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「060」番号提供延期……でもまだ“大丈夫”と言える理由
2026年7月8日 20:24
NTTドコモ・KDDI/沖縄セルラー・ソフトバンク・楽天モバイルの携帯各社が8日、携帯電話番号向けの「060」提供延期を発表した。延期の背景として各社では「システム対応に追加の時間を要するため」としている。
8日時点では、いつごろ対応が完了するのか示されていない。もしかしたら、「新たな回線契約のときに電話番号が足りない」と言われるおそれがないか、疑問に思う人がいるかもしれない。
だが、まずお伝えしたいのは「ユーザーが困るような状況にならない」ということ。では、なぜ「大丈夫」と言えるのか、これまでの経緯を含めてご紹介したい。
060番号導入は「いずれ足りなくなるから」
携帯電話用の電話番号は、当初、「090」で始まった。このときの電話番号の数は9000万件だった。その後、2002年3月に080番号が追加され、さらに9000万件増えて計1億8000万件使えるようになった。
2013年11月には070番号の多くが携帯電話用(一部はPHS用)となり、その1年後に070番号すべてが携帯電話で使えるようになった。
つまり、これまで2億7000万の電話番号が携帯電話用として利用できていたが、080と090はすべて指定済み。2024年9月末時点で、国が持つ電話番号(未割り当ての番号)は530万件までになっていた。
すぐではないものの、いずれは枯渇すると想定されるため、2024年12月に決まったのが「060」を携帯電話用に開放する方針だ。これにより、電話番号が、また9000万件増え、計3億6000万件、携帯電話用に使えることになった。
「060は携帯電話の番号」でシステム改修
携帯電話用に「060」の利用が決まって以降、携帯各社は「060を使いたい」と総務省に申し出た。その結果、ドコモ・KDDI/沖縄セルラー・ソフトバンク・楽天の各社への割り当てが決まっている。
総務省の資料によれば、たとえば、060の後、10で始まる番号はソフトバンク、14で始まる番号はドコモといった具合だ。
| 06010 | ソフトバンク |
| 06011 | KDDI |
| 06012 | 楽天モバイル |
| 06013 | 沖縄セルラー電話 |
| 06014 | NTTドコモ |
当たり前の話だが、携帯電話からの電話(発着信)は、相手がどの会社であっても通じる。つまり、A社回線から発信し、B社へ着信するには、「B社の電話番号であること」をA社のシステムが把握しておく必要がある。
2024年12月に方針が決まったのに、まだ060番号が実際に使われていない理由はここにある。関係する各所で「060は携帯電話の番号だ」とシステム側で認識するための改修が必要なのだ。
今回、携帯各社が延期を発表するにあたり「システム対応に追加の時間を要するため」としている。この「システム対応」が、まさに「060番号が新しい携帯電話の番号と認識」するための取り組みだ。
しかも、システムを改修する必要があるのは、携帯電話会社だけではない。固定電話も当然含まれるし、緊急通報(110番など)のような仕組みでも対応が求められるだろう。
「まだ大丈夫」
冒頭で触れた通り、060番号の提供が延期されたとしても、新たな回線契約に不都合が出るかと言えば、そうではない。その大きな理由が「まだ番号の余裕があるから」だ。
総務省番号企画室によれば、国の持つ電話番号、つまり事業者に割り当てられていない未使用の電話番号はまだ460万件(7月1日時点)ある。
先述したように、2024年、「060」導入の議論が進められた時点での在庫が530万件だったため、2年弱で70万件減ったことになる。電話番号が足りなくなるから060を使うことにしたのに余裕がある……となれば、違和感を持たれるだろうが、当面は電話番号が尽きないことは間違いない。実際、各社も直ちに枯渇する状況ではないとしている。その上で、総務省では、2026年度末までに「060」番号の提供が開始されるよう、各社へ促している。
ちなみに、今後、「060」番号の提供が発表されたとしても、ある日、携帯各社一斉で「060番号」が提供されるわけではない。手持ちの番号の在庫次第で、060番号の利用(払い出し)が始まるため、提供開始時期は異なることが想定される。


