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auから「INFOBAR」コラボのリカバリーリング、こだわりの素材と仕上がりを見てきた――本日18時から受付開始

issin代表取締役CEOの程涛氏とau Design projectプロデューサーの砂原哲氏

 KDDIと沖縄セルラーは、au Design project「INFOBAR」をモチーフにしたデザインのスマートリング「Smart Recovery Ring/INFOBARコラボモデル」のクラウドファンディングを、1日18時から開始する。価格は2万6812円~。

 合計1600セット限定での募集で、スマートリング単体のほか、スマートバスマットや初代INFOBAR型Apple Watchケースのセットも用意される。

素材から選定されたINFOBARデザインの追求

 ベースはissin製の「Smart Recovery Ring(スマートリカバリーリング)」で、今回の製品も同様に指で身体のデータを収集し、睡眠や運動のデータを記録、スマートフォンアプリで確認できるほか、AIによるアドバイスなども受けられる(後述)。

 デザインは、赤を基調とした「NISHIKIGOI」とシックな色合いの「ICHIMATSU」の2種類を展開する。INFOBARのデザインを忠実に再現すべく、ベース製品はチタン製だったものを「NISHIKIGOI」ではアルミ、「ICHIMATSU」はステンレスを素材に採用している。au Design projectプロデューサーの砂原哲氏によると、NISHIKIGOIは今後ステンレス製でも再現できるように、改良が進められているという。

au Design projectプロデューサーの砂原哲氏

 当初は、初代INFOBARに合わせる形でデザイン監修を進めていたが、スマートリングではベース素材が金属となる都合上、なかなか思ったようなデザインにはたどり着かなかった。そこで、素材がアルミ製の「INFOBAR A03」を目指してデザイン開発を進め、今回のデザインに仕上げられた。砂原氏は「これをさらにステンレスで再現したい」と、耐久性向上に向けて意欲を見せた。

 リング外周では、電気メッキや酸化処理の数値を細かく調整することで、可能な限りINFOBARデバイスの質感と色味を再現し、マット質感を出すため、研磨やサンドブラストの配合比率を何度も調整し、実験を重ねた。これに数カ月と数十回の試作を重ねて、今回の製品に仕上げられた。

 さらに、INFOBAR独特の模様は、職人の手で一つ一つ手作業で仕上げられている。模様の色を入れるマス目の深さが0.1~0.2mm程度しかなく、加えてそれぞれのマスで色が異なり、塗料は液体のものを使用している。砂原氏は、これらの条件や塗料を均一に流し込みリングと一体化させる作業は、現在の機械技術では対応できないとし、今回の製品では手作業による丁寧な仕上げが施されたと語る。

NISHIKIGOI
ICHIMATSU

 充電器は、円形のステージ状になっており、リングをはめるような形で充電できる。

充電器とリング

20年前から継続するINFOBARのコンセプト

 砂原氏は、INFOBARのコンセプトについて「元々ファッションとしての価値を謳い、コンセプトとして仕上げた。今だと平成レトロの世界観に見えるが、まさに平成の時代にファッションと融合することを目指していた」と当時を振り返る。

ファッションと融合するデザイン

 元々はフィーチャーフォンからスタートしたINFOBAR製品だが、スマートフォンなどさまざまなデバイスへの展開も進められている。世界を見ても、米国のニューヨーク近代美術館(MoMA)やインディアナポリス美術館、英国のヴィクトリア&アルバート博物館などで日本のプロダクトとして展示されている。名前は明かせないとしたものの、このほかにも収蔵を検討している施設があるという。

 今回のスマートリングの展開について砂原氏は「(初代INFOBARが)発売した当時は考えられなかったデバイスでの展開」とコメント。実際に同製品は3月末頃に明らかにされていたが、そこから8カ月間「実は色々と苦労した」と、産みの苦しみを語る。

中身も充実、無料アプリでパーソナルヘルスケア

 先述の通り、同製品はissin製の「Smart Recovery Ring」(スマートリカバリーリング)をベースに製作される。このリカバリーリングも、INFOBARの発送が開始される1月頃にアップデートされる。

 issinでは、スマートリングやスマートバスマットなど、ユーザーが意識しない「ラクで楽しい健康管理」を目指した製品を開発している。データを収集するタイミングだけでなく、スマートフォンアプリでは、パーソナルヘルスケアAIキャラクター「ウェリー」が、ユーザーの健康管理をサポートする。

 リカバリーリングでは、睡眠モニターや活動量モニター、ストレスモニター機能などが搭載されている。issin代表取締役CEOの程涛氏は、「ほかのスマートリングとは違う新機能」として、2026年1月から提供される新機能を説明する。

issin代表取締役CEOの程涛氏

 睡眠について程氏は「重要なのは回復度」とコメント。睡眠の質を改善させ、最終的に回復度を上げることが重要だとし、心拍変動や直近のストレスレベルから、起床後に回復度をスコア表示することでユーザーの睡眠回復度向上をサポートしている。

 1月からは、より回復度の高い入眠をサポートするため「お休みサウンド」モードが搭載される。リングがユーザーの入眠を検知すると音楽が停止される。あわせて、起床時にはユーザーが設定した起床時刻にあわせて音楽で起床を促す機能も導入される。起床時刻のおおよそ30分前までの間にある“浅い睡眠”を検知して起床を促すことで、気持ちの良い目覚めが期待できるという。

 また、前回の睡眠で回復度が低かったユーザーには、日中に短時間の睡眠(パワーナップ)を促すことで、日中の活動をサポートする。

 ストレスモニター機能では、仕事中に高いストレスを検知すると、ストレス解消に向けて行動を促す通知機能が提供される。たとえば「近くを散歩する」や「コーヒーを淹れる」など、ユーザーがストレス解消のために行っているルーチンをすることで、ユーザーのストレス軽減を図るという。

 新機能以外にも「運動をしたいけど、天気がよくない」と言い訳しがちなユーザーに向けては、身体を動かしてプレイできる「スイカゲーム」のエクササイズ版や、料理の写真を撮るだけでおおよそのカロリーや脂質などを記録できる機能などがアプリで利用できる。

 既存のリングについて程氏は、これまでデザインが理由で女性からの受けがよくなかったと説明。今回のINFOBARコラボモデルでは、女性のファッションにもなじむデザインだとし、「健康への約束として、ペアで購入する意義がある」と夫婦やカップルでの購入を勧める。

 アプリでは、スマートバスマットやリングを通じて、意識せずに毎日身体データを計測することで「いつもと違う差分」を検出しユーザーに通知する。たとえば、体重が少し増えたという通知を受けたユーザーは、「今週は食事を管理しよう」とヘルスケアのきっかけになる。体重の増加を気にしているユーザーであれば、大きく増えていない段階から手を打つことができるため、程氏は「ダイエットという行動自体しなくてもよくなるかも」と日頃からの身体データ収集の重要性をアピールした。

リング購入時は、店頭やサイズ測定キットで指周りのサイズを計測し、Webで注文することで製品が発送される
ウェリー
ウェリーはアプリ内でユーザーの健康管理をサポート
大盛りラーメンを撮影しても、カロリーやタンパク質、脂質、炭水化物の想定量を記録。ウェリーはおおらかな心の持ち主、カロリーオーバーするようなものを食べても怒られない