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ASUS、自撮り強化の「ZenFone Selfie」を日本で発売へ

タブレットのラインナップも強化

 6月2日に台湾・台北市で開幕する「COMPUTEX TAIPEI」に先駆け、台ASUSはプレスカンファレンスを開催。自撮り機能を強化した「ZenFone Selfie」や、ブランド名を一新した「ZenPad」シリーズを発表した。ASUS関係者によるとZenFone Selfieは「日本でも発売する」といい、第3四半期の市場投入を予定している。価格は未定。

「ZenFone Selfie」。日本で2015年の第3四半期に投入される予定としている

自撮り機能特化の「ZenFone Selfie」、「ZenWatch 2」もチラ見せ

 イベントでは、ASUSのデザインセンター ディレクターのジェン・チュアン氏が端末のコンセプトを解説。「自分自身を表現するスマートフォン」として、自分撮り(セルフィー)機能を強化したZenFone Selfieを披露した。背面のカラーはZenFone 2と同様のグレイとゴールド、レッドに加え、セルフィーにインスパイアされたというピュアホワイト、シックピンク、シアーゴールドの3色も用意する。

ZenFone 2に近い外観だが、フロントカメラ部分のデザインが大きく異なる
ASUSのデザインセンター ディレクター ジェン・チュアン氏
ZenFone 2と同様の3カラーに、3つのポップなカラーを追加

 機種名にもなっている、最大の特徴であるフロントカメラは、1300万画素のセンサーを採用。ZenFone 2よりレンズも大きく、正面から見たときのデザインも異なっている。単に画素数が高いだけではなく、2つのLEDで自然な色合いを実現する「Dual LED Real Tone」も、リアとフロント両方のカメラに対応している。一方で、LGエレクトロニクスの「isai vivid」などが搭載するレーザーオートフォーカスも備える。こちらの機能については、背面カメラのみとなる。

レンズも大型化されたフロントカメラ
フロントカメラは1300万画素で「Dual LED Real Tone」にも対応する
肌の色や目の大きさなど、顔のさまざまな部分を補正する「美顔」モードも搭載。なお、開発機のため、モードは2種類しかなかった

 フロントカメラのF値は2.2。88度の広角レンズを搭載するほか、HDR撮影や140度のパノラマセルフィーなどを楽しめる。これに対してリアカメラの方がやや高性能で、先に挙げたレーザーオートフォーカスに対応していることに加え、F値も2.0とフロントカメラより明るいレンズが採用されている。

広角対応レンズで、グループでの撮影も楽しめる。写真のように、タイマー撮影も

 また、自分撮りを生かす周辺機器として、スタンドつきのカバーも発売される予定。フリップ式のカバーはZenFone 2と同様、液晶部分に円形の窓が開いており、撮った写真を設定することが可能だ。カメラ部分も露出しているため、フリップを閉じたままでも、自分撮りを行える。

スタンドつきのカバーを用意
フリップ式のカバー。カメラ部分も露出している

 フロントカメラ以外の外観は5.5インチのZenFone 2に非常に近いが、中身は別物だ。チップセットはインテル製ではなく、クアルコム製でオクタコアCPUを採用する「Snapdragon 615」となった。ディスプレイのガラスは「Gorilla Glass 4」。また、展示会場に置かれていた実機には、「4G LTE拡張モード」と呼ばれるスイッチが搭載されていた。担当者によると、これはVoLTEとのことだ。背面に備えたボリュームキーや、デュアルSIM仕様はZenFone 2を継承する。

CPUには、Snapdragon 615を採用
設定メニューを見ると「4G LTE拡張モード」が備えられていた
背面のデザインはZenFone 2に似ているが、LEDの位置が異なるほか、レーザーオートフォーカス用の赤外線ポートも存在する

正式発表前の「ZenWatch 2」を展示

 プレスカンファレンスでは言及されなかったが、会場には、スマートウォッチの「ZenWatch 2」も展示されていた。担当者によると、「正式発表は9月のIFA(ドイツ・ベルリンで開催される家電見本市)で行われる」といい、スペックなどは明かされなかった。現時点で判明しているのは、45mmと49mmという2つのサイズが存在しており、バンドが交換可能だという概要のみ。ティザー的な出展ということで、製品に触れることもできなかった。

報道陣が殺到した「ZenWatch 2」。あくまでティザーという位置づけの発表だ
初代「ZenWatch」にはなかった、竜頭風のボタンを搭載する
45mmと49mm、2つのケースサイズを用意する

タブレットにもZenブランドを採用、Atom x3搭載機などを多数出展

 ASUSの会長、ジョニー・シー氏が「タブレットを再定義する」としながら紹介したのが、ZenPadシリーズ。プレスカンファレンスで披露されたのは、「ZenPad S 8.0」「ZenPad 8.0」のみだったが、発表会場には「ZenPad 10」「ZenPad 7.0」も置かれていた。機種名は大きく分けて4つということになるが、CPUや3G/LTE対応の有無で、バリエーションはさらに細かくなっている。

ZenPadシリーズは、ジョニー・シー会長から紹介された
「ZenPad S 8.0」は4:3のアスペクト比で、QXGAディスプレイを搭載
「ZenPad S 8.0」はペン入力に対応した
「ZenPad 8.0」は16:9のWXGAディスプレイとなる

 シー会長によって主な特徴として挙げられたのがデザインで、「ファッションとテクノロジーの完璧な融合」だと自信をのぞかせた。背面には、ASUSの「MeMO Pad 7」で採用されていたクラッチバッグ風のデザインが採用されている。カスタマイズも特徴の1つで、背面のカバーを交換できる。

デザインを売りにするだけに、プレスカンファレンスには、モデルがキャットウォークを歩くファッションショーのような演出も取り入れられていた。
なぜか、最後にはシー会長もポーズをキメる

 「ZenPad」向けには、カラーバリエーションの異なるカバーに加え、より機能性を重視したものも用意。5.1chサラウンドに対応したスピーカー搭載カバーや、拡張バッテリー内蔵カバーを接続することができる。こうした機器を認識するために、本体には端子が設けられている。

背面のカバーは交換が可能となっている
スピーカー内蔵カバーや、バッテリー内蔵カバーといった機能を拡張するカバーも

 また、ZenPad S 8.0に関しては、「ASUS Z Stylus」というスタイラスペンに対応する。プレスカンファレンスで触れられなかったZen Pad 10もASUS Z Stylusに対応しており、さらに、本体を装着できるキーボードが用意される。

ASUS Z Stylus
ZenPad 10にはキーボードを用意

 CPUはZenPad 8.0が世界初となるインテルの「Atom x3」を採用するのに対し、ZenPad S 8.0がハイパフォーマンスの「Atom Z3580」となる。ZenPad 7およびZenPad 10もAtom x3を主に採用。ただし、バリエーションによってはAtom Z3560や、クアルコム製のSnpadragonを搭載する機種なども存在する。Wi-Fiモデル、3G/LTEモデルといった区分けもあるため型番は多岐にわたり、これらは販売国によって異なるという。

ZenPadは、主にインテル製の「Atom x3」や「Atom Z3580」を搭載するが、機種によってはCPUが異なることも

石野 純也