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アップル折りたたみ参入は勝機。メーカー3社がIIJイベントで語るスマホの未来
2026年9月10日 00:00
インターネットイニシアティブ(IIJ)は5日、イベント「IIJmio meeting37」を、東京都千代田区の本社で開催した。当日は、すみっコぐらしアンバサダー就任式が行われたほか、フォルダブルスマートフォンに関するトークセッション、さまざまなメーカーの展示などが行われた。
すみっコぐらしの「とかげ」が登壇
イベントの冒頭、会場に愛らしい姿で登場したのが「すみっコぐらし」のキャラクター「とかげ」。IIJmioの公式アンバサダーへの就任式を執り行い、MVNO事業部副事業部長の亀井正浩氏から委任状を手渡した。
亀井氏は就任の背景について、IIJmioはシンプルで自由な料金設計で多くのユーザーに支持されてきたが、通信サービスはどうしても難しく感じられがちだと説明。そこで、より多くの人々にサービスを身近に感じてもらうため、すみっコぐらしの力を借りて魅力を発信していく考えを示した。
アンバサダー就任に伴い、SNSでの情報発信を積極的に展開する。第一弾として、公式Xでフォロー&リポストキャンペーンを実施予定。抽選で35人に、オリジナルのハンドタオルをプレゼントする。また、第二弾以降のキャンペーン企画も鋭意準備中だという。
eSIM拡充や基本料値下げなどIIJmioの最新アップデート
イベントでは、最近一年間におけるIIJmioの主要なサービスアップデートを報告した。
最新の動向として、ギガプランのeSIMサービスを大幅に拡充した。これまではデータのドコモ網のみだったeSIMの選択肢に、新たにau網のデータeSIMおよびSMS機能付きeSIM、ドコモ網のSMS機能付きeSIMを追加した。これにより、すべての契約機能でドコモ網とau網の双方を選択できるようになり、サブ回線としての利用がより簡単になった。
IIJmioにおけるeSIMのシェアは現在17.7%まで拡大しており、新規申し込みの約半数がeSIMを選択するなど、ユーザーにとって身近な選択肢として定着している。
また、料金面でも改定を実施した。3月に15ギガプランの月額料金を改定し、音声SIM/音声eSIMの料金を1600円へと200円値下げした。中容量から大容量へとユーザーの利用スタイルが移行する中、より選びやすい料金設計を目指した結果だという。
さらに、100以上の国・地域に対応した「海外eSIM」の提供も3月に開始した。オンラインでいつでも購入・チャージが可能で、日本からの渡航時にも日本語によるチャージなどのチャットサポートを受けられる点が強み。
くわえて、サービスの安定的な提供を維持するため、12月1日申し込み分からパッケージ初期費用を現行の3300円から3850円へと改定することも説明した。
フルMVNOの強みを活かした法人モバイルの技術革新
最初のトークセッションでは、MVNO事業部 ビジネス開発部 フルMVNO推進課長の遠見洋一氏が登壇し、IIJ法人モバイルについて説明した。
IIJのモバイル事業は、個人向けだけでなく法人向けでも高い存在感を示しており、グループ全体で600万回線を超えるMVNOシェアNo.1の地位を誇る。法人モバイルは、パソコンやスマートフォンの業務利用にとどまらず、自動販売機の決済、監視カメラ、タクシーの決済端末、子供の見守りGPSなど、街のインフラを陰で支える役割を果たしている。
こうした多様なニーズに対応するため、2018年から開始した「フルMVNO」(自社で加入者管理機能を有し、SIMを独自発行する仕組み)の強みを活かした独自のソリューションを提供している。
その代表例が、提供を開始し累計10万回線を超えた「SoftSIM」。物理的なプラスチックSIMカードやスロットを排除し、通信モジュール(基板部品)内に直接SIM情報を書き込む。これにより、部品点数の削減による機器の小型化やコスト削減が実現できるだけでなく、車載環境などの激しい振動や高温下における故障・脱落リスクを大幅に低減できる。また、大量の機器に手作業でSIMを差し込む手間や破損リスクをなくし、空いたスペースを大容量バッテリーに充てることで、屋外設置機器の長時間駆動を可能にする。
