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XREALが「XREAL AURA」を発表――CEOやグーグル、ソニーが語る空間コンピューティングとは

 XREALは2日、都内で発表会を開催し、グーグルやクアルコムと共同開発した空間コンピューティング型ARグラス「XREAL AURA」を発表した。単体外部ユニットによる軽量設計と70度の広視野角を備え、同日より22万9800円から予約受付を開始した。

新製品「XREAL AURA」と「XREAL 1 Pro+」

 XREAL AURAは、グーグルやクアルコム、XREALの3社が共同開発したAndroid XRを世界で初めて搭載する有線接続型グラス。処理装置とバッテリーを外部ユニットに分離した設計を採用し、高い処理性能と長時間の快適な装着感を両立した。

 外部ユニットのコンピュートパックにはクアルコムの最新チップセット「Snapdragon Reality Elite」を初搭載する。視界に見えている映像や音声をまとめて理解できるグーグルのAI「Gemini」を統合し、視界の状況説明や音声操作を直感的に行える。

 あわせて表示性能を強化したARグラス「XREAL 1 Pro+」も発表した。独自チップ「X1」の搭載により2D映像から3D映像への変換が60fpsに対応する。明るさは1200ニトに向上し、価格は8万4980円。

高天夫氏が明かす製品戦略と広がる利用シーン

 XREALで製品戦略・エコシステム統括を務める高天夫氏は、2019年の初代製品発売以来の歩みを振り返った。高氏は、「エントリーからハイエンドまで多様な製品を展開してきたのは、多くのユーザーやパートナーの支えがあったからだ」と語る。

XREAL 製品戦略・エコシステム統括 高天夫氏

 同氏はAURAの機能面として、頭の向きだけでなく体の前後・左右・上下の動きまで空間に反映できる「6DoF」空間トラッキングや、移動中でも画面が安定固定されるトラベルモードを紹介した。Google Playストア経由でアプリを利用できるほか、空間上に複数の作業画面を自由に配置できるマルチウィンドウ表示に対応する。

 Geminiとの連携では、視界に入った情報の解説や音声指示によるアプリ操作ができる。「いま見えているものの説明」や「ゲームのボス攻略法」などをリアルタイムに質問して解決できる使い勝手をアピールした。

 ゲームやアニメコンテンツなど150以上のAURA対応アプリが揃う。Gugenkaの「ホロモデル」やアドベンチャーゲーム「東京クロノス」など、日本の開発会社による魅力的なコンテンツも順次提供される。

Gugenka「ホロモデル」
東京クロノス

 作業効率を高める周辺機器も展開。Gemini呼び出しボタンを備えた折りたたみキーボード「XREALワイヤレスキーボード」を1万2980円、ゲームコントローラー「XREALゲームコントローラー」を1万8990円でそれぞれ予約販売する。

XREALワイヤレスキーボード
XREALゲームコントローラー

チー・シューCEOが掲げる10年目の結実

 XREALの創業者兼CEOのチー・シュー(Chi Xu)氏は、「今日は歴史を作る日だ。AURAは自社史上最も野心的で最高性能なデバイスだ」と語る。同氏は10年前の創業当時から「誰もが空間コンピューティングを利用できる世界を実現する」というビジョンを一貫して掲げてきた。

XREAL 創業者兼CEO チー・シュー(Chi Xu)氏

 シュー氏はソニーのディスプレイ技術、クアルコムのプロセッサ、グーグルのOSとGemini AIの結集を強調。「2026年こそこれまで積み上げてきた全ての要素がついにひとつになる年だと考えている」と語り、空間コンピューティングの本格普及への自信を見せた。

 こうしたハードウェアの進化やAI操作体系の成熟を受け、同社は約3年間にわたりパートナー企業とひとつのチームとして限界に挑んできた成果として、AURAを市場へ送り出す。

グーグル ルーシー・ジン氏が語るAndroid XRとGeminiの統合

 グーグルのAndroid XRパートナーシップ担当ディレクターであるルーシー・ジン(Lucy Jin)氏は、腕時計や自動車、パソコンへと進化したAndroidの歴史に触れた。ジン氏は、「Android XRはGemini時代に向けて開発された初のAndroidプラットフォームだ」と語る。

