レビュー
au/UQの5Gホームルーターをチェック、速度制限緩和と対応エリア拡大に注目
2022年3月8日 00:00
春は新生活の季節。新たなスタートにあわせて、自宅用のインターネット回線を検討される方も多いかと思います。
最近では、携帯各社が宅内向けルーターと通信サービスを充実させており、本誌では各社のサービスをご紹介します。
第2回となる今回は、au、そしてUQコミュニケーションズのサービスをご紹介します。
au/UQのホームルーター概要
KDDIのauと、グループ会社のUQコミュニケーションズ(UQ)では、2021年、それぞれ5G対応ホームルーターの提供を開始しました。
auとUQのホームルーターはほぼ同じですが、月額料金が若干異なるほか、UQコミュニケーションズのサービスでは、定期契約(二年契約)による割引も適用されます。
au | UQ | |
プラン名 | ホームルータープラン5G | ギガ放題プラス ホームルータープラン |
月額料金 | 5,170円 | 5,005円 |
プラスエリアモード(オプション料金) | 無料 | 1,100円/月 |
プラスエリアモード(通信容量) | 月間30GBまで | 月間15GBまで |
割引・特典 | ▲550円×25カ月 | ▲550円×25カ月 |
登録住所外の利用 | 禁止 | 可能 |
備考 | ― | 定期契約(二年契約)時は▲187円/月、契約中の解除料は1,000円 |
また、800MHz帯を含めたauの4G LTEネットワークが使える「プラスエリアモード」設定時のオプション料金がauでは無料、UQでは同モードを利用した月はオプション利用料として月1100円が発生します。また、同モードで利用できる高速データ通信の容量はauで月間30GBですが、UQでは月間15GBまでになるなど、細かい点に違いがあります。
UQでは、UQ mobileのスマホとのセット割引「UQ mobile自宅セット割 インターネットコース」または、auスマホとのセット割引「auスマートバリュー」に加入すると、プラスエリアモードのオプション料金が無料となるほか、同モードで使える高速データ通信量が月間15GB→30GBに増量される特典があります。 この特典によりプラスエリアモードのオプション料金や利用可能なデータ容量はauサービスと同等 になります。
5Gホームルーターとスマホとのセット割引は、auスマホ + ホームルーターの組み合わせはもちろん、auスマホ + UQのホームルーター(またはその逆パターン)でも適用されます。
「auスマートバリュー」は、auショップやau Styleなどの店頭で手続きすると、離れて暮らす家族を含めて最大で10回線を対象とした割引が適用されますが、ホームルーターとのセットで割引できる回線数は最大9回線です。セット割の対象プランや割引額は以下表の通りです。
プラン | 割引額 |
ピタットプラン5G/4G LTE | 1GBまで:割引対象外 1GB以上:▲550円/月 |
使い放題MAX 5G ALL STAR パック | ▲1,100円/月 |
使い放題MAX 5G テレビパック | |
使い放題MAX 5G Netflixパック(P) | |
使い放題MAX 5G Netflixパック | |
使い放題MAX 5G DAZNパック | |
使い放題MAX 5G with Amazonプライム | |
使い放題MAX 5G | |
使い放題MAX 4G テレビパック | |
使い放題MAX 4G Netflixパック(P) | |
使い放題MAX 4G Netflixパック | |
使い放題MAX 4G DAZNパック | |
使い放題MAX 4G | |
ピタットプラン 5G(s) | ▲550円/月 |
ピタットプラン 4G LTE(s) | |
カケホ(3Gケータイ・データ付) | ▲1,027円 |
UQ mobileのセット割対象プラン | |
割引対象プラン | 割引額 |
くりこしプランS/M +5G | ▲638円 |
くりこしプランL +5G | ▲858円 |
2022年3月1日時点の5Gホームルーターは「Speed Wi-Fi HOME 5G L11 ZTR01」と「Speed Wi-Fi HOME 5G L12 NAR02」の二機種で、モバイルネットワークの対応通信速度は下り最大 2.7Gbps / 上り最大 183Mbps、スマートフォンやタブレットなどを接続するWi-Fi規格はWi-Fi 6(AX)に対応するなど、主要スペックは同一です。
機種名 | Speed Wi-Fi HOME 5G L11 ZTR01 | Speed Wi-Fi HOME 5G L12 NAR02 |
メーカー | ZTE Corporation | NECプラットフォームズ |
大きさ | 70×182×124 | 101×179×99 |
重さ | 約599g | 約446g |
電源 | AC100-240V | AC100V |
最大消費電力 | 9W | 20W |
対応OS | Windows 11/10/8.1 | Windows 11/10/8.1 |
macOS 12〜10.9 | macOS 12〜10.9 | |
