ニュース

YouTubeにクリエイター向け新機能、AI活用でショート動画の背景作成など

 グーグルは、動画配信サイト「YouTube」のイベント「Made on YouTube」でAI技術を活用した新機能「Dream Screen」などを発表した。

背景作成やモバイル版編集アプリ

 Dream Screenは、AIにより動画の背景を作成できる新機能。プロンプトにどのような背景が欲しいかを入力すると動画の背景を好みのものに変更できる。本格導入の予定時期などは現時点では案内されていないが、年内にも試験的に導入される。

 YouTube 公式ブログによれば、誰でもアイデアを入力するだけで動画の編集ができるなどの機能拡張が行われる予定。日本での導入時期は未定とされている。

 あわせて、動画編集をより手軽にするAndroidスマートフォン向けアプリの「YouTube Create」を導入する。トリミングなど含めた編集ツールが利用でき、自動字幕起こしやナレーション機能のほか、フィルターやエフェクトのほか、著作権フリーの音楽などが利用できる。

 アプリの利用料金は無料。iOS版の提供については2024年を見込んでいる。

AIで吹き替えや動画作成の支援機能も

 YouTube ショートプロダクトマネージメントディレクターのトッド・シャーマン氏によれば、短尺動画「YouTube ショート」の1日あたりの視聴回数は700億回以上にものぼる。日本での閲覧数は前年比で110%伸びたとも語り、その堅調さを示す。

左=レイド氏。右=シャーマン氏

 あわせて「動画の編集が難しい」という声にYouTube Createで応えることで、クリエイターのサポートを図る。一部のクリエイターに試験的に展開し、フィードバックを得ながら開発してきたとしてYouTube プロダクトマネジメント部門 バイスプレジデントのトニーレイド氏は、AIによるサポートで「クリエイターが動画を次のレベルに引き上げられるツール」と紹介した。

 このほか、自動的に動画を吹き替える機能もあわせて提供される。これにより、クリエイターの母語以外の言語話者以外の視聴者を獲得することが容易になる。あわせてAIが動画のアウトラインを生成する機能を2024年にも導入する。

YouTube 公式ブログより

 YouTubeによれば、AIを利用して作成したコンテンツの収益化の方針などについては現時点では情報はないというものの、どのようなかたちにするかを検討しているとのことで今後なんらかの案内があるとみられる。