ニュース

「攻殻機動隊展」30日から開催、ARの最新技術と抜群のロケーションで作品の世界に没入できるアニメ全作品横断の展示会

 虎ノ門ヒルズステーションタワーの「TOKYO NODE」(東京都港区)で、30日から「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」が開催される。入場料は一般2500円(オンライン販売)~、期間は4月5日まで。

 同展示会は、攻殻機動隊の全アニメシリーズを網羅するもので、アニメ全作品を横断する展示会はこれまでになかったという。

 展示会の製作委員会には、講談社や森ビル、プロダクション・アイジー(Production I.G.)、パルコ、バンダイナムコフィルムワークス、KDDIが名を連ねている。KDDIは今回の展示会の海外展開とARグラスを使った音声ガイド「電脳VISION」のプロデュースなどを担当している。

 会期に先駆けて開催された内覧会では、攻殻機動隊の講談社プロデューサーである笹大地氏(講談社ライツ・メディアビジネス局ライツMD部兼アニメゲーム事業部)や統括ディレクターの桑名功氏(森ビルTOKYONODE運営室)、グローバル・ライセンス・プロデューサーの三浦伊知郎氏(KDDI事業創造本部シニアエキスパート兼マーケティングリード)、「電脳VISION」統括プロデューサーの砂原哲氏(KDDI事業創造本部LXビジネス企画部エキスパート/デザインプロデューサー)から、展示会の魅力や想いなどが語られた。

最先端技術と抜群のロケーションが融合

 講談社の笹氏は、今回の展示会について「最初の映画作品が1995年に上映され、ちょうど30周年を迎えるにあたり、何か大きなイベントを開催して盛り上げていきたいと思っていたところ、プロダクション・アイジーに30年間にわたる膨大な製作資料が眠っていることがわかった」と説明。展示の仕方、見せ方を検討していたところ、KDDIが持つ最先端技術や森ビルのTOKYONODEが実施している展示やロケーションが作品の世界と重なったことから、制作が進められたと語る。

講談社プロデューサーの笹大地氏(講談社ライツ・メディアビジネス局ライツMD部兼アニメゲーム事業部)

 司会を務めたニッポン放送の吉田尚記アナウンサーは「ロケーションと作品が合致することはなかなかない。東京の真ん中、虎ノ門からの夜景がバックにあることは、攻殻機動隊という作品にとって、大きな意味がある」と指摘。笹氏も、展示会場からの夜景を「映像世界が現実にあると思わせてくる、しかも(作品の舞台となっている)年代に大分近づいてきている」とコメントする。

ニッポン放送の吉田尚記アナウンサー

 今回の展示会は、日本を皮切りに世界各国での展示も計画されている。世界展開を担当するKDDIの三浦氏は、攻殻機動隊を「世界に通用するIP(知的財産)作品」と評価した上で、KDDIによるIPの海外展開第1弾として「ふさわしいコンテンツに出会えた」と語る。海外からも多数問い合わせを受けているといい、「北米やヨーロッパ、アジア、中東などいろいろなところで交渉を進めている」と答えた。

グローバル・ライセンス・プロデューサーの三浦伊知郎氏(KDDI事業創造本部シニアエキスパート兼マーケティングリード)

 原作や劇場版の作品タイトルでは「GHOST IN THE SHELL」というワードが含まれているものがある。今回の展示会の名称では「攻殻機動隊展 Ghost “and” the Shell」とされており、inがandに置き換えられている。タイトルに込められた想いについて森ビルの桑名氏は「作品の中で公安9課(攻殻機動隊)が設立された2029年まで“あと3年”原作者の士郎正宗氏が作品を発表した1989年から37年、という中で、その当時に描かれていたものが、今日(こんにち)、日常になり始めている。AIやクラウドの写真で思い出を語り合うなど、作品の世界が日常になっている時代に、あらためて作品を楽しんでもらいたい、という気持ちと、これをきっかけに我々がこれから先の未来をどう生きるかを考えてもらう機会にしたい」とコメント。世の中のテクノロジーに対して「何にゴーストを感じて何にシェルを感じるのか」を考えてもらいたいと語った。

