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中古iPhone人気、「小型・軽量・ホームボタン」が注目集める 市場は今後も右肩上がり予測

 スマートフォンの価格が高騰を続けるなか、中古スマートフォン市場が伸びている。2023年度の販売台数は約273万台。中古スマートフォン販売の「にこスマ」などを手がけるBelongとMM総研が中古スマホ市場の現状について説明した。

中古市場は右肩上がり

 2023年度の中古スマートフォンの販売台数は272万8000台。2022年度比で16.6%と過去最高だった。新品に対する中古の台数比率はおよそ9.7%。2028年度にかけて成長が続くと見込まれている。

 背景には新品端末の価格が上昇の一途をたどっていることがある。また、中古端末の販売形態がオンライン主体になったことで手軽になったことや傷やバッテリーの状態を確認しやすくなるなど、中古端末市場が整備されたことがあるという。

 加えて法人需要も伸びており、MNOによる認定中古品の拡充や総務省の有識者会合で中古端末のネットワーク利用制限を見直す動きが出るなど、中古市場にとって追い風が吹いている。MM総研では2028年度、中古スマホ市場は438万台規模に拡大すると予測する。

iPhoneが人気

 中古市場での端末取引の現状は、iPhoneが約60%に対してAndroidがおよそ40%となっている。

 2023年度の人気中古端末は「iPhone 8」と「iPhone SE(第2世代)」「iPhone 7」がトップ3を独占した。いずれも小型軽量でホームボタン付きという特徴がある。指紋認証機能への需要が高いと見られ、後発機種である「iPhone 12」や「iPhone 12 mini」などを押しのけた。中古iPhoneの取引件数は新型iPhoneの発売翌月がピーク。iPhone 16発売後の中古市場傾向も同様に推移すると見られている。

 価格の下落率が低い端末には「iPhone 13 mini」や「iPhone XR」などがあり、小型であることや最新OSに対応することなどが特徴。一方で価格下落率が高いのは「iPhone 13 Pro」などだったという。Proシリーズはスペックを重視されるため、古くなると価格が落ちやすい。「Apple Intelligence」非対応の「iPhone 14 Pro」なども今後、価格が下落する可能性が高いという。

コスパ重視で中古スマホ

 中古スマホの利用実態としては40代以下の場合、10%超がメイン端末として利用しているという。60代以上の場合「価格が安い」と中古スマホを選ぶことが多く、10代~20代はそれに加えて「機能的に十分」として中古スマホを選ぶケースが多かった。

 Belong コンシューマ事業部門長の大野正稔氏は「中古スマホは価格面で妥協して購入するというイメージが持たれがちだが、若年層にとっては価格は重要でなく、自分にあう端末を選んでいる」と説明した。