レビュー

ソフトバンクのホームルーター「SoftBank Air」レビュー、5G対応で4Gからどこが変わった?

 ソフトバンクは、モバイルネットワークを利用したインターネット通信サービス「SoftBank Air」で、2021年10月より新たに5G対応サービスを提供開始しました。

「Airターミナル 5」

 通信容量に制限がない点や、宅内に端末を設置するだけでモバイル回線を利用したインターネット通信サービスが利用できるようになる点については、従来の「SoftBank Air」と同様です。宅内の工事不要で、街中のソフトバンクショップなどで即日、手軽に入手できるインターネット回線と言えるでしょう。

5G対応「Airターミナル5」の主要スペック

 端末側が対応する通信速度(理論値)は、「SoftBank Airターミナル4 NEXT」の下り最大612Mbps(一部エリアで962Mbps)から、5G対応の「SoftBank Air 5G」では、最大2.1Gbpsへと高速化されています。

「Airターミナル5」の主要スペック

項目Airターミナル5Airターミナル4 NEXT
通信速度
(WAN側)
5G:下り最大 2.1Gbps
4G:下り最大 838Mbps

4G:下り最大 962Mbps
対応バンド5G:n77(3.4GHz、3.7GHz)
4G LTE:2.1GHz
AXGP:2.5GHz
TDD-LTE:3.5GHz

4G LTE:2.1GHz
AXGP:2.5GHz
TDD-LTE:3.5GHz
Wi-FiIEEE802.11a/b/g/n/ac/axIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
通信速度
(Wi-Fi)
最大2.4Gbps最大1.2Gbps
持続可能台数128台128台
大きさ(mm)225×103×103225×103×103
重さ1086g710g

 また、端末側に内蔵する8本のアンテナから、電波が良い4本を自動的に選択して通信する"アンテナセレクション"機能により、従来機種と比べて通信性能が改善されています。このほか、Wi-Fi側の通信速度も最大1.2Gbpsから2.4Gbpsへと高速化されるなど、通信周りの仕様が全体的にスペックアップしています。

「Airターミナル 5」の新機能、アンテナセレクション(ソフトバンクプレスリリースより)

 ソフトバンクの5Gネットワークのうち、対応するのはSub-6のn77(3.4GHz、3.7GHz)で、他社の5Gホームルーターと同様に、ミリ波には非対応です。また、ソフトバンクの4G LTEネットワークのうち、プラチナバンドとされる900MHz帯(B8)や、700MHz帯(B28)に非対応のため、設置場所によっては、普段使っているソフトバンクのスマホでは快適なのに、「SoftBank Air」では同様に使えないケースがあり得る点には注意しましょう。

 「SoftBank Air」には容量制限はありませんが、利用が集中する時間帯については、サービス安定供給を目的とした速度制限を行う場合があるほか、特定エリアでネットワークが高負荷となった場合は、該当エリアのユーザーは速度制限の対象となり、通信速度が低下する場合があります。

 このため、自宅や事務所など「SoftBank Air」を設置する場所の近隣に同サービスのユーザーが多いケースや、学生寮や工場寮など生活パターンが共通する住民が集中し、インターネット接続を同じ時間帯に使う「SoftBank Air」によるユーザーが多い場合には、速度制限や利用の集中による通信速度低下の影響を受ける可能性は高くなります。

本体代金は実質0円、注意すべきポイントは?

