スマートフォンで簡単にタクシーを呼べる「すぐくるタクシー」
東京無線共同組合、富士通テン、メイテツコムの3社は、タクシーの配車を依頼できるスマートフォン向けアプリ「すぐくるタクシー 東京無線版」を発表した。iOS版およびAndroid版の配信が開始されており、アプリの利用料は無料。
今回提供が開始された「すぐくるタクシー 東京無線板」は、最短3回のタッチ操作でタクシーの配車が完了するという、タクシーの配車を依頼するアプリ。オペレーターや電話の自動応答といったシステムを介さず、アプリ上の操作だけで配車を依頼できる。スマートフォンのGPSを利用することで、外出先など周辺の地理に詳しくない場合でも配車の依頼を行いやすくなっている。早ければ30~40秒程度で配車が行えるかどうかが確定し、依頼を行うと、早ければ30秒程度で配車されるタクシーの番号などが確定、合計で最短約1分程度で配車の依頼を完了できる。
なお、「すぐくるタクシー 東京無線板」は東京23区と武蔵野市、三鷹市が対象。通常の配車の依頼と同様に、迎車料金(300円)が必要になる。
また、配車を依頼したタクシーの現在地を最短で10秒おきに地図上で確認できるため、どの方向から到着するかなども確認できる。このほか、空車の状態で周辺を走っている東京無線のタクシーを地図上に表示する機能も用意されており、配車の依頼前に、よりタクシーを利用しやすい場所が分かるようになっている。
「シンプル注文」は、現在地に1台のタクシーの配車を依頼するメニュー。ほかにも「詳細注文」では、複数台の配車を依頼したり、エコカーなどタクシーの種類の希望したりできる。
今後は、2点間の料金検索機能のほか、ユーザーから要望のあった機能の搭載を検討していくとしている。また、「東京無線」のサービスエリア外でも、「すぐくるタクシー」を導入しているタクシー事業者がある地域では、「地域連携機能」により配車の依頼が可能になる。
「すぐくるタクシー 東京無線版」の利用画面 | 現在地に対し、タクシーの配車を依頼 |
待ち時間は最短30秒、合計でも最短約1分程度という | 配車が確定すると車番が表示され、到着予定時刻なども表示される |
配車を依頼したタクシーに対しては現在地の追跡が可能 | 最短で10秒おきに位置情報が更新される |
■ほかのタクシー事業者にも提供可能
東京無線協同組合 副理事長の村澤儀雄氏 |
12日には都内で記者向けは発表会が開催された。東京無線協同組合 副理事長の村澤儀雄氏は、合計で4万5000台という東京無線のタクシーが都内では最大の規模になっていることや、デジタル無線機を導入するなどして、配車の回数が順調に拡大している様子を説明。今回提供のスマートフォン向けサービスについては3年前から計画していたとのことだが、携帯電話のGPSの精度が向上したことや、「受注に対する配車不能がほぼ解消できている」といったシステムの整備が進んだことなどから、サービスインに至っている。
富士通テン アフターマーケット営業統括部 通信営業部長の岩井章氏は、デジタル無線機や通信設備を納入してきた実績を紹介した上で、スマートフォンの拡大を受け、配車の依頼もスマートフォンから利用されることが増えると予測。また、3社共同で開発を行っているものの、ほかのタクシー事業者にも提供できる仕組みになっているとし、「全国のタクシーに提案していきたい」と意気込みを語った。
ソフトウェア開発を担当したメイテツコム 代表取締役社長の日比喜博氏は、座席指定など交通運輸系を得意分野としてソフトウェア開発を行ってきた経緯を紹介し、「非常に早くタクシーが呼べるシステムになったと自負している」と自信を語った。また、「ASPとして、全国のタクシー事業者が使えるようにしたい」と語ったほか、地方では観光タクシーや福祉分野でも需要があるとし、「観光や流通と連携することでユーザーが便利になるようなものを目指したい」と構想を語った。
2012/3/12 17:08