さらに、最新の取り組みとして「IIJマルチプロファイルSIM 2.0」の提供を開始した。これは一枚のSIMカード内にドコモ網とKDDI網の双方のプロファイルを格納する技術。ローミングSIMと異なり、安価に利用でき、セキュリティ性の高い閉域網接続にも対応する。万一の通信障害時には、自動または手動で別回線へ瞬時に切り替えられるため、二重の回線契約費用を抑えつつ極めて高い冗長性(バックアップ)を確保できる点が特徴。
堂前氏がVTRで参加者からの質問に回答
同社広報部の堂前清隆氏は、同日に開催された「Maker Faire Tokyo 2026」に参加のため、本会場には不在だったが、事前にユーザーから寄せられた質問に答える動画メッセージを寄せた。
自身も小型スマホ派だという堂前氏は、手のひらサイズのスマートフォンの復活を望む声に深く共感を示した。しかし、アップルがiPhone miniシリーズを断念した事例を挙げ、世界的な需要の観点から開発はかなり厳しいのが現実だと分析した。だからこそ、展示ブースに出展しているメーカーの超小型端末などに触れて、買って応援してほしいとファンに熱く呼びかけた。
さらに、複数メーカーから登場して盛り上がる折りたたみスマホの未来について、自身の老眼を交えた極めてユニークな視点を披露した。堂前氏は「最近老眼が進んで文字を読むのが苦しい」と前置きし、パカッと開けば画面が大きく、スマートフォンの文字サイズを劇的に拡大できる折りたたみ端末の利便性に注目した。
現在のフォルダブルはエッジの効いた若い世代向けのものが多いが、視力が低下してきたシニア層や中高年層に寄り添う「シニア向け折りたたみスマホ」という新たな未来があってもいいのではないかと語り、メーカー各社に対して今後の製品化への強い期待を投げかけた。
フォルダブルスマートフォンの最新トレンドとメーカー3社のこだわり
2つ目のトークセッションでは、モデレーターにITmedia Mobile編集長の田中聡氏を迎え、国内の折りたたみスマホ市場をリードするOPPO、モトローラ、サムスンの3社によるパネルディスカッションを開催。
3社はそれぞれ「Find N」「razr」「Galaxy Z」シリーズといったフォルダブル端末を展開しているが、セッションでは端末のスペックだけに留まらない、開発の裏舞台や未来の市場への想いを熱く語った。
プライベートでのリアルな活用法と独自機能
トークセッションは開発者自身のプライベートな活用法にも及び、独自の便利機能と結びつけて熱いトークを展開した。
オウガ・ジャパンの丹下紘彰氏は、「OPPO Find N6」を用いたビジネス用途でのリアルな活用術を紹介した。画面分割をしてメッセージを見ながらカレンダーに予定を追加したり、全画面でメモに走り書きをして、AI機能「Mind Space」を活用して自動で予定に追加しているとのこと。
モトローラ・モビリティ・ジャパンの伊藤正史氏は、趣味である「推し活」で縦折りのフリップ型を愛用。ライブなどの現場でサブディスプレイにプレビューを映しながら振ると、気づいてもらいやすく、レス(レスポンス)をもらいやすいメリットを力説した。
サムスン電子ジャパンの久慈恭平氏は、「Galaxy Z Fold8」が「見る」にぴったりだとアピール。動画や漫画は横向きに開いて閲覧、Webブラウジングやショッピングは縦向きに、移動時は閉じて持つと環境に応じて使い分けられることが便利だと魅力を伝えた。また、撮影時に背面にプレビューを映す機能は、子供の撮影に活用していると明かした。
カスタマイズの観点では、「Good Lock」の活用にも触れた。久慈氏は、ホーム画面のアイコンの大きさを変えたり「マルチフィンガージェスチャー」を駆使しているとのこと。
競合への深いリスペクト、お互いの独自機能やバランス設計を称賛
