レビュー

「Galaxy S10+」クイックインプレッション

大画面はもちろん、“隠れゲーミングスマホ”的機能に注目

 2010年発売の「Galaxy S」から数えて、10世代目となったサムスンのフラッグシップモデル「Galaxy S10」シリーズ。日本では、6.1インチの「Galaxy S10」と6.4インチの「Galaxy S10+」がドコモとauの2019年夏モデルとして販売されている。

Galaxy S10+ SC-04L(プリズムブラック)

 先日、編集部にもドコモ版の「Galaxy S10 SC-03L」「Galaxy S10+ SC-04K」が届き、試用の機会を得た。筆者は、昨年の「Galaxy S9」も一昨年の「Galaxy S8」も“+じゃない方”を購入して使っていたのだが、あえて普段は選ばないモデルを試してみようと、「Galaxy S10+」を数日間使ってみた。

画面内に超音波式の指紋センサーが内蔵されている

 まずGalaxy S10/S10+に共通する部分から見ていくと、画面内指紋認証やワイヤレスパワーシェアなど、目新しく先進性を感じさせる機能が多数追加されている。最新のハイエンドモデルを手にする満足感は十分に味わえるだろう。

 また、超広角・広角・望遠のトリプルカメラを搭載することも特長だ。実際に使ってみて特に楽しく撮影できたのは超広角カメラで、大きな建物や雄大な景色も難なく1枚に収められる。他の機種ではなかなか撮れないような迫力のある写真が撮れる驚きは大きい。

大きなビルを真下から見上げても、S10+の超広角カメラなら難なく収まる
超広角カメラ
広角カメラ
望遠カメラ

 6.4インチのディスプレイを搭載していると聞くと、ほとんどタブレットに近い大きなスマートフォンかのように思えるが、手に取ってみると上下左右すべてのベゼルが削られているおかげで手に余る印象は受けない。6.2インチの前モデル「Galaxy S9+」と比べると縦横の寸法はほぼ変わらず、薄く、そして軽くなっていて扱いやすい。

パンチホールの影響は、Galaxy S10/S10+のどちらを選んでも実用上はあまり変わらないように思える

 ノッチなどの画面を遮る物がなかったこれまでのGalaxyシリーズユーザーにとっては、画面の中にインカメラが配置された「パンチホール」はGalaxy S10/S10+への買い替えを検討する上で気がかりな点かもしれない。

 インカメラが1つのS10と、インカメラが2つだがその分画面も大きいS10+のステータスバーを見比べてみると、カメラの分を差し引いた残りの幅はほぼ変わらなかった。「パンチホールが小さい方がいいからS10にしようかな」といった心配は不要そうだ。

 Galaxy S10/S10+は一見大きさが違うだけに見えるかもしれないが、スマートフォンでゲームを遊ぶ人、特に位置情報を使ったゲームを屋外で遊ぶ人には「Galaxy S10+」がおすすめだ。

 S10には従来機種と同様にヒートパイプで内部の熱を逃がす仕組みだが、S10+にはより効率よく冷却できるベイパーチャンバー冷却システムが搭載されている。

 冷却性能の高さは昨今流行のゲーミングスマートフォンでもアピールされることが多いポイントのひとつだ。また、ゲーム中の通知制限などができる「Game Launcher」という機能も用意されている。スマートフォンでゲームはよく遊ぶけれど、いかにもなゲーミングモデルを持つには抵抗があるという人には、“隠れゲーミングスマホ”のようなポテンシャルを秘めている「Galaxy S10+」は狙い目だ。

 もちろん、ゲームを遊ばない人にとっても高い冷却性能があって損はない。夏本番に向けて、スマートフォンのストレスを1つ解消できる頼れる機能となるだろう。