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楽天グループ第2四半期決算、基地局建設は「年内計画分リソース確保済み」と三木谷氏

 楽天グループは10日、2026年12月期第2四半期決算を発表した。連結売上高は6665億円(前年同期比+11.6%)、連結EBITDAは1153億円(同+11.7%)とどちらも過去最高を記録。Non-GAAP営業利益は420億円(同+110%)となり、モバイルサービス開始後で過去最高となった。

 また、税引後利益は272億円となり、2020年度第2四半期以来、6年ぶりに黒字化を達成した。代表取締役会長兼社長最高執行役員の三木谷浩史氏は「短期ではなく恒常的な黒字化を目指す」と強調する。

代表取締役会長兼社長最高執行役員の三木谷浩史氏

インターネットサービス

 インターネットサービスの売上収益は3381億円(同+4.2%)、Non-GAAP営業利益は231億円(同+68.6%)となった。三木谷氏は「AI活用が寄与した」と分析する。また、国内EC流通総額は1.5兆円(同+5.3%)だった。

 楽天トラベルでは、取扱高が前年同期比で+17.2%、国内は+10%、グローバルで+78.5%と大幅に伸長した。

 広告事業の売上は656億円(同+15.6%)で好調を維持。年間ベースで3000億円規模を見込んでいる。

 一方、国際事業は楽天フランスのマーケットプレイス事業を閉鎖することが決定された。ViberとRakuten Kobo、Rakuten Rewardsなどは順調に伸長した。

フィンテック

 フィンテックセグメントの売上収益は2954億円(同+27%)、Non-GAAP営業利益は692億円(同+60.1%)と伸長した。

 楽天カードの取扱高は7.1兆円(同+9.4%)、営業利益は174億円(同+16.2%)、楽天銀行の口座数は1846万口座、預金残高は13.3兆円(同+13.9%)、経常利益は302億円(同+26.1%)と順調に推移した。

 また、楽天証券では、新NISAを契機に口座数が1400万を突破し、預かり資産は58.7兆円(同+48.3%)となった。

 楽天ペイメントの売上は291億円(同+12.2%)、営業利益は32億円(同+80%)となった。

 好調の要因として三木谷氏は「財務シナジーと個人顧客基盤の最大化という2つのシナジーが大きい」と分析。これらフィンテックセグメントの事業会社を、順次楽天銀行の傘下にまとめる再編を実施し、さらなるシナジー効果を狙っていく。

 三木谷氏は、再編によるシナジー効果は、中長期で850億円だと分析。楽天銀行と証券、カードなどのクロスユースを促進するなど、相互送客や銀行預金の拡大への施策を実施していく。

 フィンテック事業好調に三木谷氏は「当然の結果」と指摘。楽天モバイル経由で新規ユーザーを獲得するなど、エコシステムがデザイン通りうまくいった結果と分析した。加えて、AIによるコスト削減効果も上がってきているとした。

モバイルセグメント

 モバイルセグメントの売上収益は1214億円(同+8.3%)、Non-GAAP営業利益は-331億円(同+41億円の改善)、EBITDAは68億円(同-28.4%)だった。EBITDAについて三木谷氏は「楽天でんきのエネルギー価格上昇が影響している」と分析する。

 楽天モバイル単体の売上収益は1013億円(同+11.9%)、Non-GAAP営業利益は-323億円(同+67億円の改善)、EBITDAは59億円(同+4億円)だった。

 MNO純増数は、ホッピング対策として短期解約目的の流入を抑制していたが、+38万2000回線と前年水準を維持できた。調整後のMNO解約率は1.38%(同-0.02ポイント)となった。MNOの1回線あたりの単価を示すARPUは2921円(同+60円)だった。セキュリティや補償などのオプションラインアップ拡充や、「楽天モバイル最強感謝祭」による広告売上がけん引したとしている。

エリア問題は「基地局建設を加速」

 設備投資では、第2四半期で393億円を計上し、基地局工事の推進をアピール。

 基地局建設を加速させるため、下半期では工事の工程改革を推進するという。具体的には、人手不足などで停滞していた用地交渉など建設に至るまでの前工程や建設時の進行管理を一部内製化や進捗管理の細分化を進める。

 第3四半期以降も設備投資を進める計画に変更はないといい、期初計画「2026年度設備投資2000億円」は堅持するとしている。

 2026年の電波発射目標数に対しては、6月時点で約9割の前工程が完了しており、計画分の工事会社リソースはすでに確保できている。下半期では建設など後工程を加速的に進めるとした。

駅での5G整備でネットワーク強化へ

 三木谷氏は、ネットワーク強化策の一環として、JR山手線の駅に対する5Gエリア構築を挙げる。山手線全30駅のうち、25駅で5Gネットワークの構築を完了しており、残りの5駅も2026年内に構築が完了するという。これにより、利用者数の多いエリアでキャパシティ増強を図る。

 ほかにも、東京メトロの駅では、移動通信基盤整備協会(JMCIA、いわゆるトンネル協会)の対策対象駅で帯域拡張とMIMOの展開を進める。

 帯域を5MHz→20MHzに拡張後、MIMOを順次展開する流れで進めており、6月までに東京メトロ10駅で導入が完了した。MIMOの導入により、理論上のスループットが最大2倍になり、地下鉄構内でのネットワーク強化もあわせて進めている。

 エリア対策としては、低軌道衛星「AST SpaceMobile」を活用したインフラ整備事業を進めている。総務省の衛星通信プロジェクトにも採択され、災害時などでも外部環境に左右されず、日本国内の通信インフラを、優先的かつ安定的に維持できるようになるとしている。楽天モバイルでは、2026年第4四半期以降に商用サービスの提供を目指している。

KDDIの大規模ローミング終了

 三木谷氏は、自身のパートの最後に「KDDI回線のローミング終了」についてコメントした。

 三木谷氏は、楽天のモバイル事業について「NTTによる独占状態を切り崩すことで、通信の民主化を目指した」と説明し、立ち上げ当初からローミングの形で支援してきたKDDIに対し「大変感謝している」とコメント。

 新しい契約についても詳細を詰めている段階だとし、楽天モバイルがカバーするのに時間がかかるエリアでは「10月以降も契約に則ってローミングは継続される」と説明。一方、楽天モバイルがカバーできているエリアは「ローミングを順次縮小していくことで合意している」と語った。

 楽天モバイル代表取締役上級副社長執行役員の百野研太郎氏は、「基本的に都市部は、楽天モバイルのエリアが大分できている。KDDIとは全国を対象に細かく打ち合わせしている状況」と説明した。

楽天モバイル代表取締役上級副社長執行役員の百野研太郎氏

熊本地震の復旧対応

 7月に発生した「令和8年熊本地震」では、NTTドコモとKDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのMNO4社がそれぞれ協力し合い、通信サービスの復旧に尽力した。

 「地震発生の2週間前にイオンモール熊本を訪れていた」という三木谷氏は、今回の復旧対応に「現時点でできることを最大限できた」と評価。

 一方、今後の対策について「まだできることがある」と社内で検討していると明かした。具体的には、停電時のサービス継続性やASTによる衛星でのブロードバンド回線の提供で、三木谷氏は「極めて重要」と指摘。被災地域に太い周波数帯を割り当てるなど機能を効果的に利用することも考えていると語った。