統括ディレクターの桑名功氏(森ビルTOKYONODE運営室)

タチコマが解説してくれる「電脳VISION」

 展示会では、作中の「電脳空間」を想起させる巨大な没入空間から始まり、まさに「電脳化」体験ができる。

巨大な没入空間

 進んだ先には、1600点を超えるアニメシリーズすべてを網羅する制作資料が集められている。アニメの設定資料や原画、背景美術、セル画など、実際の資料から、制作当時の現場を直接感じられる展示がされている。このほか、さまざまなアーティストとコラボレーションした作品も展示されており、攻殻機動隊が現実世界に与えた影響や、アーティストが作品から受けたインスピレーションなど、作品の世界をより広く感じられる。

すべてのアニメーション作品を横断して名シーンを検索、表示できる
劇場作品「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の資料
(C)1995士郎正宗/講談社・バンダイビジュアル・MANGA ENTERTAINMENT
アーティスト空山基氏制作の「Sexy Robot_The Ghost in the Shell type 1」
(C)Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA (C)Shirow Masamune / KODANSHA

 このほか、作品内での出来事「笑い男事件」をモチーフにした「笑い男になる鏡」や制作現場でおなじみのカット袋を来場者自身で掘り起こし、複製原画を持ち帰れる体験型の展示なども用意されている。

カット袋から複製原画を探す体験

 広い展示空間を楽しむサポートをしてくれるのが、ARグラスを使った音声ガイド「電脳VISION」だ。XREALのARグラスとSTYLYの協力のもと制作されたガイドにより、“電脳化が済んでいない”来場者は、作品に登場する「タチコマ」の電脳通信による解説を聞きながら展示を巡れる。

「電脳VISION」、マーカーとARグラス

 統括プロデューザーのKDDI砂原氏は「厳選された21のシーンに対して、タチコマが解説してくれる仕掛け」と説明。簡易的に90分間、来場者を“電脳化”できる設定になっており、電脳空間にダイブできるイントロダクションから、ARグラスを通じてタチコマがガイドしてくれる。

「電脳VISION」統括プロデューサーの砂原哲氏(KDDI事業創造本部LXビジネス企画部エキスパート/デザインプロデューサー)

 資料の展示ブースに足を踏み入れ、足下のマーカーをARグラスで読み取ると、その作品についてタチコマが紹介してくれる。厳選されたシーンの資料には、ARグラスを通じてマーカーが打たれており、近づくとそのシーンの解説が始まる。当時の迫力あるアニメーション映像とともに、作品の背景をより深く理解できるようになっている。

 砂原氏は、会場からの夜景をバックに「電脳VISION」を楽しんでほしいと語る。展示の後半には、45階からの夜景が眺められるスポットがあり、「ネットの海にダイブするような体験ができる。『攻殻機動隊 SAC_2045 シーズン2』のラストシーンを夜景越しに体験できるコンテンツも用意している」と説明。最先端のデジタルデバイスとロケーションをフルに活用した体験を提供するとした。

「電脳VISION」のイメージ画像
対象の原画にはマーカーが打たれている
作品に近づくと、タチコマが解説
ラストシーンの再現
会場にはフチコマとタチコマの姿も
さまざまなグッズが販売されるショップ。150を超える商品を取り揃える
登壇者もグッズを着用

 「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」は、1月30日~4月5日に虎ノ門ヒルズステーションタワー45階「TOKYO NODE GALLERY A/B/C」で開催される。1月30日~2月1日の期間中は、オンラインで販売される先行公開入場チケット(4000円、複製フィルム付き)のみ販売される。このほか、複製原画を持ち帰れる体験コンテンツ「手で掘り起こす記憶“Analog Dig”」(2000円、現地のみ販売)と「電脳VISION」(1300円~、オンラインと現地で販売)の利用には、別途体験チケットが必要となる。

(C)士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展Ghost and the Shell製作委員会