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NTTとJAXA、圏外を減らす低軌道衛星実験で通信容量が最大2.67倍
2026年10月23日 18:15
NTTと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、世界初の「衛星MIMO技術を活用した920MHz帯衛星IoTプラットフォームの軌道上実証」に向け、小型実証衛星4号機に低軌道衛星MIMO/IoT伝送装置(以下、LEOMI)を搭載し、軌道上実証実験を実施した。
同実証では、単一アンテナを用いた従来の通信方式に比べ、容量が最大約2.67倍となることが確認された。また、衛星センシング技術において、地上の異なる2地点から同一周波数で同時送信した920MHz帯のLPWA信号を衛星で受信し、2つの信号を分離・復調することを確認した。
これらの技術は、将来的に地上通信網が整備されていない海洋や山間部のIoTデバイス活用やセンシングサービスなど、超広域省電力センシングサービスへの応用が期待される。NTTは引き続き、「NTT C89」ブランドのもとで衛星を活用した社会インフラ関連の問題解決に取り組む。
今回の研究成果は、11月18日~11月25日に開催される「NTT R&D FORUM2026」で展示される。同イベントはNTTグループ会社からの招待制で開催される。
NTTとJAXAは、低軌道衛星MIMO技術および衛星センシング技術の実証に向け、「革新的衛星技術実証プログラム」の「革新的衛星技術実証4号機」の実証テーマに応募/選定された。
LEOMIを含むプログラムの実証テーマ機器を搭載する小型実証衛星4号機が2025年12月14日12時9分に打ち上げ成功したことを受け、「衛星MIMO技術を活用した920MHz帯衛星IoTプラットフォームの軌道上実証」の定常運用を2026年3月に開始した。これまで約5カ月間の試験の中で、低軌道衛星MIMO技術および衛星センシング技術について、それぞれ実証実験を行った。
低軌道衛星MIMOの伝送実験では、衛星に搭載した複数のアンテナから同一周波数で複数の信号を送信し、複数の地上局で受信した信号を分離することでMIMO伝送の効果を検証した。
この結果、従来のSISO(single-input single-output、1台ずつのアンテナで送受信する方式)伝送と比較し、2026年5月5日の2×2 MIMO実証実験では伝送容量が平均約1.94倍に、また5月24日に実施した3×3 MIMOでは平均約2.67倍となり、送受信用アンテナを増やすことによる大容量化の効果を確認した。
さらに、NTTとJAXAが生成した低軌道衛星MIMOの通信路モデルを用い、衛星の軌道シミュレータから、今回の実験のチャネル容量をシミュレーションしたところ、実測値と変動のトレンドが一致することが確認できた。
これにより、衛星のように軌道予測ができる通信システムにおけるMIMO技術の伝送容量パターンを事前にシミュレーションして把握できることが確認されたという。
IoT関連の試験では、地上の異なる2地点から同一の周波数・同一方式のIoT端末から信号を同時送信し、衛星上で受信した信号を復調する実験を実施した。
受信信号は2端末からの信号が重なっていたが、各信号に対して信号処理と復調処理を適用することで、良好に分離できたという。この結果から、2地点のIoT端末が衛星と同一時間・同一周波数で通信可能と確認できた。
NTTとJAXAは、2026年3月から約1年間の定常運用により、衛星MIMO/IoTの実証実験を行い、技術の優位性を定量的に示して技術確立をめざすという。


