ドコモ、「災害用音声お届けサービス」の提供を開始


 NTTドコモは、災害時にパケット通信を利用して音声で安否などのメッセージを伝えられるサービス「災害用音声お届けサービス」を3月1日より開始する。申し込みは不要で、利用料、パケット通信料、SMS通信料ともに無料。

 「災害用音声お届けサービス」は、震度6以上の地震など、大規模な災害が発生した場合に運用されるサービス。災害用伝言板サービスと同じ基準を元にサービスが提供される。災害時など運用が実際に開始された場合は、Webサイトのほか、フィーチャーフォンのiメニューまたはスマートフォンのdメニューのトップページにバナーが表示され、運用開始が周知される。

エリア、対応端末

 「災害用音声お届けサービス」の利用可能エリアは、FOMAおよびXiのサービスエリア。

 メッセージの送信に対応する端末は、スマートフォンではAndroid 2.2以降の端末。ただし、「L-04C」「GALAXY NEXUS SC-04D」およびタブレット端末、BlackBerryシリーズは対象外。

 フィーチャーフォンでは、2011年~2012年の冬春モデルとして発表されたSTYLEシリーズで、「F-02D」「F-04D」「F-06D」「F-06D Girls'」「N-02D」「N-03D」「P-03D」「SH-03D」「SH-05D」が送信に対応する(2月23日現在)。

 スマートフォンでは「災害用キット」アプリをダウンロードすることでメッセージを送信できるようになる。フィーチャーフォンではソフトウェア更新が提供され、送信できるようになる。

 メッセージの受信は、Androidを搭載したスマートフォンと、iモード端末が対応する。ただし、スマートフォンの「L-06C」とBlackBerryシリーズ、フィーチャーフォンの「N600i」「D2101V」「N2001」「N2002」「P2101V」「P2002」「SH2101V」「T2101V」「NM850iG」は対象外となっている。

利用方法

 利用にあたっては、メッセージを伝えたい相手の携帯電話番号(ドコモ)を入力し、マイクに向かいしゃべってメッセージを録音すると、ドコモのセンター内にメッセージが保存される。相手には、SMSで自分宛のメッセージが届いていることが通知される。SMSで通知を受け取ったユーザーは、SMSに記された内容に従って音声メッセージをダウンロードすることで内容を確認できる。

 メッセージが届いた時と、再生された時には、送信者にSMSで通知される。これにより、メッセージの送信側、受信側の双方でメッセージの送達状況が確認できるようになっている。

 メッセージの長さは1件につき最大30秒で、20件まで保存できる。保存期間は10日間。20件を超えるメッセージは古いものから上書きされるが、受信者が通知を受け取った上で、未再生となっているメッセージについては、上書きされない。10日間の保存期間が過ぎると、メッセージは削除される。受信者が電源オフや圏外などでSMSの通知を受け取れなかった場合、10日間のメッセージ保存期間内であれば、電源オンや圏内に復帰したタイミングで一括して通知のSMSを受信できる。

 なお、サービスの利用にあたって、パケット通信料が無料となるのは、国内においてiモード、spモードで接続している場合。spモードで国際ローミング中のメッセージの受信はパケット通信料がかかるほか、国内外でmopera Uを利用する場合もパケット通信料がかかる。


メッセージ送信方法 スマートフォン

メッセージ受信方法 スマートフォン

メッセージ送信方法 iモード端末

メッセージ受信方法 iモード端末

 

 同サービスは、東日本大震災の教訓に基づきドコモが策定した「新たな災害対策」の一環として提供されるもの。2011年11月には、ドコモ、KDDI、沖縄セルラー、ソフトバンクモバイル、ウィルコム、イー・アクセスが協力し、共通運用に関するガイドラインも策定されている。

 3月1日~31日までは、「災害用音声お届けサービス」の体験サービスも実施される。災害用伝言板と同様に、毎月1日と15日、正月の三が日、防災週間(8月30日~9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日~21日)にも体験サービスが実施される。

 




(太田 亮三)

2012/2/23 18:29