ニュース

東京のタクシー6社が対応、配車アプリ「スマホ de タッくん」

 東京のタクシー6グループが参加し、スマートフォンからタクシー配車を依頼できるアプリ「スマホ de タッくん」の提供が開始された。まずは日本交通、大和自動車、共同無線の全車両とチェッカー無線の一部車両で利用でき、その後チェッカー無線の全車両、グリーンキャブ、日の丸自動車も利用できるようになる。日本マイクロソフトが技術協力する。

 対応OSは、iOS、Android、Windows8/8.1。対象の営業エリアは東京23区と武蔵野市、三鷹市。まずは約6500台(エリア内のタクシーのうち約32%)で利用でき、4月に参加タクシー会社全ての車両9183台(同約45%)で利用できるようになる。ちなみにアプリ名にも用いられている「タッくん」とは、東京ハイヤー・タクシー協会のキャラクターという。

アプリ起動画面、タッくんをタップして利用開始

 アプリとしてはシンプルなつくりで、まず配車を依頼する場所を地図上で指定して注文する。近くにいるタクシーが探し出され、あとは待つだけ、という流れ。タクシー配車アプリは既に数多く存在しており、なかにはクレジットカードを登録しておき、降車時の支払い手続きを省いてカード決済する、といった機能を持つものもあるが、今回は配車依頼に機能を絞っている。こうしたこともあり、日本交通や大和自動車など、既に各社が提供するアプリと今回の「スマホ de タッくん」は別のアプリと位置付けられ、それぞれ提供される。

 既存の配車アプリと同様に、アプリからの配車依頼は、Windows Azure上に構築された配車システムへ直接繋がる。配車対象となるタクシーでは、アプリを使ったユーザーの場所(乗車位置)がカーナビ上で示され、そこまでのルートもあわせて表示される。こうした仕組みは、電話や既存のアプリと同じとのことで、乗務員やタクシー会社にとっては、これまでの仕組みと同じ形で対応できる。システムは日交データサービスが開発しており、APIが用意され、他のタクシー事業者が新たに加わる場合はAPIを利用して連携するとのこと。

対応する各グループ
4月には都内法人タクシーの45%が配車対象に
Azure上に配車システム
タップして場所を指定するという流れ
対応OS
乗務員はカーナビの案内に従ってユーザーのもとへ向かう

2020年の東京オリンピックを見据えて

 21日、都内で記者会見が開始され、アプリを配信する東京ハイヤー・タクシー協会会長の富田 昌孝氏、参加するタクシー各グループの代表、日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口 泰行氏が登壇した。

 最初に挨拶した富田会長は、「会社の垣根を超えて、オール東京で取り組むサービス」と紹介。2020年の東京オリンピック開催時における有効な輸送対策の1つとして貢献できれば、と語った。

東京ハイヤー・タクシー協会会長の富田氏
東京ハイヤー・タクシー協会副会長で、サービスの詳細を説明した副会長の樽澤氏
日本マイクロソフトの樋口氏

 日本マイクロソフトの樋口氏は、2014年前半のうちに、東日本と西日本に1カ所ずつ、Windows Azureのデータセンターを展開し、冗長化する方針を紹介した。

 今後の展開として、「スマホ de タッくん」の多言語対応、渋滞対策などが挙げられたが、今のところ、具体的な取り組みはないとのこと。また、東京ハイヤー・タクシー協会の副会長である樽澤功氏は、最近になって日本市場へ参入しつつある海外生まれのタクシー配車アプリ(Uber、Hailo)について、「そうしたアプリは乗務員にスマートフォンを渡して配車情報をやり取りするとのことだが、『スマホ de タッくん』は既存のシステムを利用しており、乗務員にとって操作を新たに覚える必要がなく、空車・乗車といったステータスも把握できる」と違いを説明した。なお、まずはサービスインを目指してきたとのことで、利用率など、今後の目標については明らかにされていない。

国土交通省審議官の若林陽介氏(中央)や警視庁の幹部など関係省庁の来賓も
参画するタクシー会社の代表者も登壇

関口 聖