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「060」番号がもし開放されても、すぐには使えない理由

 総務省は、携帯電話向けの電話番号として「060」を開放する方針について、情報通信行政・郵政行政審議会に諮問した。

 今後、審議会からの答申を経て、制度上は12月中に「060」から始まる電話番号が携帯電話での利用が認められる方針だ。

実際に「060」番号が使えるようになるのはいつから?

 冒頭で紹介の通り、「060」で始まる電話番号が携帯電話向けに開放されるのは、最短で12月中の見通しだ。しかし、12月以降に携帯電話を契約したら「060」から始まる番号が割り当てされる…というわけではない。

 実際に割当が開始され、利用者が「060」番号を手にするには、いくつかのステップが必要となる。本誌が携帯電話各社に確認したところ、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社は、「060」で始まる電話番号の運用開始時期についていずれも「未定」と回答した。

 「060」番号を携帯電話で利用するための準備として、まず携帯各社が必要に応じて総務省への申請する。その上で、事業者ごとに設定を変更し、システムを改修する。番号追加など他社のネットワークにも影響する変更については、各社で足並みを揃えた上で実施する必要があり、番号の開放や認可だけですぐに使えるようにはならない。

 実際に、過去にはPHS向けに使われていた「070」が携帯電話用にも使われるようになった際は、実際に契約者向けの提供開始までに約2年程度の期間を要したという。「070」番号の携帯電話向けの開放は2011年5月に情報通信審議会へ諮問する方針が明かされ、実際に提供が始まったのは2013年の11月だった。

 このため、ユーザーが060番号を使えるようになるのは、2026年以降と考えたほうが良さそうだ。