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ASUSがSIMフリーの7インチタブ、Windows/Android一体型も

 ASUSTek Computer(ASUS、エイスース)は、3G方式に対応しモバイル環境で利用できる7インチのAndroidタブレット「ASUS Fonepad ME371MG」を4月25日、Windowsパソコンとしての機能とAndroidタブレットとしての機能を1台で切り替えられる「ASUS TransAiO P1801」を4月20日に発売する。いずれもオープンプライスで、店頭価格は「ASUS Fonepad ME371MG」が2万9800円程度、「ASUS TransAiO P1801」が15万9800円程度になる見込み。

ASUS Fonepad ME371MG

 「ASUS Fonepad ME371MG」は、薄さ10.4mm、重さ340gの7インチAndroidタブレット。SIMロックフリーのmicroSIMカードスロットを備えており、W-CDMA方式(850/900/1900/2100MHz、HSPA+対応)とGSM/EDGE方式(850/900/1800/1900MHz)で通信および通話ができる。対応する通信方式・周波数の通信事業者の回線契約があれば、SIMカードを装着して、どこでも利用できる。

 ASUSでは、「Fonepadは持ち歩けるタブレットで通話ができる、という製品。なおかつ日本初のインテル製チップセット搭載のAndroid端末」と位置付ける。スマートフォンの普及期の中、さらにタブレットも徐々に人気を得る中で、通話機能をサポートして2台分の役割を1台でこなせる機種とする。グーグルの「NEXUS 7」(ASUS製)では通話機能はサポートされておらず、ユーザーの声を受けて提供する商品としている。

ASUS JAPANマーケティング部部長のシンシア・テン氏と“インテルドロイド”くん

 Android 4.1.2搭載で、1.2GHz駆動のインテル製Atomプロセッサー「Z2420」、1GBメモリ、8GBのストレージを内蔵する。microSDHCカードもサポートする。7インチのIPS液晶ディスプレイは800×1280ドットという解像度になる。駆動時間はWi-Fi通信時で約11.5時間、モバイル通信時で約9.5時間。大きさは196.6×120.1×10.4mm、重さは約340g。

 プリセットアプリのなかには「パズル&ドラゴンズ」など人気のアプリも含まれるが、ホームアプリなどはほぼ標準的なAndroid端末としての使い勝手を踏襲したものとなる。

インテル製チップセット

インテルの土岐氏

 19日の発表会では、インテル執行役員 技術本部本部長の土岐英秋氏が登場し、同社のスマートフォン向けチップセットについて説明を行った。

 インテルでは、スマートフォン向けのチップのうち、ハイエンドな機種に向けたものとして「Z2480」(最大2GHz駆動、コードネーム:Medfield)、「Z2580」(デュアルコアのCPUとGPU、コードネーム:Clover Trail)を提供している。今後は製造プロセスをさらに微細化(現在は32nm、今後は22nm)した製品を投入する方針という。

 一方、Fonepadに搭載される「Z2420」(コードネーム:Lexington)は1.2GHz駆動の普及価格帯向けのスマートフォンでの採用を想定したチップセットとなっている。中国やインド、アフリカ、東南アジア、ラテンアメリカといった市場でのスマートフォンが主要なターゲットとのことだが、土岐氏は、たとえばカメラ性能では、フルHD動画(1080p、30fps)の撮影・再生をサポートし、秒間7枚での連写撮影に対応するなど高いパフォーマンスを誇ると説明。またGPUのSGX540により、応答性を高めゲームなどもプレイしやすいとアピールした。

 Android向けの各種アプリもインテル製チップ上で動作し、Chromeやグーグルの各種サービスは最適化も図られているとして、日本初上陸のプラットフォームながら、Android端末を快適に利用できるとした。

3つのモード「TransAiO P1801」

「TransAiO P1801」

 もう一方の「ASUS TransAiO P1801」は、ドックになるPCステーションと、18.4インチのディスプレイ兼Androidタブレットをセットにした商品。「PCモード」「PADモード」「リモートデスクトップモード」をそれぞれ切り替えて利用できる。

 合体した状態では、18.4インチのWindows 8搭載デスクトップパソコンとして利用できる一方、ワンボタンでAndroidに切り替えられる。ワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスで文字入力や文書などの編集も行える。

Windowsパソコンとして
外部ディスプレイに繋ぐ
背面
手に持ったところ。背面にスタンドがあり、普段は卓上に置いて利用することになりそうだ

 分離した状態では、ディスプレイ部は18.4インチのAndroid 4.1搭載タブレットとして機能する。持ち運びしやすいよう取っ手が付いており、モバイル通信には非対応だが、Wi-Fi対応で、宅内のどこでも利用できる。単体では約5時間駆動する。

 PCステーションとタブレットが同じWi-Fiアクセスポイントに接続していれば、分離したタブレットからWindowsデスクトップを利用することもできる。PCステーションのHDMI端子をテレビや別の外部モニタと繋げば、パソコンとタブレットを同時かつ別々に利用することもできる。

 ディスプレイ部(タブレット)の大きさは466×18×294mm、PCステーションは466×162×267mm、合体した状態では466×162×376mm。重さはディスプレイ部が約2.4kg、PCステーションが約4.1kg。CPUやメモリ、ストレージは、ディスプレイ部がNVIDIA製Tegra 3、2GB、32GBで、PCステーションがインテル製Core i7-3770、8GB、2TBとなっている。

関口 聖