ニュース

端末の処理を回線側でアシストなど、ドコモが示す6G時代の技術開発【docomo Open House'24】

 NTTドコモの法人向けイベント「docomo Open House'24」で、6G時代に向けた技術開発の一端が展示される。会期は1月18日まで。

 ドコモでは、高高度プラットフォーム(HAPS)の実用化に向けてエアバスなどと共同で研究を進めてきた。同社は、HAPSを使用した差異のスループットの評価などができるシミュレーターを開発。新たにHAPSと地上5G網のシステム内/間干渉をシミュレートできるようになったほか、さらに高精度化した。HAPS飛行台数の変更など条件もより柔軟に設定できるようになったという。

 このほか、エヌ・ティ・ティ・ワールドエンジニアリングマリンとともに無線通信で遠隔操作できる海中ドローンの開発や衛星・HAPSをあわせた多層ネットワークでのカバレッジの拡張も目指し、研究開発を進める。

 6G実現に向けて、サブテラヘルツ帯の電波伝搬特性の研究も進めており、その研究に使われる装置も公開されている。電波は周波数が高ければ高いほど障害物を迂回しづらくなるなど光に近い特性を持つと言われるが、想定したより反射しながら伝わることもわかってきたという。

 6G実現に向けてさまざまな研究開発が進められるなかで、サービスのひとつとして構想されているのが「ISAP」(In-Network Service Acceleration Platform)を活用した端末の処理能力アシスト。6G時代では、通信の進化によりコンテンツの進化も予想されるが、ネックになるのが端末の処理速度。

 スペックの足りない端末では、ユーザー体験も損なわれる。そこで、ISAPにより本来端末が請け負う端末を回線側で行う。これにより、スペックが低い端末でもリッチなコンテンツを手軽に楽しめるようになるという。