レビュー
水面で空中浮遊!? フライボード体験をTORQUE G03で撮影してみた
2017年7月21日 12:00
auから6月30日に発売された「TORQUE G03」は、防水、防じん、耐衝撃など、独自の耐久性能をもち、米国国防総省物資調達基準であるMIL規格の21項目にも準拠した“最強”をうたうタフネススマホだ。その中でも夏のアウトドアにピッタリな防水性能を試すべく、富士五湖の1つ、山中湖へ向かった。
今回、山中湖で体験を試みるのは、ジェット水流で水面から浮上する新しいウォータースポーツ「フライボード」を、TORQUE G03とともに体験・撮影するというものだ。フライボードは、水上バイクの推進力であるジェット水流をホースで接続、足の下から勢いよく水を噴射して、水面から数メートルほどの高さまで浮き上がる。上手くなるとアクションも決められるというが、初心者でも、空中浮遊・空中散歩を楽しめるというものだ。テレビで見たことがある人も多いだろう。
体験前は、水面から出たり入ったりで「TORQUE G03の防水性能しか試せそうにないかも」と余裕をぶちかましていた筆者。
もっとも、普通のスマートフォンでは防水性能は備えていても、水に浸かる場所でカメラ機能を使うのは難しい場合がほとんどだ。水に沈んだ瞬間にディスプレイにタッチ操作があったと判定され、撮影が中断されてしまったり、勝手にシャッターが切られてしまったりすることがあるからだ。
その点、TORQUE G03なら、水中での写真撮影に向いた「水中モード」がある。ディスプレイのタッチ操作が無効になり、端末側面のハードウェアキーしかカメラ操作を受け付けないので、誤動作を防げるのだ。また、水中モードは、通常カメラレンズを通すと青みがかって見えがちな水の中でも適切に画質を補正し、きれいな見栄えで撮影できるのも特徴だ。TORQUE G03の防水性能は、そういう意味で他の機種の“防水”とは異なる特別な意味を持つ。
ちなみに動画撮影の際には、静止画撮影と異なり「水中モード」に明示的には切り替えられないが、「水中自動検出」機能をオンにすることで、端末を水中に沈ませた時に自動で水中モードに切り替わるようになっている。135度の視野角をもつ「スーパーワイドアクションカメラ」なら、水中の様子も広いアングルで捉えることが可能だ。
そして、「アクションオーバーレイ」表示機能では、速度や移動距離、移動経路、標高、重力加速度などの情報を動画に重ねて表示することができる。これらの性能、機能を駆使することで、フライボードで水中から浮き上がり、空を舞い、山中湖畔の富士山の美しい姿を映像に残しつつ、感動的なアクションの様子を捉える、というミッションを容易にこなすことができる、はずである。
撮影にあたっては、TORQUE G03を手持ちで撮影するわけにはいかないので、GoPro用のチェストマウントハーネスを使用した。このマウントに、サードパーティのスマートフォンホルダーを組み合わせ、TORQUE G03を胸付近に固定することにした。また、万が一脱落してTORQUE G03が湖底に沈んでしまわないように、前モデルのTORQUE G02からアクセサリーとして販売されている「フローティングストラップ」も取り付けた。
これで準備は万端。「水中から立ち上がって、空中散歩するだけなので、脱落することはまずないでしょ」……と、完全にナメてかかっていた筆者だが、体験して初めてフライボードの難しさを身をもって知ることになった。ナメていた自分をフライボードの水圧で吹き飛ばしたい。
いざ、空中浮遊体験……のはずが……
フライボードは、そもそも水中から立ち上がるだけでも難しい。2つの噴射口をもつ重い装備を足に固定した状態で、バランスを取って立ち泳ぎするのに四苦八苦。水上バイクを運転するインストラクターからの合図で徐々にジェット噴射の水圧が増し、足元から持ち上げられるが、この水圧を真下に向けられないと、いつまでたっても水面でじたばたするだけである。
膝を曲げず、足首と腰で繊細にバランスを取ることが重要だ。インストラクターの方いわく「筋力より体幹」が重要とのことだが、最低限の筋力がないとバランスを保ちつつ重力に逆らって上昇する加速度に耐えられないだろう。
