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新スマホ「Galaxy Z Fold6/Flip6」は何ができるのか? 指輪型デバイスも登場したサムスン「Galaxy Unpacked」まとめ

 サムスン電子は10日、フランス・パリで新製品発表イベント「Galaxy Unpacked」を開催した。

 フォルダブルスマートフォン「Galaxy Z Fold6」「Galaxy Z Flip6」に加え、指輪型デバイス「Galaxy Ring」やスマートウォッチ「Galaxy Watch Ultra」なども発表され、それらを「Galaxy AI」でつなぐエコシステムの構想があらためて披露された。

 Galaxy Z Fold6とGalaxy Z Flip6のSIMフリー版は、日本では7月31日に発売される。

 サムスンがGalaxy AIを広くアピールしたのは、2024年1月の「Galaxy Unpacked」にさかのぼる。「Galaxy S24」シリーズは、グーグル(Google)とのパートナーシップによるAI検索機能「かこって検索」(Circle to Search)を世界で初めて搭載するスマートフォンとなった。

 サムスンによれば、Galaxy AIは今年中に2億台のGalaxyデバイスで利用可能になる。オフラインでの翻訳機能で言語の壁をなくしたり、新しい検索方法を提供したりすることで、人々の生活を向上させる狙いがある。

Galaxy Ring

 Galaxy Ringは、AIの力で人々の健康維持をサポートする指輪型の新たなデバイス。常に装着していられるよう軽量化が図られており、チタン製で重さは2.3g~となっている。

 睡眠中の様子や心拍数を測定するセンサーを搭載し、「Samsung Health」アプリと同期することで、パーソナライズされた健康情報を提供する。一回の充電でバッテリーは7日間持続する。

 サムスンが「驚くべき技術力の結晶」とアピールするGalaxy Ringだが、日本での発売に関しては明らかになっていない。海外では399ドル(約6万5000円)で販売される。

Galaxy Watch Ultra/Galaxy Watch7

 Galaxy Watch Ultraには、3nmプロセスの「Exynos W1000」や、スマートウォッチとして初搭載となる「Wear OS 5」、デュアル周波数GPSシステムなど、さまざまな場所でハイパフォーマンスを実現するためのテクノロジーが盛り込まれている。

 バッテリー持ちは最大100時間で、たとえば自転車での長旅などアクティブな用途にも適している。

 また、Galaxy Watch Ultraが想定するようなハードな環境ではなく、日常生活で使いたいという人向けには、「Galaxy Watch7」も展開される。

Galaxy Z Fold6

 サムスンは2008年に折りたたみ式ディスプレイの研究に着手して以来、10年以上にわたって改良を積み重ねてきた。フォルダブルスマートフォンのGalaxy Z Fold6は、Galaxy Foldシリーズで最も軽くスリムなモデルとなる。

 新開発の流動体をディスプレイの保護層にコーティングすることで、折りたたみ式のディスプレイで発生する“折り目”を軽減。新たな配線設計によりベゼル幅も抑え、ゲームや動画鑑賞などで没入感のある体験を実現する。

 先述の「かこって検索」はパワーアップし、ディスプレイ上のすべてのものを瞬時に翻訳するような機能が用意されるという。

 グーグルの生成AI「Gemini」との連携も強化される。Galaxy Z Fold6の大画面に最適化され、たとえばYouTubeで視聴している動画の登場人物について、簡単に調べることができる。

 また、「フランスのお菓子を買いたい」という質問に対してはGeminiがGoogle マップと連携し、ユーザーにその場所を示す。

 加えて、Galaxy AIでは、メールの下書きを作成したり、簡単な絵を鮮やかなイラストに変えたりする機能を利用できる。

 ボイスレコーダーでは、会議で最大10人の話者を個別に認識して内容を書き起こす。ほかにも、AIがユーザーを助ける機能が数多く用意されている。

Galaxy Z Flip6

 縦折り型フォルダブルスマートフォンのGalaxy Z Flip6がアピールするのは、「Galaxy S24」と同等のカメラ性能。新たに5000万画素のメインカメラを搭載した。

 被写体を自動で検知してオートでズームする機能や、映画のようなスローモーションを撮れる機能など、ここでもGalaxy AIが活用されている。

 折りたたんだときのサブディスプレイは、サムスンによれば“個性を表現するためのキャンパス”。AIが生成したエフェクトを写真に適用し、自分だけの壁紙を作り出せる。

 コミュニケーションの分野では、通話中にリアルタイムで音声翻訳を利用できる機能が、サードパーティ製のアプリにも対応する。

Galaxy Buds3 Pro/Galaxy Buds3

 フルワイヤレスイヤホンの「Galaxy Buds3 Pro」の開発にあたり、サムスンでは人間の耳のさまざまな形状を徹底的に調査。そのデータをAIで分析することで、製品のフィット感を高めた。

 ノイズキャンセリングに機械学習が活用されており、周囲の環境音を自動で識別する。たとえば工事の音を小さくし、救急車のサイレンは聞こえるようにするなど、ノイズコントロールが調整される。

 カナル型の「Galaxy Buds3 Pro」に加え、オープン型の「Galaxy Buds3」も展開される。

グーグルとの連携も

 サムスンは、プライバシーを犠牲にしてまでAIを活用する必要はないという姿勢を明確にしている。

 そこで採用されているのが、デバイス上(オンデバイス)のAIツールも最大限に活用するハイブリッドなアプローチ。たとえばリアルタイムの翻訳や通訳など、会話の内容が関わる機能はデバイス上で処理される。

 AI機能の強化にあたってはグーグルのAndroidチームとも緊密に協力し、Galaxyのエコシステムとしてさまざまな新体験をもたらしていく。