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10周年の「mineo」、特典刷新・通信品質向上で価値向上を目指す

 オプテージが提供するMVNOサービス「mineo」が10周年を迎えた。関連して、新キャンペーンやユーザー特典の刷新が発表された。

  オプテージ モバイル事業戦略部長 松田守弘氏が挨拶。冒頭では、令和6年能登半島地震の被災者へ向けて「能登半島地震におきまして被災されました皆様にお見舞いを申し上げます。1日も早く、皆様が日常を取り戻されることをお祈り申し上げます」とコメント。mineoでは、被災地のユーザーに向けてユーザーが預けた余剰なデータ通信容量を利用できる「災害支援タンク」を開放している。

10周年記念、イカのロゴ

 オプテージ モバイル事業戦略部 モバイル事業戦略チーム チームマネージャーの田村慎吾氏は「せっかくの10周年なので」と10周年ロゴを披露した。

 イカが手を振っているデザインで「かみしめて10周年」との表記。田村氏は「イカは足が10本だから10周年と安直な意味合いもなくはない」とユーモアを交えつつ「この10年間、さまざまな取組をしてきた。少しは味が出てきたのではないかなと」とイカのデザインに込めた意味合いを語る。

 「長く使えば使うほど味が出る、噛めば噛むほど味が出るスルメイカのような味が出てきたのではないかなと、そんな意味合いも込めてイカのロゴにした」と説明した。

品質を5倍改善

 2014年にサービスを開始したmineoは2023年12月末で126万回線を突破した。田村氏はあらためてその歴史を紹介。この10年で大きく変化したモバイル業界だがそのなかでも「とにかく新しいことにチャレンジしてきた」mineo。さまざまなサービスを展開してきた同社だが「かけ放題」や「パケット放題Plus」などはとても好評と田村氏は説明する。

 年々そのサービスは拡充を続けてきたが、その一方で「幅広さではなく深く知ってもらいたい。単に契約して終わりではなく長く愛されるmineoでありたい」とその理想を示す。

 mineoが新たに発表したスローガン「ずっと、mineoがいい」にはそうした思いが込められている。料金が安いことは当たり前。そのうえで求められているのは「選んで間違いない通信品質」という田村氏。

 同社では今回、通信品質を2023年1月比で5倍に高めたとうたう。同社の示す資料では月額料金を重要視する人が最多を占める一方でほぼ同じ水準で通信の安定性を求めるユーザーもあり、一概に料金だけで選ばれていないことがわかる。

 同社では品質改善を2023年8月から徐々に進めてきており、田村氏はユーザーからも改善を実感する声が上がっていることを紹介した。「MNO品質になるかと言われるとそこまでは難しい」としつつも動画閲覧やSNSなど一般的な用途では快適さが向上したと語る。

 比較に用いられているのは、mineo独自の評価指標という。田村氏によれば独自指標を使う理由は「通信速度、遅延、さまざまなパラメーターを統合して通信品質と呼んでいる」と、過去からこの手法で品質を保ってきたことを説明。総務省が定めるガイドラインでの測定方法では、管理が難しいとの見方を示した。

長期利用特典も復活、端末でも割引

 今回のタイミングでは、ユーザー特典の「ファン∞とく」もアップデート。これまでの活動量に応じて王国コインがもらえる仕組みから利用期間に応じて「mineoコイン」がもらえるかたちに制度が変わった。

 利用から2年目まではコインが1枚、4年目までは2枚、5年後以降は3枚のコインがもらえる。コインは事務手数料や端末購入費用、オプション料金に充てられる。今後、ユーザーの要望やオプション追加など環境に変化があれば、特典の対象も順次見直していくという。

 ファン∞とくは2017年に開始。開始当初は今回の発表と同じ長期利用者特典という趣旨だったが、2019年の改正電気通信事業法のガイドラインに従い、アプリでの活動量などを指標とした特典に変更されていた。今回、再びガイドラインが改正されることを踏まえて元の長期利用による特典に戻ったかたち。「ファンを大切にする」mineoの特徴を示したサービスでもあり、今回の刷新はあらためて感謝を込めたアップデートとする。

 規制対象から外れた場合は最低利用期間の設定なども制度上は可能になるが、田村氏はmineoとしてそうした意図はなく、あくまで「mineoがいいと思っていただきたいという思いで設計した」と語った。

 このほか、マイピタが全容量月額990円で最大6カ月間利用できるキャンペーンや「バスケット」が最大6カ月間無料になるキャンペーンが実施されるほか、端末が最大2万6400円割引になるセールなどが実施される。長期利用者特典などは、電気通信事業法の規制対象から外れたために可能になった施策。田村氏は「創意工夫による勝負はしやすくなった」と語った。

 今回は個人向けプランのテコ入れなどは発表されていない。他社ではより大容量のプランを提供するところもあるが、今後の見通しとして田村氏は今回のキャンペーン利用で20GBプランを試しやすい環境を作りつつ、どこまでニーズがあるのかを確認したうえで決定したいとした。

注力する法人向け、さまざまな分野で通信を

 法人向けサービスでもさらに取り組みを強化する。新規事業創出プログラムとして「DENPAto」(でんぱと)を進めている。

 今後、SIMの無償提供やマイラボ渋谷の利用、プロモーションの支援などを行うほか、必要に応じてパートナーの事業を支援する活動を行う。田村氏は始まったばかりと説明しつつすでにアンケートやアイドル、トイレと通信を組み合わせたソリューションの構想が動き出していることを明かす。

 同社では、法人向けでIoT需要を見出しており注力分野と位置づける。詳細は今後明かすとしつついわゆる法人ビジネスのみではなく、コンシューマーの利用も視野に入れた広がりの可能性はあると説明された。

 30日20時からは、オプテージ社員らによるmineoサービス発表会のアフタートークが配信される。