ケーブル本体はUSB-C/USB-Cケーブルで、通信を不可にするアダプターとしてUSB-CタイプとUSB-Aタイプが付属する。ケーブルのみやUSB-Cタイプアダプターを使った場合は、最大でPD60Wの充電ができる、USB-Aアダプターを使った場合は最大で15Wの充電に対応する。アダプターを使わない場合は最大480Mbps(USB 2.0)でのデータ通信が可能。

 使用感としては、どちらのケーブルも柔軟で扱いやすくクセもつきにくいという印象。サンワサプライのほうは、アダプターとデータ通信対応USB-Cケーブルの組み合わせということで「データ通信完全非対応ケーブルを敢えて買うのもなぁ……」という人にいいかもまた、後述のようにアダプターのみ買うという方法もある。

 エレコムの製品もサンワサプライの製品も、ケーブルの端子部にどういうケーブルなのかがプリントされている。

 端子部を見ればケーブルの「素性がわかる」のは便利。エレコムやサンワサプライの製品はみんなこうなのか? そうだったら、もうケーブル仕分けラベルを自作する必要がないのかも?、とか余談的に思ったり。

アダプターだけ買ってケーブルは手持ち品を使って「ジュースジャッキング完全防止」

 現在使用中のケーブルを「ジュースジャッキング防止ケーブル」にするアダプターも存在する。というか存在しまくりであり、検索すると「どれを選んでいいかわかならい」ほどヒットする。

 俺の場合、MSL FORCEというブランドのアダプターを使用している。各種USB系アダプターをつくっているメーカーで、つくりの良さや使いやすさでかなり気に入っている。

MSL FORCEの「普通のUSBケーブルをジュースジャッキング防止ケーブルにするアダプター」類。データ通信対応のUSBケーブルに装着すると充電専用(通信不可能)ケーブルとして使えるようになる。写真の4個セットはAmazonにて855円で売られている。
4個セット品を買うと、USB-AケーブルもUSB-Cケーブルもデータ通信専用にでき、また、ポートもUSB-A/USB-Cポートに挿せる。それぞれ単体でも売られている。

 ただ、このMSL FORCEブランド品をAmazonで買うと「日本の中小企業」という謎のワードが表示される。このブランドは中国・深センが拠点の「SHENZHEN MSLFORCE TECHNOLOGY」社のもの。日本にも拠点があるようだが、「日本の中小企業」はちょっと……みたいな?

 ちなみに、こういうアダプターは通称「データブロッカー(Data Blocker)」などと呼ばれている。ほかにも「USBデータ遮断アダプター(USB Data Blocker)」「充電専用USBアダプター」「データシールド」と呼ばれたりもする。海外では「USB Condom(USBコンドーム)」と呼ばれることもあるそうだ。

スマートフォンのセキュリティ設定をチェック、公共の場の充電用USBポートは使わない

 前出のようなケーブルやアダプターは、まあ、お守りのようなモノ。万が一のUSBポートでも安心できるという「心の安らぎを得る効果」が99.99%を占めると言えよう。

 他方で、いまどき的なスマートフォンは、そもそも外部からのケーブル接続をそう簡単に許してくれない。スマートフォンに何かをUSB接続したりすると「このデバイスを信頼しますか」的なアラートが出たりする。

 余談だが、新たに「公共の場の充電用USBポートにはこんな高度なリスクの可能性もありますよ」と報告されると、スマートフォンメーカーが速攻でそのリスク対策したソフトウェアアップデートをかけているそうだ。研究者 v,s. スマートフォンメーカー、みたいな?

 さておき、さらにセキュリティを高めることもできる。iPhoneの場合なら「有線アクセサリ」で接続許可の設定で変更できる。

iPhoneの場合、設定アプリから「プライバシーとセキュリティ」→「有線アクセサリ」でアクセサリー接続時の安全性を高められる。「常に確認」にするのが最も安全だろう。

 Android端末の場合、デフォルトではUSBアクセサリーをつないだだけではデータ転送などが行われないが、心配があるなら一応ご確認を。

 手持ちのAndroid端末だと(USBデバイスをあらかじめ接続しておく必要があったが)、設定アプリ→接続設定→USBで行えた。ここで「充電のみ」などに設定しておくといいだろう。

 ジュースジャッキング防止以前に、出先での充電はUSB充電器やモバイルバッテリーを使えば安心できる。「野良のUSBポートにスマートデバイスをUSB接続しない!」をポリシーとすれば、ジュースジャッキングされない。

 また、公共の場に充電用USBポートがある場合、利用可能なコンセント(ACアウトレット)もあったりする。ので、小型のUSB充電器&ケーブルがあればジュースジャッキングは完全にあり得ない。モバイルバッテリーでも同様だ。

 話は逸れるが、ジュースジャッキング云々よりも、フリーWi-Fiスポット利用のほうがずーっと現実的なリスクが高いと思われる。

 パスワード不要で使えるフリーWi-Fiでは、通信内容の覗き見される可能性が高い。犯罪者がフリーWi-Fiと同じSSIDを使って罠を仕掛けている、みたいな話もある。

 フリーWi-Fiがまるごと乗っ取られていて個人情報をガッツリ抜きまくる、といったケースもあるらしい。考えるほどヤバそうである……フリーWi-Fiでログインや決済をしたらアカウント乗っ取られちゃうかも?

 対策としては、たとえばhttpsサイト以外にはアクセスしないとか、VPNを使うとか。また、「以前使ったWi-Fiスポットに自動接続」といった設定をオフにしておくのもいいかもしれない。

 とか言いつつも……でもでもでも念のためにな?んか気分的にジュースジャッキング防止ケーブル使いたくなるっスよね?。さらにジュースジャッキング防止ケーブルにUSBデータブロッカーまで装着して万が一の万が一の万が一にも対応、みたいな?

 やっぱりこういうのは「お守り」なのであろー。ひとつのお守りに飽き足らず、デュアルやトリプルのお守り。お守りをたくさん使って安心しきってゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。