自社の折りたたみスマホにない機能、他社の折りたたみスマホでいいなと思った機能について問われる質問もあった。
伊藤氏は、2社の製品の「薄さと軽さ」を挙げた。カメラのスペックや大容量バッテリーといった物理的にスペースを占有する要素を詰め込みながら、いかに持ちやすい薄さと軽さを両立させるかという点について、各社が極めて高い次元でバランスを取っている難しさと美しさを評価した。
久慈氏は、モトローラの「moto/ジェスチャー」を挙げた。スマートフォンを振るなどのジェスチャーを行うだけで、カメラやライトを即座に起動できる機能を挙げ、使い勝手の良さを絶賛した。
さらに久慈氏は、OPPOのFind N6に搭載されている「赤外線リモコン」機能も評価した。自宅にあるスマート家電化されていない古いエアコンやテレビなどの家電でも、手元のスマートフォンをそのままリモコン代わりに使える点が便利だと話した。
これに対しては丹下氏も「まさかそこを触れられるとは思わなかった」としつつ、自宅でもリモコンを探す前にスマホから電源を入れられるのが便利だと説明した。
メモリーの高騰は避けられないが、値下げを模索
価格に対する考えを問われた3人はいずれも、メモリーの高騰は避けられないと回答。
丹下氏は、耐久性など共通の課題があり、折り目や薄さ、バッテリーなどに磨きをかけてから、価格について考えていけるのではないかと説明した。
伊藤氏は、IIJとモトローラの両社が投資をして、「razr fold」の10万円引きを実現できたと言及。「razr flip」の無印モデルはスペックと価格のバランスを取りつつ、「razr fold」は模索段階だと率直に語った。
久慈氏は、折りたたみならではの技術革新で応えると意気込む。さらにプロモーションの実施や、オンラインショップでの分割支払いの対応などをもって、手に取りやすさを実現したいと展望を述べた。
アップル参入の噂に期待、市場のメインストリーム化と価格低下への好機
ディスカッション中、大きな関心を集めたのが、アップルがフォルダブル市場に参入するのではないかという噂に関する話題。田中氏が「来週(9月10日)いよいよアップルが出すかもという噂も出ている」と切り出すと、3社は一様に歓迎の意を示した。
サムスン、OPPO、モトローラはいずれも、アップルという超巨大プレイヤーが参入することによって、折りたたみスマホというジャンルそのものに対する一般ユーザーの関心が爆発的に高まり、市場全体が急速に拡大する「メインストリーム化」を予測する。
久慈氏は、一部のユーザー向けの選択肢だった折りたたみスマホが、当たり前の選択肢になると予想。あわせて、一般的な板型(バータイプ)スマホのユーザーへの訴求が非常に大事になってくるため注力したいとし、3モデルのラインアップと7年間のユーザーデータを強みとして、勝機ととらえ、折りたたみの良さを伝えていきたいと話した。
丹下氏は、アップルの参入により市場規模が拡大し価格が下がることが期待できるとする。そのうえで消費者の目に留まるような、カメラ機能や折り目など価値・基準を持った端末を日本に持ってきたいと回答した。
伊藤氏も市場が大きくなり、ユーザーにとって選択肢が増える点が良いと答える。市場規模が拡大すれば、折りたたみ式ディスプレイをはじめとする専用部品の製造コストが量産効果によって劇的に下がる。結果として、現在は高価なフォルダブルスマートフォンの販売価格を引き下げ、より多くのユーザーが手に入れやすい環境を作ることへとつながるため、自社にとっても極めて大きな好機になると捉えた。
展示コーナー
展示コーナーには、IIJmioで取り扱われているメーカーが参加。FCNT、モトローラ、Nothing、OPPO、サムスン、シャープ、Unihertz、シャオミ、ZTE、ALT JAPANが実機などを展示した。
そのほか、IIJmio自身が取り扱う中古端末の展示を実施。実際に手にとって状態のサンプルを確認できるようになっていた。


















































