レビュー

「Xperia Ace」クイックインプレッション

今こそうれしい、Xperiaのスタンダードモデル

 NTTドコモの2019年夏モデルとして発売された「Xperia Ace SO-02L」は、フラッグシップモデルのおよそ半額ほどで買える手頃なスタンダードモデルだ。いくつかの例外はあれど、日本市場に投入されてきたXperiaシリーズの多くはハイエンド寄りの機種だったので、やや目新しい存在かもしれない。

Xperia Ace SO-02L

 この機種を検討する人が求めるものは2つに大別されると筆者は考える。「安いXperiaが欲しい」もしくは「小さいXperiaが欲しい」というニーズだ。

 2つの見方ができる機種だが、まず安さに注目するならば、5万円以下で購入できる価格設定はこれまでにない魅力だ。端末割引が規制された後も、高い知名度を誇る人気シリーズを無理のない範囲の出費で手に入れられるとあれば、Xperiaシリーズを使い続けてきて次もXperiaにしたいと考えている人、あるいは次こそXperiaにしようと考えている人にとっては魅力的な選択肢となるだろう。

 CPU性能やカメラ機能などは相応に抑えられているが、指紋認証や防水防塵、おサイフケータイなど、押さえるべき点は押さえて厳選された機能が揃っている。

 ユーザーインターフェイス(UI)は上位機種と同等で、シリーズの世界観がしっかり受け継がれている。外観はZシリーズ後期からXシリーズにかけての機種に近いデザインで、こちらもやはりひと目でXperiaと分かる。

「安さ」だけでなく「持ちやすさ」も魅力

 一方、「安いXperiaだから」ではなく「小さいXperiaだから」欲しいという視点ではどうか。歴代のコンパクトモデルが堅持してきた「幅65mm」という持ちやすさを重視したボディサイズよりはわずかに大きいものの、手に取った感覚としては非常に近い。

 画面サイズは2018年夏モデルの「Xperia XZ2 Compact」と同じ5.0インチ(18:9)で、CPU性能をさほど必要としていないのであれば、Compactシリーズからの移行先としても想定し得る。

 価格やサイズ以外にも、景色も入れた集合写真を撮りやすい120度の超広角インカメラや、上位機種にはないイヤホンジャックなど、単なる廉価版に留まらずさまざまな需要を満たす仕様となっている。普及機として、同じ“エース”を名乗るかつての「Xperia A SO-04E」のようなヒット機種となる可能性は十二分にある。