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水道管の漏水調査にAIとモバイル通信を活用、KDDIとwavelogyが宇都宮市で実証
2025年2月28日 16:00
KDDIとwavelogyは、宇都宮市上下水道局と共同で、水道管の漏水をAIを活用して発見する実証を3月1日より開始する。実証の期間は2026年3月31日までを予定している。
宇都宮市上下水道局の漏水調査エリアで、wavelogyのAI漏水検知ツール「SuiDo」の有用性を検証する。まずは、漏水音データ収集の運用確率およびデータ収集をスタートし、AI漏水判定の確度向上にも取り組む。
実証の結果をもとに、水道管の漏水調査業務の効率化や人手不足の解消に向け、2028年度に実用化を目指すという。
背景には、現在の水道インフラは高度経済成長期に整備されたものが多く、年間で2万件以上の漏水・破損事故が発生するなど、経年劣化を原因とした事故件数が増大しているが、漏水調査に必要な技術は専門性が高く、技術者の確保・育成が人口減少による人手不足などで困難となっている。また、地震などの自然災害がインフラに与える影響が大きく、調査や復旧作業における人手不足解消と効率化が求められている。
今回の実証では、特定の技術者に依存せずに漏水音を効果的に収集する手法を検証する。漏水調査を「漏水音の収集」と「漏水診断」の2つにわけ、簡単なツールで漏水音の収集を効率化する。また、収集した漏水音データをモバイルネットワーク経由で分析環境へ伝送することで、調査・復旧作業の効率が効率化できることを確認する。
収集音から漏水診断を行うプロセスはAIがサポートするうえ、専門の漏水調査技術者がAIの診断結果を分析してフィードバックすることで、AIの診断確度の改善をねらう。専門技術者の判定結果と漏水音データを統合・可視化するプラットフォームを提供し、調査効率化だけでなく、技術者の育成への寄与についても検証を行う。