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ドコモ、低濃度PCB含有とみられる機器を誤廃棄――環境や健康への影響はなし

 NTTドコモは、神奈川県と埼玉県で実施された機器撤去工事にあたって、低濃度PCBが含まれている可能性のある機器を、誤って通常の産業廃棄物として処理していたことを明らかにした。

 PCBは化学的に安定な性質を有する物質で、その有用性から電気機器の絶縁油などに利用されていた。しかし、その毒性が明らかになり、1972年に生産・輸入が禁止された。

 2001年にはPCB特措法が制定され、PCB廃棄物の処分期間内の処分の義務づけなどが定められている。

誤廃棄の経緯

 誤廃棄は、2022年7月に神奈川県内で、2024年4月に埼玉県内でそれぞれ実施された基地局の機器撤去工事で発生。

 2025年11月に両基地局で実施された点検作業により、低濃度PCBが含まれていた可能性のある機器を、通常の産業廃棄物として処理していたことが判明した。

 2025年11月の点検作業で確認されるまで、管轄する行政に対し、該当機器は誤って「保管中」と報告されていた。

 対象となる廃棄物は、基地局内の換気を制御する機器に搭載されていたコンデンサ。神奈川県内の基地局では1971年製の1台、埼玉県内の基地局では1973年製の1台と1974年製の2台が誤廃棄された。

 NTTドコモは、社内の情報連携が適切に行われなかったことが事象の原因としている。

影響と判明後の対応

 NTTドコモによる調査の結果、誤廃棄された機器に含まれていた可能性のある低濃度PCBはごく微量とされている。

 PCBを含んでいる可能性のある機器は高温溶解・焼却後に再利用、または埋立処分されており、周囲へのPCB付着は極微量で環境への影響は極めて小さいという。

 また、機器の廃棄作業に立ち会った作業員の健康被害は現在のところ未確認。今年1月には周辺地域や作業者への影響などの追跡調査が実施され、影響が極めて小さいことや健康被害がないことが確認されている。

 NTTドコモは、事象判明後、横須賀市や埼玉県などの所管行政庁への報告を行い、行政庁の指導のもとで原因究明と再発防止策の策定を実施した。

 並行して、全国の該当機器保管基地局を対象に緊急調査が実施され、誤廃棄が発生したのは神奈川と埼玉の2局のみであることが確認された。

 そのほかの低濃度PCBが含まれている可能性がある機器については、全て適切に保管中、または法令に基づき適正に廃棄されていることを確認済みだとしている。