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格安SIMなどMVNOのシェアは173万契約、OCNが1位

 MM総研は、2013年度の国内MVNO市場規模をとりまとめた調査レポートを発表した。割安な料金プランで注目されるMVNOのシェアが明らかにされており、独立系サービスでのシェアトップはNTTコミュニケーションズ(OCN)となった。

 MVNOは、自前の電波や基地局は持たず、携帯電話事業者などから回線を調達して、通信サービスを提供している。その名称は「仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator」の略称となる。最近では、独自の値付けとサービス品質で“格安SIM”などが注目されているが、それはMVNOの形態の1つ。ほかには、ソフトバンクの4G対応スマートフォンが、同じソフトバンクグループの高速通信回線(AXGP方式)を利用できるようになっているケース、あるいはUQコミュニケーションズのWiMAXをほぼ同じ価格で再販するケース、あるいは法人向けサービスなどもMVNOの1つとなる。

 そんなMVNOの全体を見ると、2013年度末に1480万回線、売上は4710億円に達し、回線数は1年前(2012年度末)よりも42.7%増、売上は31.9%増となった。この回線数は国内の携帯電話市場全体の9.4%というシェアになる。ただし、このうち53.6%は、「MNO(既存キャリア)でもあるMVNO」、つまりauのWiMAX対応スマホやソフトバンクのAXGP対応スマホの回線数。残りの687万回線(国内携帯市場のうち4.4%)がそれ以外の独立系事業者によるMVNOとなる。

出典:MM総研

 この独立系MVNOから、WiMAXの再販などを除き、最近話題のSIM単体のサービス(本調査では独自サービス型SIMと呼ぶ)は、173万契約であることが明らかとなった。携帯市場全体の1.1%というシェア。この173万契約は、月額980円のSIMカードなどを提供する事業者のサービスが占めており、その内訳は、OCNが23.7%(41万回線)で1位、続いてIIJ(25万回線、14.5%)、日本通信(18万回線、10.4%)、ビッグローブ(9万回線、5.2%)と続く。この4社のシェアを合算すると、173万契約の半数を超えているという。

 このほか、格安SIMを利用するユーザーに対する調査では、そうしたサービスとセットで新品のスマートフォンを購入したユーザーが12.9%、SIMロックフリーのスマートフォンをSIMカードとは別に購入したユーザーが16.2%となり、あわせて29.1%になった。以前使っていたスマートフォンをそのまま有用した人は30.7%、中古を購入した人は19.3%になっており、MM総研では「国内でのSIMロックフリー端末のラインアップの早期拡充が望まれる」と指摘している。

関口 聖