通信規格 | 5G(Sub6/NR化)、4G LTE、WiMAX 2+ | 5G(Sub6/NR化)、4G LTE、WiMAX 2+ |
通信速度(最大) | 下り 2.7Gbps / 上り 183Mbps | 下り 2.7Gbps / 上り 183Mbps |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
有線LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×2ポート | 1000BASE-T/100BASE-TX×2ポート |
最大接続可能数 | Wi-Fi:30台 有線LAN:2台 | Wi-Fi:40台 有線LAN:2台 |
かんたん接続 | WPS、QRコード | WPS、QRコード |
Wi-Fi設定お引っ越し | 対応 | 対応 |
容量制限を受けないネットワークが拡大、通信速度制限も緩和
au/UQでは、初代のWiMAXサービスの頃から、ホームルーターを提供しています。
初代のWiMAXサービスとWiMAX 2+サービスでは、容量制限を受けずに高速通信を利用できるネットワークが、WiMAXやWiMAX 2+ネットワークに限られていたため、ホームルーターを利用するエリアによっては圏外になったり、十分な通信速度が得られなかったりすることもありました。
一方、5G対応サービスにおいては、容量制限が適用されない「スタンダードモード」で利用できるネットワークに800MHz帯を除くauの5G/4G LTEが加わっています。
そのため、これまでWiMAX 2+ネットワークでは圏外となっていたエリアでサービスが利用できるようになる、圏外ではないにしろ通信品質が良好とは言えなかった場所で通信環境が改善するなどにに期待できます。
また、 auとUQの5Gホームルーターは通信速度制限も緩和 されています。サービス開始当初は、直近3日間の通信量が15GBを超えると翌日の混雑時間帯に通信速度を最大で1Mbps程度に制限されていましたが、モバイルタイプを含めて、5G対応のWi-Fiルーターではこの速度制限を2022年2月1日に撤廃されました。
新たなルールは、「一定期間内に大量のデータ通信のご利用があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限する場合がある」とされています。従来基準のように、「基準となる容量を超えたら一律で速度制限」を取りやめているため、通信量が3日15GBを超える場合でも、速度制限を気にせずに使えるようになっています。
オンライン契約への対応や本体価格、登録住所以外での利用に違い
auの5Gホームルーターの申込は、au Styleや家電量販店などのau取扱店で行う必要があり、公式オンラインストアの「au Online Shop」では申込を受け付けていません。
また、auでは本体価格が4万円前後のホームルーターの本体代金を36回の分割で支払いすると、毎月の割賦代金と通信料からの割引が同額になる、いわゆる「実質0円」で販売されています。
これに対して、UQコミュニケーションズでは公式オンラインストア「UQ WiMAXオンラインショップ」、および街中のUQスポットなどで契約を受け付けており、その本体価格は2万円前後とau版と比べると割安な設定です。
ただし、auにおける毎月割に相当する端末購入による通信料金割引は適用されません。なお、UQではWiMAX +5GのSIMカードを単体契約も受け付けています。
オンラインでの契約、店舗での契約に関わらず、5Gホームルーターが届いた日から、SIMカードを入れて端末を設置すれば宅内の工事不要でインターネット接続が利用できます。
5Gホームルーターの通信品質は、宅内でも電波が入りやすい窓際などに設置すると良くなるので、最適な場所を探して設置すると良いでしょう。au/UQの5Gルーターの一部機種には、宅内の設置にオススメの場所を探しやすくするための機能が実装されていますので、これらの機能や本体のLEDランプの表示などを手がかりにします。
このほか、 auとUQの違いとして、auのサービスでは利用先として届け出した住所以外では利用できない制限がありますが、UQとの契約ではこの制限はありません。
5Gホームルーターは、NTTドコモ、KDDI、UQコミュニケーションズ、ソフトバンクからそれぞれ発売されていますが、届け出した住所以外に移動させて使えるのは、UQおよびそのMVNOに限られています。帰省や出張などの際に、ホームルーターを利用する拠点を変更する場合がある人には、UQ系のサービスが有力な選択肢となるでしょう。
UQでは、サービスを15日間無料でお試しできる「Try WiMAX」サービスを提供しています。このサービスは、通信品質や端末の使い勝手などを、契約後に実際にサービスを利用する自宅や事務所などに設置して試せるもので、レンタルに係る料金は全て無料です。モバイル回線を使ったホームルーターを固定回線として使うのに不安がある人でも、クレジットカードがあれば無料レンタルができますので、不安が拭えない人は無料お試しから始めると、契約前の不安が払拭できるかもしれません。