レビュー

Pixel 10 Pro Foldレビュー、初代Pixel Foldからかなり進化したモデル

 グーグルは、Pixelシリーズ最新モデル「Pixel 10 Pro Fold」を10月9日より発売する。価格はグーグル直販サイトでは256GBモデルが26万7500円で、512GBモデルが28万7500円。そのほかドコモ、KDDI、ソフトバンク各社からも発売される。

Googleのスマートフォン最新モデル「Pixel 10 Pro Fold」

 Pixelシリーズのフォルダブルモデルとしては第3世代となる。本体サイズや画面比率などは前モデルをほぼ踏襲しており、最大のアップデートは耐久性の強化。折りたたみスマホでありながら、IP68防水防塵に対応しており、最大1.5mの水中で30分耐えられる仕様となっている。

 これは、一般的なスマートフォンと同等のレベルなので、「折りたたみだからナーバスに扱う」といった心配をせずに、普段使いができるのはうれしいポイント。

開くと8インチのタブレットのような使い勝手となる
閉じた状態では縦長の一般的なスマートフォンと同じサイズ感

 前モデル同様、しっかりと180度開く設計になっているが、ヒンジは新設計のギアレスヒンジを採用しており、耐久性はアップ。一般的な利用では10年以上の折りたたみ動作に耐えられる仕様とのこと。

新設計のヒンジを採用

 本体の大きさは閉じた状態で約76.3(W)10.8(D)×155.2(H)mm。広げた状態は約150.4(W)×5.2(D)×155.2(H)mmとなっている。内側のディスプレイは8インチ(2076×2152ドット)のSuper Actua Flexディスプレイ。

 最大輝度はHDR輝度で1800ニト、ピーク輝度で3000ニトとなっており、リフレッシュレートは1Hz~120Hzに対応している。

折りたたんだ状態では厚さ10.8mm
最大120Hzのリフレッシュレートで、スクロールも滑らか

 外部は6.4インチ(1080×2364ドット)のActua ディスプレイで、アスペクト比は20:9。ベゼルのナロー化により、前モデルよりも0.1インチ広くなっている。最大輝度はHDR輝度で2000ニト、ピーク輝度で3000輝度となっている。またリフレッシュレートは60Hz~120Hzに対応。

外側のディスプレイもリフレッシュレートは最大120Hz

 そのほか24ビットフルカラーやコントラスト比2000,000:1以上といったスペックは、両ディスプレイとも同じ。明るさの実測では、内側ディスプレイが1469luxで外側ディスプレイが1521luxだった。

内側ディスプレイの明るさは実測で1469lux
外ディスプレイの明るさは実測で1521lux

 重さは258gとスマートフォンとしては重量級ではあるものの、重量バランスは良いため手に持った印象では軽く感じる。本体カラーはMoonstoneとJadeの2色。ビジネス向けのユーザーが多いフォルダブルとしては白や黒系のラインナップがないのは珍しい。

テスト機のカラーはJade
開いた状態の本体左側面
開いた状態の本体右側面
開いた状態の本体上部にSIMトレーを装備
開いた状態の本体下部にUSB Type-Cを配置
折りたたんだ状態の本体左側面
折りたたんだ状態の本体右側面
折りたたんだ状態の本体上部
折りたたんだ状態の本体下部

 バッテリー容量は5015mAh。開いた状態で最大輝度に設定し、YouTubeの4K動画を充電100%の状態から再生し続けたところ、約8時間4分でバッテリー残量がゼロになった。

 やはり大画面をフルスペックで使用するとスタミナには若干の心許なさはあるが、背面ディスプレイの併用や、画面輝度の調整で連続使用時間は延ばせるので、実用的には問題ないレベルだ。

 充電は急速充電に対応しており、別売の30W以上のUSB Type-C PPS充電器を使用した場合、約30分で最大50%までの充電が可能。また、ワイヤレス充電に対応しており、最大15Wでの充電が可能だ。

 USB Cable Checker 3で計測したところUSB PDでは9V/2.2A(19.8W)、PPSでは11V/3A(33W)が最大値だった。またUSB Type-Cからの映像出力にも対応している。

USB Cable Checker 3で計測した充電性能

 通信面では、セルラーの対応バンドが、5GはSub-6のn1/2/3/5/7/8/12/14/20/25/26/28/29/30/38/40/41/48/66/70/71/75/76/77/78/79に加えて、ミリ波のn257/n258/n260/n261に対応。

