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ドコモ、5種類の電源に対応した住宅用エネルギー管理システム

 NTTドコモは、仙台グリーン・コミュニティ推進協議会からの委託により、5種類の電源に対応し停電時にも電力供給ができるHEMS(Home Energy Management System)を開発したと発表した。今後、建売住宅などを販売する住宅会社を通じて提供できるよう、準備を進めていくとしている。

 今回開発されたHEMSは、通常の電力会社から購入する電力のほかに、太陽光発電、定置型リチウムイオン蓄電池、家庭用燃料電池(エネファーム)による電力供給に対応。加えて、電気自動車の蓄電池の電力を家庭の電力として利用でき、合計で5種類の電力に対応する。平常時は生活パターンの解析から5つの電源を組み合わせて効率的に利用できるほか、災害などによる停電時でも、電力の自給自足で家庭内のすべてのコンセントを利用できるという。停電時でもガスと水が供給されていれば、燃料電池の継続運転が行えるとしている。

 2013年内には、電気自動車の「リーフ」を展開している日産自動車のグローバルデータセンターとドコモのHEMSクラウドが連携する予定で、電気自動車の使われ方や蓄電池の充電状態などの情報を活用することで、電気自動車の蓄電池を家庭用電力として利用する「V2H」(Vehicle to Home)の実現を目指すという。

 HEMSに対応した住宅“スマートハウス”では、家庭内に設置されたタブレット端末とクラウド上のサーバーが連携し、住宅に設置されたスマートメーターなどとも連携して情報を管理する。天候と連動し電気自動車の充放電を予め指示したり、タブレットのアプリで家庭内のエネルギー情報を確認したりできる。

 今回開発されたHEMSは、仙台市田子西地区に建設されたスマートハウス16戸に設置され、4月27日~5月6日に開催される住宅フェアにて展示される。上記の「V2H」には2戸が対応している。このスマートハウスは展示会終了後、住宅会社を通じて一般向けに販売される予定で、価格は4000万円台になる見込み。

仙台市田子西地区に建設されたスマートハウス

太田 亮三