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知床岬の基地局整備に懸念、日本自然保護協会がユネスコに通知書を提出

 日本自然保護協会と北海道自然保護協会は、知床における携帯電話基地局の整備について、現在の状況と懸念点をまとめた通知書を、国際自然保護連合(IUCN)を通じてユネスコ 世界遺産センターへ提出した。整備による環境への影響を懸念したもの。

 通知書では、整備計画の概況や普遍的価値への影響の懸念などが織り込まれている。

 たとえば、オジロワシの繁殖活動に関する観察調査が不十分な点や、工事などによる影響が懸念される旨や、環境省の許認可に関する問題を提起。

 このほか、国立公園特別保護地区や森林生態系保護地域での土地改変は、今後の保護地域制度の運用をゆがめるケースになるなど、基地局整備への懸念が示されている。

 この通知書は、世界遺産センター「世界遺産条約履行のための作業指針」174項に基づく手続きだとしている。174項では、世界遺産条例事務局が資産の状態に重大な劣化があったとの情報などを関係締約国以外の情報源から入手した場合は、協議の上、締約国からのコメントを求めるとしている。