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SMBCとSBIが業務提携、最上位「Olive」で資産運用サービスを強化へ

 三井住友フィナンシャルグループ、三井住友銀行、SMBC日興証券、三井住友カードと、SBIホールディングスおよびSBI証券は、「Olive」の新たな資産運用サービスを共同で構築するため、業務提携契約を締結したと発表した。

 この業務提携に基づき、新サービスの企画・提供を行う準備会社を、関係当局の認可を前提として2025年7月を目途に設立する予定。準備会社への出資比率は、三井住友フィナンシャルグループが10%、SMBC日興証券が30%、三井住友銀行が20%、SBIホールディングスが10%、SBI証券が30%となる。

 新サービスの中心となるのは、「Olive」の最上位ランクとして新設される「Olive Infinite」。2026年春の提供開始を目指し、決済サービスと資産運用サービスを大幅にアップグレードする。

 決済サービスでは、日本で初めて一般申込が可能なVisaの最高ランク「Visa Infinite」を採用し、最上級のキャッシュレス体験を提供するとしている。特典としては、最大11万円相当の継続特典や、SBI証券のカード積立による最大6%のポイント還元が用意されるほか、メタルカード、コンシェルジュデスク、プライオリティ・パス、ラウンジ利用といったプレミアムサービスも提供。また、アートや食の会員限定イベント、サッカーやスポーツの世界大会への招待といった特典も加わる。

抜群の経済価値
異次元の多様な限定体験価値

 資産運用サービスでは、「Olive Infinite」利用者向けに「フレキシブルコンサルティング」を提供。SBI証券の利便性の高いネット証券機能に、新たに設立される会社に所属するSMBC日興証券および三井住友銀行のアドバイザーによる有人コンサルティング機能を加える。ユーザーは、チャット・電話・ビデオ通話による相談や、「Olive LOUNGE」などでの対面相談といった複数のチャネルから選択可能。さらに、アドバイザーのスキルや得意分野を踏まえて、自身に合った担当者を選べるほか、2回目以降は専任アドバイザーの指名・変更も可能となり、「あなただけの専門家チーム」によるワンストップのサポート体制が整う。

 また、「Olive Infinite」利用者だけでなく、すべてのOliveユーザーを対象とした資産運用サービスも進化する。たとえば、マネーフォワードとの連携により、他行・他社を含めた資産全体の可視化が可能になり、AIチャットや有人チャットによる相談機能も利用できるようになる。さらに、SBI証券の取引がOliveアプリ上でほぼ完結し、カード積立によるポイント還元サービスも引き続き提供される。

 SMBCグループとSBIグループとはこれまでも協力関係を築いており、2021年に開始した三井住友カードのクレジットカードによるSBI証券の投資信託積立サービス(三井住友カード つみたて投資)は、現在、月間積立額が850億円を超え、年間では1兆円に達する水準まで拡大。また、SMBCグループが2023年3月に提供を開始した総合金融サービス「Olive」は、口座や決済サービスに加え、SBI証券のネット証券機能を活用し、570万人超のユーザーに利用されている。

 今回の業務提携の背景には、デジタル化の進展により、対面取引とデジタル取引を併用するユーザーが増加し、デジタル上での自律的な取引を望みつつも、悩みや不安が生じた際には金融機関へ相談したいというニーズが高まっていることがある。この新たなニーズに応えるべく、両グループの強みを結集し、デジタル基盤のもと、多様な相談ニーズに対応するコンサルティング機能を組み合わせたサービスを提供することで、「Olive」の資産運用サービスのアップグレードを図ることで合意した。