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子供の成長シネマやBtoBなど、「KDDI∞Labo」第6期がスタート
(2014/3/27 16:06)
スタートアップ企業の支援を行うKDDI∞Laboは、「0から1へ! ~KDDIと一緒に、グローバルに通じる新しいインターネットサービスを造り出していこう!~」をコンセプトに掲げ、第6期プログラム参加チームの募集を1月24日より実施してきた。このたび第6期の参加チームが出揃ったとして、メディア向けにお披露目会が開かれた。今後3カ月間にわたり、事業化へ向けた出資・事業提携などサポートが進められる。
KDDI新規ビジネス推進本部 戦略推進部長の江幡智弘氏は、KDDI∞Laboを開始して2年半の間に、スタートアップをとりまく環境やトレンドに変化があることについて説明した。開始当初はソーシャルを中心としたものが多かったとし、その後、GPS機能を利用したものやゲームなど多様化が進み、現在はO2O、BtoB(BtoBtoCを含む)のプロダクトが増えてきていると述べた。今回選定された学生枠2チームを含む、全5チームのプレゼンテーションが行われた。
我が子の動画記録で“成長シネマ”を作る「bambie」
チームコトコトによる「bambie」は、子供の日常を撮影した短い動画から、成長シネマを自動で作成するスマートフォン向けのアプリ。毎日30秒間の動画を撮影し、短いコメントを残しておくことで、自動的に20日分の“成長シネマ”が作成される。
子供と一緒に過ごす時間は撮影のみで、子供が寝静まったあとにコメントを残すことができたり、日をさかのぼって登録できたりと、子育てに忙しいママでも無理なく続けられることに配慮した設計になっているという。また、作成されたシネマから、一部のシーンを切り取った写真から成るフォトブックや、ムービーのDVDを作成するオプションサービスも用意される。
動画撮影の用途として、圧倒的に子供の撮影をしているケースが多いことから、このサービスが作られた。短いムービーを撮影して手軽に編集できるアプリが増えている一方で、子供の成長記録に特化したサービスが意外とない、という点がKDDIによる今回の選定理由にもなっている。
同サービスは、“心を動かすコトづくり”というチーム理念に基づいた企画で、感動的なユーザー体験を創造することを目的としている。
現役東大生エンジニアが作り出す、トラフィック削減「MistCDN」
東京大学大学院在学中でエンジニアの2名から成るMist Technologiesは、高速配信やサーバーの負荷分散を実現する「MistCDN」を手がける。コンテンツ配信事業者に向けたBtoBのプロダクトだ。
MistCDNは、WebRTC技術を用いて、コンテンツ配信を標準ブラウザ上で実現する。従来のCDNコストから最大80%削減が可能で、Flash・HTML5のどちらにも対応、アクセスの多いコンテンツほど高速化できるなどのメリットがあるという。
KDDIでは、最新の技術トレンドをとらえたサービスの将来性や、これまでの∞Laboにはないサービスという点を選定理由としている。また、KDDI研究所による技術的なサポートや、KDDIが持つコンテンツ配信事業者のパイプが活用が可能になるほか、同社が取り組むトラフィックの低減についても連携していくとしている。
ハンドメイドジュエリーに製造・販売プラットフォーム「QuaQua」
DUCKLINGSは、ハンドメイドクリエイターを開拓する製造・販売プラットフォーム「QuaQua」を手がける。ハンドメイドのジュエリー(アクセサリー)分野においてECサイトを展開する。その特長は、ユーザーの人気投票により、支持が得られたものだけ製造・販売を行うという点。クリエイターへは、販売された分のデザイン料を支払うといった流れになる。このように、顧客支持のプロダクトのみ商品化することで、在庫リスクをなくすことが狙いなのだという。
ハンドメイドの中でもジュエリー(アクセサリー)にフォーカスした理由として、ハンドメイド市場における割合の中でもジュエリーの比率が高いことに注目したという。同チームでは、プロとアマチュアの距離が近いという点で将来性があると見ている。年収300万のクリエイターを1万人輩出することを目標としている
アプリ開発におけるヒット率を上げる「Repro」
Reproは、ユーザーの行動解析結果をもとに改善案を導く、アプリ開発者向けのツール「Repro」をサービス展開していく。
Reproは、ユーザーがスマートフォンにアプリをダウンロードしたあと、1カ月でアクティビティが下がったり、使わなくなるというケースが多いことから、ユーザーの行動解析結果をもとに事業者が課題を特定したり、改善案を議論できるコラボレーションツール。アプリ開発者向けに、SDKを提供する。
女性のためのキュレーションサービス「KEY」
学生枠のひとつであるSPWTECH合同会社は、男性3名から成る。同チームが手がける「KEY」は、男性チームでありながら“女性の女性による女性のための”キュレーションサービスを展開したいと熱い想いを語った。
ニュースサイトをユーザーの好みに合わせて配信するキュレーションサービスが多くある中で、“情報の取り方は男女に違いがあるのに女性に特化したものがない”、“女性が求めている情報が本当に届いているのだろうか?”という疑問からこの企画が始まった。情報のカテゴライズおよびUIを、女性が使いやすいものにし、サービスを提供したいとしている。2014年5月にはiOS向けのβ版を完成させる予定。