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ロボットが基地局アンテナ設置の実証、月面でのモバイル通信実現に向けKDDIとGITAI

 KDDIとGITAIは、ロボットを用いて無人で基地局アンテナを設置する実証実験に成功した。加速する宇宙開発における、月面でのモバイルネットワーク構築に向けて一歩を踏み出した。

 月面を想定した環境でGITAIの探査車がアンテナを運搬し、同社のアーム型ロボット2台で高さ5mの支柱へ設置。別のロボットがアンテナへケーブルを接続して通電できることを確認したほか、アンテナやケーブルの撤去も行った。支柱やアンテナはロボットが扱うことを前提に試作したもの。

 月面は気温差が200度以上、放射線量も地球の200倍と過酷な環境で、有人での基地局建設は難しい。地球で使われる基地局は人の手で設置することを前提としていることから、ロボットでの設置を想定した機材を試作した。GITAIは国際宇宙ステーションでロボットの自律作業に成功した実績を持つ。

 今後の宇宙開発では月面での高速大容量通信が求められており、両社は今回の実証による知見をもとに、月面でのモバイルネットワーク構築を目指す。