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NEC、モバイルネットワークの自律運用実現に向けたシステム開発に成功

 NECは、Autonomous Networks(自律化ネットワーク)の実現に向けたインテントによるネットワークの自動設計・自律制御システムを開発した。NTTやNTTドコモと共同で実証に成功しており、ネットワークのオペレーションを自律化する「ゼロタッチオペレーション」の実現が期待される。

 このシステムにより、さまざまな要件に対応するネットワークの運用コストを抑えた迅速な構築が期待できるという。この技術は国際標準化団体「TM Forum」で定義されるレベル5の完全自律化ネットワークの実現に寄与する技術。NTTおよびNTTドコモと共同で、この技術を用いた実証に成功した。

「TM Forum」のレベル定義

NTT・NTTドコモと共同で実証

 AWS上に構築した5Gモバイルネットワークの実環境に、NTTのインテントからネットワークサービス要件を抽出する技術と、ドメイン横断でリソース割当を最適化する技術などと、NECの自律運用技術などを組み合わせた。

 NTTシステムとNECシステム間では、インテントでやり取りをしており、NECシステムでは受け取ったインテントから詳細な運用計画の自動生成と、ネットワーク構成が自律変化する、インテントベースの運用システムを構築した。インテントとは、サービス提供者やユーザがサービスやネットワークに求める要件。

 このシステムにより、運用者がチャットボットにインテントを入力すると、ネットワークスライスごとのアプリケーション、5Gコアネットワーク機能とデータセンター、ネットワーク経路を自動で設計・構築し、要件を満たすネットワークを実現した。

 さらに、トラフィック量の増加などQoE(Quality of Experience)低下の原因となる変化を事前に検知して、自動でネットワークスライスを増設/再配置することで、QoEを維持できる。

 今後は、運用計画の生成にかかる時間の短縮やユーザビリティの改善、End-to-Endネットワーク全体の運用自律化への対応などの取り組みを進めるとしている。