 国内で販売されているスマートフォンとしては貴重なミリ波対応モデルなので、5Gを現状のフルスペックで使いたいユーザーにはうれしい仕様となっている。

 物理SIMは本体上部にピンで押し出すタイプのトレーを装備している。nanoSIM1枚をセット可能。eSIMにも対応しており、デュアルeSIMでの運用も可能。

 そのほか無線LANはWi-Fi 7、Bluetoothはv6と最新の規格に対応。もちろんFeliCaも搭載されており、おサイフケータイなども利用可能だ。

SIMトレーは本体上部にある

 カメラは背面に広角カメラ(4800万画素、画角82度、F値1.7、センサーサイズ1/2インチ)と超広角カメラ(1050万画素、画角127度、F値2.2、センサーサイズ1/3.4インチ)、望遠カメラ(1080万画素、画角23度、F値3.1、センサーサイズ1/3.2インチ)を搭載。トリプルカメラで基本性能は前モデルとほぼ同じ。

背面カメラは3眼仕様
カメラ部分の厚さは実測で8.7mm

 インカメラは外側ディスプレイと内側ディスプレイ両方にあり、どちらもピンホールタイプで、1000万画素、F値2.2、画角は87度となっている。

外側ディスプレイのカメラ
内側ディスプレイのカメラ

 Pixel 10 Proにはある、写真撮影時のプロ設定でピクセルビニングを解除して高解像度で撮影する設定はなく、動画撮影では8Kのブーストも装備していない。

 このあたりの仕様も前モデルと同じ。カメラ性能でスマートフォンを選ぶなら、Pixel 10 Proシリーズのほうがオススメ。

5000万画素で撮影するモードは装備していない
デジタルズームは最大20倍まで

 ただし一般的な写真撮影なら仕上がりは問題ないレベル。本記事の作例では、とくにピントなどはあわせず、そのままシャッターを押して撮影しているが、見てのとおり精細感などに不満を感じるポイントはない。

広角の1倍で撮影
望遠2倍で撮影
望遠5倍で撮影
デジタルズーム最大の20倍で撮影
超広角の0.5倍で撮影
マクロをオンにした状態で撮影
マクロをオフにした状態で撮影
「夜景モード」の1倍で撮影

 逆に折りたたみという特性を利用して、三脚なしでも固定して置いたり、背面カメラをインカメラとして使えたりするため、撮りやすさという点ではPixel 10 Pro Foldに軍配があがる。

アウトカメラセルフィーの撮影も可能

 チップセットは最新の「Google Tensor G5」を搭載。CPU性能は平均で34%高速化されており、AI処理を行うTPUは最大60%パワフルに。Pixel 10 Pro Foldでは、Gemini Liveやマジックサジェスト、マイボイス通訳といったAI機能も強化されている。

 従来のPixelシリーズでも使えるAI機能はあるものの、やはり最新モデルのPixel 10 Pro Foldで利用するほうが、レスポンスなどの面でアドバンテージがある。

 メモリーは16GB、ストレージ256GBもしくは512GBと十分。Tensor G5は3Dゲームを行う際のグラフィック性能が他社プロセッサーに比べて劣る部分があるため、ゲーム目的ならほかのスマートフォンを選んだ方が良さそう。ただし、それ以外での普段使いや、AI関連のサービスを使うぶんには問題なさそうだ。

 プライバシー保護などの処理を行う「Titan M2 セキュリティコプロセッサー」は前モデルと同じ。生体認証は電源ボタンと一体になった指紋認証と顔認証が利用可能となっている。

指紋認証センサーは電源ボタンと一体

 スピーカーはステレオで、左パネル上部にひとつと、右パネル下部にひとつ装備されている。そのため折りたたんだ状態で横位置にする場合は問題ないが、開いた状態で横位置にすると左右のステレオ感が若干上下にズレ、たとえば左から右に流れるような音声の場合、左下から右上へと斜めに移動する感じになる。

 また右(右パネル下部)のスピーカーが若干共振して音が濁っている印象もあり、バランスの悪さも感じる。

開いた状態での左右バランスがやや気になる
オーディオテスターアプリで1000Hzの正弦波を最大ボリュームで鳴らして、15cm離れたところの音量は約77.4dBだった。

 前モデルから比較すると、タフネス性とAI処理能力が進化したマイナーチェンジ版といった印象。ただし2年前のPixel Foldと比較すれば機能や性能、サイズ感からの使い勝手も含めてかなり進化している。Pixel Foldを使っていて、そろそろ買い替えを検討しているなら十分候補として挙げられるモデルに仕上がっている。