レビュー
より快適に通信できる「au 5G Fast Lane」を花火大会で試してみた
2025年8月13日 00:01
7月、KDDIが新たに開始した「au 5G Fast Lane」は、対象となるユーザーのスマートフォンで、より快適に通信できるようにするというサービスだ。
新料金プラン「auバリューリンクプラン」、既存料金プラン「使い放題MAX+ 5G」で利用でき、5G SAの契約が必要。実際の環境では、5G SA以外のサービスエリアでも適用される。
「ファストレーン」という名前が示す通り、優先的に通信できるようにするサービスで、対象ユーザーのスマートフォンへ優先的に無線帯域が割り当てられる。
今回、8月上旬に開催された首都圏近郊での花火大会の会場周辺で「au 5G Fast Lane」を試してみた。
今回、テストしたのは開催前の時間帯。徐々に人が増えていく中でのもの。「Galaxy S22」2台を使い、一台は「au 5G Fast Lane」対応、もう一台は非対応となる。
花火大会は40万~50万人が例年訪れる規模。会場周辺を徒歩で移動し、テストした。その周辺は通行止めとなり、歩行者が車道を歩けるようになっており、その道も来場客で占められているという状況だった。
まずはスピードテストの結果をお伝えしよう。今回はGoogle 検索のスピードテスト機能だけを用いた。通信速度は場所によって異なるが、結論から言えば、「au 5G Fast Lane」対応回線でのスピードは何度テストしても、ほとんどの場合、非対応回線よりも速かった。



「au 5G Fast Lane」を契約せずとも、さほど困らなさそうな通信速度ではあるが、明らかに「au 5G Fast Lane」回線のほうが快適に利用できそう、と感じられる結果となった。
ちなみに7月の「au 5G Fast Lane」開始直後、高輪ゲートウェイ駅前で計測したところ、対応回線では下り500Mbps以上、非対応回線は300Mbps以上といった結果だった。
優先による速度差は、ざっと1.5倍はまずありそう、という印象だ。場面によっては2倍、3倍の違いが出ることもあった。
あくまで優先的な割り当てという仕組みであるため、同じ基地局へ繋がる端末のなかに、「au 5G Fast Lane」対応回線が多すぎると、1回線あたりに割り当てられるリソースは少なくなる、といったケースは考えられる。
また、アンテナピクトなどで明示されないため、「優先して快適に通信できている」という実感を得にくいだろうことは想像できる。優先されているにも関わらず、環境によっては通信速度がさほど出ないことはどうしてもあり得るため、「契約しているはずなのに、速いかどうかわからない」と感じる可能性は否定できない。
とはいえ、今回、筆者が試した範囲では、明確に「au 5G Fast Lane」のほうが快適という結果だった。個人的には、料金プランによって通信品質が向上するというサービスは、やはり新鮮に感じることもあり、かなり魅力に感じる。いつでもどこでも「ちょっと遅いぞ」と感じることによるストレスから解放されたいのであれば、新料金プラン・使い放題プランの契約をおすすめしたくなる。
はたまた、ちょっとした要望としては、外出時にどうしても観たい映像(スポーツで推しチームの試合など)があるので2時間だけ契約したい……というワガママにも応えてくれるとうれしい。これは、auというよりもpovoの「トッピング」であれば実現しやすいかもしれないし、au回線でも「トッピング」的な仕組みが取り入れられないかなあと、つい夢想してしまう。
「実感しづらさ」はあるかもしれないが、恩恵があることは間違いない。携帯電話・スマートフォンの無線通信は、どうしても場所や時間によって環境が変わり、通信品質も一概には言いづらいことが多かった。しかし、「au 5G Fast Lane」は真正面から通信品質を体験価値に置く。そこから、どんな新しい使い方が生まれるか、これからが楽しみになるサービスだろう。















