iPhone発売から1カ月、10月の契約数は――公表は大手3社だけに

　電気通信事業者協会（TCA）と携帯電話事業者各社は、2013年10月の携帯電話・PHS契約数を発表した。今回は、iPhone 5s/5cが9月20日に発売されて1カ月強が経過した中での成績となった。

ドコモ、純増へ転ず

　携帯電話の契約数を見ると、ソフトバンクモバイルは22万9400件、au（KDDI）は15万8900件、NTTドコモは3万7100件の純増となった。ドコモは先月、過去最大の純減数を記録していたが、2カ月ぶりに純増へ転じた。

　MNP（携帯電話番号ポータビリティ）の利用件数では、ドコモが9万3100件の転出超過（マイナス）、auが8万3900件の転入超過（プラス）、ソフトバンクモバイルが8300件のプラスとなる。

iPhoneの影響は？

　9月よりも約4万件、転出（ポートアウト）数が減少したドコモだが、依然としてポートアウト件数が多い。その一方で、ソフトバンクの転入（ポートイン）件数は今年度で最も低い件数を記録した。ソフトバンクのポートイン件数が1万件を切ったのは、過去、auと同時にiPhoneを発売した2012年9月度（1200件）、2011年10月度（6600件）というタイミングだった。

　またKDDIのMNP件数は他社を圧倒している状況だが、昨年のiPhone 5発売時（9月）および、その翌月（2012年10月）のMNPによる転入数は9万5300件→15万2700件と大幅な伸びを記録していた。ところが今回は9月が11万件、10月が8万3900件となった。こうした結果が“ドコモ版iPhone”の影響と見ることもできそうだ。

　KDDIでは「（ドコモ版iPhoneの）影響は必ずしもゼロではない。MNPの件数は今年度、7～8万件で推移しており、今回もその水準」とコメント。ソフトバンクも、2年前の6600件、1年前の1200件という件数と比べれば、今回はそこまで厳しい結果ではない、との見方を示している。

【3事業者のMNP】

　なおドコモでは、今回の結果について、iPhone2機種の在庫が改善され、冬モデルが発売されたこと、キャンペーンの効果があったことからポートアウトの抑止に繋がり、結果として純増に転じたと評価している。10月は後半にかけて販売が伸びたとのことで、11月の実績改善にも意欲を示す。

ウィルコムとWCP、月次契約数の公開取り止め

　今回、ウィルコムとBWA（無線ブロードバンドサービス）のWireless City Planning（WCP）が月間の契約数増減について公表を取り止めることになった。BWAのUQコミュニケーションズも今回より公表しないことを、前回の発表時に明らかにしていた。これにより、公表しているのは携帯大手3社のみとなる。

　月次での契約数開示を取りやめる理由について、ウィルコムでは、PHSと3Gに対応したデュアル端末、あるいは3Gのみに対応した端末の増加から、TCAに報告し開示されている数値では、PHSだけの数字になっている指摘。ウィルコムにとっては、PHSと3Gあわせて同社の結果と見ているとのことで、デュアル端末などの増加で、TCAと同社との間に乖離が出てきていることから、公表を取り止めることにしたという。今後はソフトバンクの四半期決算にあわせて開示される。なお、ウィルコムの扱う3G端末は、ソフトバンクモバイルの回線を利用するもので、3Gの契約件数は、ソフトバンクモバイルの実績に含まれる。

【携帯電話：各グループごとの加入者数および総計】

【通信方式別：加入者数】

【内訳：通信モジュール契約数】

【内訳：インターネット接続サービス契約数】

【内訳：プリペイド契約】

【PHS：加入者数（9月末時点）】

【BWA：各グループごとの加入者数（9月末時点）】