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DMM TV、「Starlink」活用で海外からの長時間ライブ配信を実施

2024年8月22日 00:00

　DMM.comは、ベストエフォート固定回線と米SpaceXの衛星通信サービス「Starlink」の回線、AWS Elemental Link エンコードデバイスを用いて、海外スタジオからの商用ライブ配信を実現したことを発表した。

　「DMM TV」において、世界最大級のポーカー大会「WSOP 2024」のライブ配信を実施したときのもの。StarlinkとAWS Elemental Link HDを組み合わせた海外拠点からの商用ライブ配信は、大手国内配信事業者として初の事例になるという。

長時間のライブ配信

　DMM TVでは、7月4日～18日にかけて開催されたWSOP 2024のメインイベント全試合について、海外スタジオで日本語実況・解説版生収録を行い、連日ライブ配信を実施した。

　配信にあたっては、内製開発で垂直統合されたDMM TVの配信基盤システムを活用。通常であれば高コストな専用回線などを要する海外からのライブ配信を、ローコストかつスピーディーに実現し、15日間で計135時間超の安定的な視聴環境を提供したとアピールしている。

配信アーキテクチャ

　今回の配信では、既存の国内オンプレミス環境にある配信サーバーを有効活用しながら、パケットロスに対して最大限の対策を施した方法で、米国ラスベガスの簡易スタジオからの映像伝送を行った。

　現場でのエンコードデバイスにはAWS Elemental Link HDが用いられた。機材コストが比較的安価であること、AWS Media Servicesへの統合により現場での設定作業が不要なことなどが特長となっている。

　また、サブ回線としてStarlinkが採用された。AWS Elemental Link HDとStarlinkを用いた配信の検証では、30分に一回程度はパケットロス起因と見られる画面のちらつきがあったものの、おおむね安定しており、サブ回線として活用できるという判断に至ったという。

　海外からの安定的な長距離かつ長時間の映像伝送を、既存の配信基盤を活用しながら追加コストを抑えて実施できた点が、今回の実績としてアピールされている。