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ワイモバイル10周年で1200万契約に、宮川社長は「これからサービス作りやすくなる」

 ソフトバンクが提供する「ワイモバイル(Y!mobile)」ブランドの携帯電話サービスが10周年を迎えたことを受けて、6日、ソフトバンク代表取締役社長の宮川潤一氏は、ワイモバイルの契約数が約1200万件となったことを明らかにした。

2014年に誕生したワイモバイル

 ワイモバイルは、旧イー・アクセスとウィルコムの合併により、2014年に誕生、同年8月に本格サービスの提供を開始した。

 もともとは、ソフトバンクが傘下におさめていたイー・アクセス(イー・モバイル)を、同じくソフトバンクグループ企業であるヤフー(当時)が買収して携帯電話事業へ乗り出そうとしたが、2014年5月、ヤフーによる買収が中止。

 その後、イー・アクセスとウィルコムが2014年6月に合併し、ソフトバンク傘下の企業となり、さらに2015年4月、ソフトバンクモバイル(当時)やワイモバイルなどが合併し、1つの企業で複数のブランドによる通信サービスが展開されることになった。

 ワイモバイルの10周年記念サイトによれば、2019年に500万契約を達成。ワイモバイル単体での契約数はなかなか開示されない中、2023年3月末時点で1000万契約に達していたことが、現在の料金プラン「シンプル2」発表時(2023年9月)、明らかにされていた。

これからの10年、サービスをつくりやすくなる

 現在は、ソフトバンクブランドで、使い放題やPayPayと連携する料金プラン「ペイトク」などを主軸にするサービスが展開されている。

 また、ソフトバンクのオンライン専用料金ブランドとして登場した「LINEMO」は今年7月、新料金プラン「LINEMOベストプラン/ベストプランV」を開始。とくに「ベストプラン」は10GB以下で最安をうたう。

 一方、10周年を迎えたワイモバイルブランドは、低用量~中容量のユーザーに適した料金プランとして、「シンプル2」で4GB/月1078円、20GB/月2178円、30GBで月3278円をラインアップする。

 宮川社長は「もともとワイモバイルは、ウィルコムと合併して育ててきた。同じネットワークでソフトバンクブランド、ワイモバイルブランドがあり、料金は異なる。私どもなりの差別化をやってはいるが、この10周年を語るには両ブランドセット。常々向き合ってきた」とワイモバイルだけではなく、ソフトバンクブランドとの兼ね合い、バランスをとることに腐心してきたと吐露する。

 そして「ワイモバイルユーザーがソフトバンクへ、ソフトバンクユーザーがワイモバイルへと毎月、行き来が発生しているが、この第1四半期には、とんとん(同程度)になった」とそれぞれのブランドの選ばれ方が拮抗してきたと語る。

 さらに同氏は、ワイモバイルが人気で、ワイモバイルの契約増のほうが多いとされてきたなか、「少しずつ、ソフトバンクのポジションができてきた」と述べ、「10年かけて、いろんな整理をしてカルチャーができてきた。そこにLINEが入り(LINEMOが誕生し)最近はPayPayもある。グループ挙げて、いろんな商品を作ろうとしている。これまでの10年と比べ、これからの10年は、やりやすい時期になると感じている」として、サービスごとの個性が確立され、新たな魅力の創出に繋がるとの見方を示した。