 「SoftBank Air」の5G対応モデル「Air ターミナル5」は、本体代金が71,280円で、対応する料金プラン「Air 4G/5G 共通プラン」の月額料金は5,368円です。

 月額料金を割引する「月々割」が毎月1,980円×最大36回、総額で71,280円適用されるため、本体価格はいわゆる実質0円の設定です。(価格はソフトバンク直営店のもの。)

 現行プランの「Air 4G/5G 共通プラン」では、二年契約などの定期契約に伴う割引は設定されておらず、解約に伴う解除料も発生しません。このため、好きなタイミングで解約しても料金的な負担はありませんが、回線に解約に伴って月々割による割引が適用されなくなるため、本体代金の割賦代金は払い続ける必要があります。

 解約に伴って通信料金への割引が適用されなくなる点は、他社の5Gホームルーターでも同様です。ただし、ソフトバンクの「Airターミナル 5」は、本体価格の設定が他社よりも高いため、引っ越しや周辺環境の変化など、何らかの事情でサービスを解約すると、解約後も払い続ける割賦支払金が大きくなります。

 なお、「Airターミナル4 NEXT」などの機種で対応している、レンタルでのルーター貸し出しにでの利用は非対応のため、本体代金については上記の金額満額支払いする必要があります。

 このほか、「Airターミナル5」の申込は、ソフトバンクショップなどの取り扱い店舗または電話で手続きが必要となります。本稿の執筆時点で、Webサイトからの申込は折り返しの電話予約をリクエストする形式のため、オンラインだけで申込を完了させることができません。一方、4Gサービスの「Airターミナル4」の申込は、Webサイトより受付されています。

5Gエリア内でも高層階などは提供対象外

 ソフトバンクの「SoftBank Air」は、希望する住所で必ず申込ができるとは限りません。同サービスの提供エリア内であっても、設置場所がビルの11F以上の高層階の場合や、建物が密集するエリアの低層階などの場合には申込ができなくなっています。

 ソフトバンクのWebサイトには、SoftBank Airが提供できない場合として、以下の3つの条件を紹介しています。

・11F 以上の高層階

・周辺高層ビル地域内

・建物密集地域内の低層階

SoftBank Airの提供が断られる場合

 ソフトバンクは、住所別の下り最大通信速度情報を公開していますが、設置先住所がこの住所に含まれている場合でも、建物や周辺環境によっては、サービスを申し込みすることができない点に注意しましょう。実際に申込が可能かどうかは、SoftBank Airの申込窓口で確認できます。

 これらの条件に合致するとサービスが申し込みできない理由としては、ソフトバンク側が定める品質基準を満たさないことが考えられます。SoftBank Airの申込ができない場合は、固定回線の「ソフトバンク光」などの契約を検討するか、建物の都合などで光回線が敷設できない場合には、他社の5Gホームルーターも検討しましょう。

 また、「SoftBank Air」は設置場所住所として届け出した場所以外では利用が禁止されており、設置場所住所以外での利用が検知されると、事前に通知のうえサービスが停止されます。出張先や旅行先、入院先の病院などでの一時的な利用は認められていません。

ソフトバンク、ワイモバイルのスマホ料金が割引対象

 「SoftBank Air」の契約者とその家族は、「おうち光 セット割」(ワイモバイルでは「おうち光セット割 A」が適用され、スマートフォンやタブレットなどの月額料金が最大で1,100円割引されます。割引の対象回線数は最大で10回線まで。

 割引対象となる料金プランは、ソフトバンクのデータプランメリハリ無制限などメインブランドのプランに限らず、サブブランドとして展開するワイモバイルのシンプルS/M/Lも対象です。ただし、オンライン専用ブランドの「LINEMO」については、セット割が適用されません。

4Gモデルはキャンペーン料金で割安

 ここまで、5Gに対応する「Airターミナル 5」を中心に紹介しましたが、ソフトバンクは「SoftBank Air」の4G対応モデルを対象に、25歳以下または60歳以上の方が契約すると月額料金を5,368円から3,168円に、24カ月間割引するキャンペーンを開催しています。なお、26歳?59歳までの方は、同割引が12カ月間適用されます。

 どちらも、割引の終了後は通常の料金が発生しますが、端末をレンタルすることも可能なため、短期間での利用であっても、5Gサービスよりもユーザーの負担が少ない料金設計です。設置先が5Gエリア化される予定がしばらく無かったり、通信速度よりも月額料金を重視する方は、4Gサービスを選ぶのも選択肢となるでしょう。

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