グーグル Android XRパートナーシップ担当ディレクター ルーシー・ジン(Lucy Jin)氏

 搭載されたGeminiは視界の映像をリアルタイムに理解する。目の前の物体について質問したり、課題の解決策を尋ねたりできる。

 Android XRならではの使い方として、出張先のホテルや電車内で折りたたみキーボードを接続し、ドキュメントやスライド、カレンダーを並べる巨大な仮想マルチウィンドウ作業環境を提示した。

 100インチ超の仮想画面でのスポーツ観戦や、大画面ゲームのプレイ中にGeminiへ攻略法を尋ねる使い方を説明した。

 ノートパソコンやゲーム機とUSB Type-Cケーブルで有線接続するミラーリング表示にも対応する。接続した画面を巨大な空間ディスプレイとして表示しながら、横にほかのアプリやGeminiを並べて同時に作業を進められる。

ソニー北氏が明かすMicro-OLED進化

 ソニーセミコンダクターソリューションズの北洋輔氏は、親指サイズのシリコン基板上に形成するMicro-OLED技術を解説した。画素の密度を示す数値が5000PPIを超える圧倒的な高精細さと高コントラストを特長とし、一眼カメラのファインダー技術から進化を遂げてきた。

ソニーセミコンダクターソリューションズ ディスプレイ事業部 ディスプレイデバイス1部 統括部長 北洋輔氏

 北氏は2018年頃にXREAL(当時はNreal)から打診を受けた出会いを振り返った。屋外で見える明るさや低消費電力という厳しい要求に応え続けた歴史を語る。北氏は、「同技術の開発に取り組んできた15年間で明るさは50倍になり、画素サイズは半分、消費電力は85%削減した」と語る。

 北氏はディスプレイのサプライヤーとして、今後の空間コンピューティング時代に向けた決意を示した。さらなる高輝度化や高精細化、広視野角化、低消費電力化に取り組み、新しいディスプレイの世界を共に切り開く構えだ。

通信キャリアからもメッセージ

 AURAを発売する通信キャリアも期待のメッセージを寄せた。KDDIの松ヶ谷篤史氏は2019年からの連携をアピールし、「AIが生活空間に飛び込む体験を実現する」と語った。NTTドコモの大井達郎氏は「スマホの先にある新しい時代の入り口」と表現し、新体験の創造を誓った。

KDDI パーソナル事業統括本部 事業戦略本部 プロダクト企画部長 松ヶ谷篤史氏
NTTドコモ プロダクトマーケティング本部 プロダクトクリエーション部長 大井達郎氏

 第三者認証機関TÜV Rheinlandのテレス・チャン(Terrence Cheung)氏は、AURAに視覚快適性を示す認証を授与した。5つ星の「Eye Comfort」をはじめ、高い視認性(High Visibility)、色の正確性(Color Accuracy)、ブルーライト低減とフリッカーフリー(Low Blue Light & Flicker Free)の計4項目で基準を満たした。

TÜV Rheinland アジア太平洋電気部門担当副社長 テレス・チャン(Terrence Cheung)氏

 左右の映像のズレをなくし、長時間の使用でも目を疲れさせない人間工学設計が高く評価された。チャン氏は、視覚的快適性とヒューマンファクターを設計の中核に据えるアプローチが、今後の業界における重要な競争優位性になるとの見解を示した。

体験イベントも開催

 価格は12GB+256GBモデルが22万9800円、16GB+512GBモデルが26万9800円。なお、年末までは期間限定キャンペーンとして、通常価格から2万9900円引きで購入できる。あわせて初回限定パスや特典プログラムで残金を支払ったユーザーには2万9900円が返金される。

 さらに発売にあわせて福岡(11月14日)、東京(12月1日、2日)、大阪(12月19日)の3都市で製品を実際に体験できるプレミアム体験会の開催を予定している。

左から北洋輔氏、高天夫氏、チー・シュー氏、ルーシー・ジン氏、テレス・チャン氏
ブラウザなどアプリを並べられる
DJアプリ「djay」も対応