ニュース
Google、生成AIによる映像製作ツール「Flow」を発表
プロンプトと画像から動画を生成
2025年5月21日 07:34
Google(グーグル)は、開発者向けイベント「Google I/O」で、生成AIを活用した映像製作ツール「Flow」を発表した。また、既に提供中の動画生成用ツール「Veo」の新モデル「Veo 3」や、アップデートされた画像生成ツール「Imagen 4」もそれぞれ発表している。
映像生成ツール「Flow」
映像生成ツール「Flow」は、プロンプトの内容にあわせた動画を生成できる。「Flow」は、動画生成の「Veo」、画像生成の「Imagen」、生成AIモデルの「Gemini」を統合したAI映像製作ツールで、自然言語でプロンプトを入力して映像を製作できる。
「Flow」は米国のGoogle AI ProとUltraプランのユーザー向けに提供が開始され、近日中にさらに多くの国でも提供される。
Google AI Proでは、「Flow」の主要機能と月に100回までの生成が行える。Google AI Ultraでは、より多くの動画生成が利用できるほか、「Veo 3」の早期アクセスも行え、環境音やキャラクターのセリフを生成動画に直接組み込みできる。
Googleが公開したデモでは、タクシー、クラゲ、座席の画像素材を用意した上で「1970年代のタクシーの後部座席、使い古したゼブラ柄の布と水中のクラゲ」というプロンプトを入力すると、その内容にあわせた動画が生成された。
さらに、タクシーの後部座席で火を使った調理をしたり、手術したりする、通常ではあり得ない映像も容易に生成できる。
「Flow」の主要機能には、カメラの動き、アングル、視点を直接操作してカメラワークによるシーンを演出するカメラコントロール、既存の映像を編集して拡張したりトランジッションを追加したりするシーンビルダー、素材やプロンプトを管理・整理するアセット管理、「Veo」で生成されたクリップやチャンネルなどが追加される「Flow TV」などがある。
Veo 3
動画生成モデルの「Veo 3」は、前モデルの「Veo 2」の品質を向上させた上に、音声付きの動画生成にも対応した。
「Veo 3」を使うと、街中の交通音や公園の鳥のさえずりなどが生成できる。
Imagen 4
画像生成ツールの「Imagen 4」は、複雑な布地模様、水滴、動物の毛並みなど、細かい部分も鮮明に描写し、実際に撮影されたように見える写真も、抽象的なスタイルのどちらの画像も生成できる。
「Imagen 4」では、文字表現やタイポグラフィの能力も大幅に向上しており、1枚の画像だけでなく複数の画像を組み合わせたマンガやポスター、イラストなども生成できる。
「Imagen 4」は、本日よりGemini アプリのほか、Whisk、 Vertex AI、Google WorkspaceのGoogle スライド、Vids、ドキュメントなどで利用できる。
また、近日中に「Imagen 4」の高速版も公開が予定されており、高速版は「Imagen 3」との比較で最大10倍高速に処理が行えるという。