そして、なんとか水面すれすれまで上昇できたとしても、今度は同じ高度を保ち続けるにも、さらに上昇するにも、大変なバランス感覚が要求される。わずかな力の入れ具合であっという間にバランスを崩し、あさっての方向にエクストリームジェット噴射を決め、水面に容赦なく叩きつけられる。誰だ、「空中散歩するだけ」なんて言ったのは。空中でまともに静止することもできやしないぞ。
しかも後でアクションオーバーレイの表示を確認すると、最大で5G以上の重力加速度がかかっていた。はっきり言ってハードモードすぎる。必死にバランスを取っても何度も水中に沈まされ、どんどん脚に力が入らなくなって膝だけでなく心も折れそうになる。
初心者向け体験コースの15分間、何十回鼻から水を吸い込んだかわからないが、それでも最後にはなんとかバランスを保ち続け、富士山をバックに記念撮影することに成功した。高度は自分の身長と同じくらいか、最大でもそれより少し高いくらいだったと思うが、富士山のふもとの山中湖“上空”からの景色は本当に最高だ。
体験が終わり、膝下にとてつもない疲労感を覚えながらも、水から上がってTORQUE G03で撮影した動画をチェック。当たり前だが、ディスプレイ付きのスマートフォンなので、その場ですかさず映像を確認できるのはうれしい。画質は不自然にならない一歩手前の鮮やかな色合いで、山中湖の輝く水面や水しぶきがアクティビティ中の記憶をリアルに呼び覚ます。水中の映像も「水中自動検出」のおかげか鮮明だ。
インストラクターの方にも、体験終了後すぐに見てもらうことができ、アクティビティの様子を動画で振り返ると大興奮。どちらかというと水上からの風景よりも、水中で足や手の動きがしっかり見えることに注目していた。立ち上がるまでの姿勢が重要なフライボードだけに、適切な手足の動かし方を指導するのにTORQUE G03は最適かもしれない。
また、プリインストールされている「ギャラリー」アプリでは、撮影した動画のトリミングが簡単に行える。長時間撮影した動画も短く切り取って、SNSやメールで素早くシェアできるのだ。一般的なアクションカメラ単体では、スマートフォンとの連携も含めて手間のかかっていた動画投稿だが、TORQUE G03はわずか数回のタッチ操作で完了し、「アクションカメラ一体型スマートフォン」の便利さを改めて感じた。
撮影時の使い勝手の面では、水中を移動したり、水面で端末が水を被ったり被らなかったり、という状況でも、動画撮影中に誤動作することはなかった。水中用アクションカメラとしてもしっかり調整されているようで、安心度は高い。しかし、フライボードで失敗して勢いよく水面に叩きつけられると、その衝撃のせいか、録画がストップしてしまうことがあった。
auの製品詳細ページでも、防水性能については「水中に勢いよく飛び込むなど、本製品に衝撃を与えないでください」とある通り、フライボードで失敗した時のような過度な衝撃は本体内部に浸水する原因ともなりうる。録画がストップしたのは、タッチパネルに過度な圧がかかり、タッチ操作として誤認識されたのが原因の可能性もありそうだ。
とはいえ、スーパーワイドアクションカメラの状態で動画撮影をしている時も、常にハードキーしか反応しない水中モードに明示的に切り替えられれば、より幅広い場面で、確実に動画を撮影し続けられるように思う。
今回は胸に固定していたため、アクティビティの最中にも録画できているか画面を逐一チェックしやすく、録画の再スタートも簡単にできた。ところが、たとえばヘルメットなど頭の上にTORQUE G03を装着した場合だと、事前に録画をスタートしておき、終わるまで操作しない、というやり方しかできない。途中で録画がストップしていても気付けないので、それを防ぐためにも「長時間撮影の持続性能」を向上させるなんらかの機能がほしいところだ。
最後に、山梨名物の「ほうとう」を写真に収め、湖畔のお店で買った巨峰バニラ味のソフトクリームと一緒に自撮り。アクションカメラだけれどやっぱりスマートフォンなTORQUE G03の性能をいかんなく発揮しつつ、夏のアウトドアを満喫できた1日だった。
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