カスペルスキー、Android向けセキュリティアプリの最新版


 カスペルスキーは、Android端末に対応した最新版のセキュリティ対策アプリ「カスペルスキー モバイル セキュリティ for Android」を6月15日に発売する。ダウンロード版とパッケージ版が用意され、価格は2980円~。パッケージ版は家電量販店などで購入可能。

 「カスペルスキー モバイル セキュリティ for Android」は、アンチウィルス機能や危険サイトのブロック機能、盗難対策機能などを搭載したスマートフォンおよびタブレット端末向けの総合セキュリティ対策アプリ。これまでの製品は、「カスペルスキー モバイル セキュリティ9」と、バージョンを表す数字が記載されていたが、今回の製品からバージョン表記はなくなった。

スマートフォン版

 最新版となる「カスペルスキー モバイル セキュリティ for Android」のスマートフォン向けアプリは、新たに危険サイトのブロック機能が追加され、悪意のあるサイトやフィッシングサイトをブロックできる。

 アンチウィルス機能には、新たにクラウドスキャナー機能が追加される。これにより、ダウンロードしたアプリをセットした際に、初回起動時にネットワークを介してアプリをスキャンし、マルウェアなどの脅威から端末を守る。脅威に対してはこれまで、配布されたパターンファイルをアプリにセットして危険なものをチェックしていたが、クラウド上に脅威の情報を置いたことで、従来よりも迅速に最新の情報が反映されるという。

 アンチウィルス機能にはこのほか、マルウェアなどの行動パターンを推測するヒューリスティックスキャン機能や、有害な可能性があるアドウェアやアプリを検知するリスクウェア機能などが追加される。

 盗難対策機能としては、データ消去機能に工場出荷状態に端末リセットする機能が追加される。また、アプリのアンインストールやデータ削除、端末ロックなどを防ぐ不正アンインストール防止機能が用意される。


タブレット版

 タブレット版は、3G通信に対応しないWi-Fiモデルを前提としたセキュリティ対策機能などを含んだアプリとなる。タブレットの大画面に最適化されたグラフィックユーザーインターフェイスが採用される。

 盗難紛失対策として、GPS追跡機能が用意されるほか、遠隔操作でタブレットのインカメラを操作する遠隔撮影機能などが利用できる。写真とGPSを利用して位置が特定しやすくなるとしており、タイミングがよければ、盗んだ犯人が利用している姿を撮影できるという。インカメラで撮影した写真は画像をクラウド上に転送した後、端末メモリからは消去される。端末ロックやデータ消去機能なども利用できる。

 このほか、危険サイトのブロック機能やアンチウィルス機能なども用意され、こうした端末の制御がWeb上の管理画面から実行できる。



対応、ライセンス、価格

 対応OSはAndroid 2.2/2.3/4.Xとなる。アプリの利用にはメールアドレスの登録およびマイカスペルスキーアカウントの作成が必要。

 実際のアプリはサーバーからダウンロードすることになるが、1つのパッケージにスマートフォン向けのアプリと、タブレット向けのアプリが用意される。1年間1台のライセンス提供となり、期限内であればスマートフォン版からタブレット版に利用を乗り換えることができる。価格は2980円。

 また、「ツインパック」と呼ばれる商品が用意され、こちらは1台で2年間利用するか、2台で1年間利用するか選択できる。2台で1年間利用する場合、家族や友達とライセンスを分けて使える。価格は4480円。

 なお、30日間試用できる体験版も6月15日より提供される。既存のユーザーについても15日より最新版にバージョンアップ可能。最新版の提供に伴って、タブレット向けに提供してきた「カスペルスキー タブレット セキュリティ特別無償版」は6月14日で提供が終了し、9月30日で利用が停止される。

携帯ショップでの販売目指す

 現状のスマートフォン向けセキュリティソフトは、携帯電話事業者がセキュリティベンダーからOEM供給されたアンチウィルスソフト機能を提供している。カスペルスキーでは、家電量販やダウンロード販売などで、アンチウィルス機能だけでなく、セキュリティソフトとしての総合力で勝負していきたい考え。同社コンシューマー営業本部 本部長の籔内祥司氏は、「付加価値を非常に多く盛り込んでおり、広くユーザーに展開していきたい」と話す。

 カスペルスキーでは携帯ショップでの販売をを目指し、販売代理店などと交渉をしているが、携帯電話事業者との関係が濃い販売代理店が多く、キャリアが推していない製品は契約が難しい状況にあるようだ。


 




(津田 啓夢)

2012/6/12 16:51