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Stability AIがAIスタートアップ支援を表明、資金・技術などで幅広く

 Stability AIは、AIビジネスを手がけるスタートアップ企業を対象に支援する「スタートアッププログラム」を開始した。第1号企業としてFotographer AIが参加する。

左からStability AI チー氏、Fotographer AI 鈴木氏、Stability AI 中山氏

AIビジネススタートアップに幅広く支援

 スタートアッププログラムでは、AIビジネスを手がける企業が直面するであろう課題の包括的なサポートを提供する。Stability AIでは、そうしたスタートアップ企業が直面する課題として資金面、技術面、人材、法務面での課題を指摘する。

 Stability AIでは、AIに関する技術的な面やマーケティングのほかAPIに対するフリーアクセスなど技術面・経済面での支援を行う。こうした直接的な支援に加えて、コミュニティ形成を形成し、著作権など法的な面でのサポートも図る。コミュニティでは、AI関連のビジネスに関わるさまざまな企業などの参加を呼びかけるほか、ベンチャーキャピタルとの対話の場も提供し、スタートアップ企業が抱える資金面でのサポートも図る。

 採択された企業の第1号は、Fotographer AI。同社は商品写真などを手軽に生成できるAIサービスを手がける。EC事業者や広告関係企業に向けており、一般に商品の撮影が必要になるところを商品画像をアップロードし、イメージを入力すれば短時間で商品写真の作成が可能とする。

 Fotographer AI 代表取締役社長の鈴木麟太郎氏は、Stability AIの提供する仕組みについてオープンかつ拡張性が高いとその魅力を評価。一方でAIを業務に取り入れたくても、自社で導入するには「実際に業務プロセスに落とし込むには相当な努力が必要として「我々がそこになっていく(そのサポートをする)役割としてやっている」と立ち位置を説明した。

Fotographer AIのイメージ

Stability AIが日本に注力する理由

 イギリスに本社を置きながらも、日本語画像言語モデルを提供するStability AI。Stalibity AI Japan Business Developement Leadの中山千春氏は「(イギリス)本社以外ですべてのビジネスファンクションを有する海外支店は日本が唯一」と、日本が同社にとって重要な位置を占めることを語る。

 Stability AI Japan Head of Japanのジェリー・チー氏は、日本は世界的にも経済規模が大きいことがその理由と説明。さらに「日本は独自の文化や価値観、習慣、クリエイティビティがある。それを反映させたAIが必要」とも語る。

 「結婚式」ひとつとっても、キリスト教や神道などその様式は幅広く、ひとつのAIだけですべてをカバーすることは難しいと、Stability AIでアドバイザーを務める THE GUILD CEOの深津貴之氏。よって、それぞれの国にあわせたAIが必要になるとして今後、ほかの国にもあわせた取り組みを進める方針が示された。

 中山氏はスタートアッププログラムについて「我々がやらないと、おそらくスタートアップが各自で、日本的な要素を用意してモデルを作らなければならない」と、同社がサービス基盤を提供する意義を示す。現時点でスタートアッププログラムに採択された企業は、Fotograhper AIの1社。Stability AIでは今後も採択企業を増やしたい意向を示している。