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独自コンテンツも見放題「Amazon プライム・ビデオ」、4K対応のSTB「Fire TV」も登場
(2015/9/24 16:26)
Amazon.co.jp(アマゾン ジャパン)は、動画見放題の新サービス「Amazon プライム・ビデオ」の提供を開始した。日本と米国の映画・アニメ・テレビコンテンツを数千作品規模でラインナップし、プライム会員なら追加料金なしで利用可能。また、「プライム・ビデオ」などのコンテンツをテレビで楽しめる「Fire TV」シリーズの事前予約も開始した。
プライム・ビデオ
プライム・ビデオは、年会費3900円(税込、以下同)の「Amazonプライム会員」向けの動画見放題サービス。Fire TVなどの対応機器では、4K映像で楽しめる作品も提供される。配信コンテンツは日本と米国のドラマやアニメなどを中心に、数千作品をラインナップ。全作品のうち7割が日本のコンテンツとしている。
国内作品では、映画配給会社やテレビ局と提携し、アニメ「妖怪ウォッチ」「弱虫ペダル」、テレビドラマ 「永遠の0」「孤独のグルメ」「JIN -仁-」といった人気作品を見放題で楽しめる。ドラマやアニメ、バラエティ作品では、テレビ放送後の見逃し配信も提供される。また、ライブ映像作品も配信される。AKB48グループと提携し、DVD化されてないコンサート映像を独占コンテンツとして提供される。
海外作品では、「ミッション:インポッシブル3」などの映画作品のほか、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」「MR.ROBOT」といった最新ドラマ作品の独占先行配信も行われる。
そのほか、「Amazon Studio」制作のオリジナル作品も提供される。エミー賞を受賞したドラマ作品「トランスペアレント」や「モーツァルト・イン・シンフォニー」といったドラマ作品や、子供向けのアニメ「タンブルリーフ」などの8作品が提供されている。
再生は「Fire TV」「Fire TV Stick」や「Fire」タブレットのほか、iOS、Android、プレイステーション 4、Android TVやパソコンのブラウザに対応。再生したコンテンツはすべての端末で同期され、スマートフォンでみていた作品の続きを「Fire TV」で視聴するといった使い方ができる。
Fire TVシリーズ
「プライム・ビデオ」提供開始にあわせて、テレビに接続して動画などを楽しむセットトップボックス「Fire TV」シリーズを日本で発売する。4K動画視聴に対応したボックスタイプの「Fire TV」は1万2980円、スティックタイプの「Fire TV Stick」は、音声認識リモコン付属版が6480円、標準リモコン版が4980円。すでに予約購入が可能となっており、発送は10月28日に開始される。
発送開始はいずれも10月28日。9月24~28日まで、プライム会員限定で、「Fire TV」が9980円、「Fire TV Stick」は音声認識リモコン版が3480円、標準リモコン版が1980円で販売される。
「Fire TV」では、プライム・ビデオをはじめとするAmazonのコンテンツサービスが楽しめる。付属のリモコンにマイクが搭載されており、音声認識によって作品を検索できる。検索機能では作品タイトルや俳優・監督名、ジャンル、登場キャラクター名などでの検索に対応。
また、次に再生すると思われる動画を予測し、事前にキャッシュする機能「ASAP機能」を備えている。発表会で実施されたデモンストレーションでは、4K映像作品で再生ボタンを押して1秒以内に再生を開始していた。
このほか、外部アプリに対応している。外部アプリでは、YouTubeやニコニコ動画、Hulu、Netflix、GYAOなどの映像サービスも利用できる。
また、Bluetoothコントローラーを接続して、ゲーム作品のプレイも可能。ゲーム作品は無料~数百円程度のライトゲームを中心に揃えるほか、ファイナルファンタジーやGTAなどの作品も提供される。「Fire TV」シリーズ専用のゲームコントローラーも5980円で販売されている。
「Fire TV」はクアッドコアプロセッサー搭載で2GBのメモリを搭載。内蔵ストレージは8GB、128GBまでのmicroSDXCカードに対応。有線LANポートとデュアルバンド・MIMO対応のIEEE802.11acのWi-Fiに対応。HDMIケーブルでテレビに接続し、4KやフルHDのコンテンツが楽しめる。
「Fire TV Stick」はスティック型でテレビに直接接続するタイプ。デュアルコアプロセッサー、1GBのメモリと8GBのストレージを搭載。Wi-Fi接続に対応。4K動画再生は非対応。
「一番重要なのはコンテンツ」
24日の発表会にて登壇したアマゾン ジャパン株式会社の代表取締役社長 ジャスパー・チャン氏は、提供開始以来8年間でさまざまな特典を提供してきたAmazonプライムの経緯を紹介し、「買い物の歴史の中でもっとも魅力的なプログラムではないか」とアピールした。Amazonプライムは特に日本での新規加入が好調で、チャン氏は「前年比で50%以上」とした。
「プライム・ビデオ」のサービスを紹介した米Amazo.comのAmazon ビデオ 国際部 バイスプレジデントのティム・レスリー氏は、「Amazon.co.jpは登場から15年で日本でもっともDVDを売ってきたストアになった。パッケージメディアの販売経験から、どのようなコンテンツが喜ばれるかを知っている」と自信を示した。
米国で設立した「Amazon Studio」制作作品のほか、日本のコンテンツプロバイダーと共にオリジナル作品を制作していく意向を明らかにした。作品のラインナップの充実については、現時点での具体的な配信作品数は明らかにしなかったが、「コンテンツの質にフォーカスして充実させていく」と話した。
「Fire TV」の製品説明を行ったAmazon.comの製品開発・事業開発・アマゾンデバイセズ バイスプレジデントのピーター・ラーセン氏は、「Fire TV」の特徴を「高機能・高画質・簡単検索・豊富な品揃えの4つの柱」として説明した。
次に再生すると思われる動画を予測し、事前にキャッシュすることでロード時間を短縮する「ASAP機能」では、ユーザーが再生すると思われるコンテンツを学習することで、より精度を高めることができるという。また、Amazon提供作品の音声検索機能では、タイトルやジャンルをリモコンに向かって発声して数秒程度まで検索が完了する。写真機能では、スマートフォンで撮影して数秒後にFire TVによってテレビに映し出すことができるようになる。
これらの機能をユーザー側に意識させずに使えるよう、UXやリモコンをシンプルな設計とし、「一番重要なのはコンテンツ。コンテンツを楽しめるためのハードウェアとした」と語った。
使い方がわからないユーザーに対しては、サポートサービスで「Maydayスクリーンシェア」機能が用意されている。これは、Amazonの電話サポートの担当者にユーザーの端末の画面を共有し、実際の画面を操作しながら使い方を教えてもらえるというもの。同サービスは保証期間内なら24時間無料で提供される。同機能のデモンストレーションを行ったラーセン氏は「使い方を覚えてもらって、愛着をもって使ってもらいたい」と話した。