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無料Wi-Fiと施設・観光情報を提供する、訪日外国人向け「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」

 ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)は、訪日外国人観光客をターゲットとしたビジネスを展開する法人および自治体、全17団体と協力して、「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」プロジェクトを発足した。

 同プロジェクトでは、Wi2が提供する全国約24万のWi-Fiスポットへの無償接続機能と、周辺の施設情報の配信機能を備えるスマートフォン向けアプリ「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」を12月12日から提供する。対応環境はAndroid 4.0以上、iOS 7.0以上。対応言語は英語、簡体中国語、繁体中国語、韓国語、タイ語の5カ国語。アプリ内で言語設定が行える。アプリとWi-Fi通信の利用は無料で、通常はプレミアムコードが必要な一部のSSID(Wi2premium、Wi2premium_club)の利用も、訪日外国人は無料になる。

 「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」アプリでは、現在地で接続可能なWi-Fiスポットと、周辺の施設情報を同じタイムライン上に表示し、Wi-Fi接続やクーポンの取得などが簡単に行える。

 タイムライン上に表示される施設情報をタップすると、店舗や観光・公共施設の営業時間などの情報、写真、地図などが確認できる。スポットはFoursquareと連携しており、地図はGoogle Mapsを活用しているという。ビックカメラ、ドン・キホーテ、マツモトキヨシなど、同プロジェクトに参画しているパートナー企業に関する店舗情報では、お得なクーポンなどがユーザーにレコメンドされる。お得情報はプッシュ通知で知らせることもできる。

タイムライン上で、現在地のWi-Fiスポットと近隣の施設がわかる
施設情報の詳細が閲覧できる
施設情報内の地図
店頭で見せるとお得になるクーポンも取得できる
店舗内に設けられたリーダーにかざすと特典が受けられるORコード
GPSにより訪れた場所が記録できる

 アプリ起動後にすぐさまタイムラインが表示される仕様で、直感的な操作を実現している。タイムラインでは、これまで辿った場所に沿って表示されており、過去の情報を1カ月分保存できる。ユーザーが訪れた場所や利用履歴をビッグデータとして分析・活用することで、さらなるサービスの向上に役立てるとしている。同アプリを通じて、ユーザー(訪日外国人)とさまざまな業種のパートナーを繋ぎ、観光事業の活性化を図る。

 同プロジェクトに参画する企業および自治体は、アクセンチュア、沖縄県、沖縄観光コンベンションビューロー、小田急電鉄、キャナルシティ博多、京都市、京都文化交流コンベンションビューロー、KDDI、沖縄セルラー、神戸市、ジェーシービー、東京都交通局、ドン・キホーテ、日本航空、パナソニックインフォメーションシステムズ、ぴあ、ビックカメラ、マツモトキヨシ、AIZAC、伊藤忠テクノソリューションズ、インテリジェンスビジネスソリューションズ、スキータ、Sen(MATCHA)、デジタルガレージ、富士ソフト、ブリンガー・ジャパン。

「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」のビジネスモデル。ユーザーは一部法人・自治体から配布されるプレミアムコードを登録することでオプションエリアも無償接続が可能になる。法人・自治体から、お得情報を配信することで送客を図る。またその導線を分析し、サービス向上に役立てられる
Wi2代表取締役の大塚浩司氏

 同じく、訪日外国人に向けた公衆無線LANサービスとして、NTTドコモの「docomo Wi-Fi for visitor」のトライアルが開始されてるが、それとの差別化について、Wi2代表取締役の大塚浩司氏は「本プロジェクトは、フリーWi-Fiの接続をアシストするだけではなく、企業とともに送客を図るインバウンドビジネスの活性化が目的であるため、サービスの立て付けは異なる」とした。また、「各社が訪日外国人に向けた取り組みを開始し始めている段階。共に発展させていければ」と述べている。

川崎 絵美