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国内発表されたソニー「Xperia 5 V」、若者へのアプローチ強める戦略とは

 ソニーは20日、Androidスマートフォン「Xperia 5 V」の国内向けモデルを発表した。キャリアモデルのほか、SIMフリーモデルも用意される。

 Xperia 5 Vのキャッチコピーは「新しいスマホ。新しいワタシ。」。アイドルグループのNiziUを起用したプロモーションも展開する。若年層をさらに取り込むための戦略について、ソニー 共創戦略推進部門 モバイルコミュニケーションズ商品企画部 統括部長の越智龍氏とソニーマーケティング モバイルBiz本部モバイルビジネス部 統括部長の久下智氏が語った。

左:越智氏、右:久下氏

Xperia 5 Vの位置づけ

 ソニーのXperiaは、フラッグシップモデルの「1」シリーズ、プレミアムモデルの「5」シリーズ、ベーシックモデルの「10」シリーズに分けられる。同社がユーザー体験として重視するのは、「撮影」「コンテンツ視聴」「ゲーム」の3つ。

 この3つを“極めた”モデルとして「Xperia 1 V」がすでに国内市場で展開されており、Xperia 5 Vはその兄弟機として位置づけられる。

 SIMフリーモデルが20万円近い価格で発売されたXperia 1 Vについて、「少し高いという声もあった」と越智氏。Xperia 1 Vと同じチップセット(Snapdragon 8 Gen 2)やイメージセンサー(Exmor T for mobile)を備えるXperia 5 Vを14万円前後の想定価格で投入し、新規顧客として若年層へのアプローチも図っていく。

手軽でクオリティの高い撮影を

 若年層のカメラの使い方は「目の前で起きたことを誰かに伝えるために撮る」(越智氏)。Xperia 5 Vのアウトカメラは4800万画素と1200万画素の2眼構成となっている。「24mmの広角レンズは4800万画素で、48mmの撮影時には中央を画質の劣化なく1200万画素で切り取る。そういう意味では、48mmの光学相当のズームもカバーできる」と越智氏はアピールする。

 また、SNSなどへの投稿時に役立つような撮影機能も用意されている。撮影したものをすぐ共有したいというユーザーは、6つのフィルターから好きなものを選んで撮れば、撮影後の加工を省略できる。

 Xperia 5 Vからは新たなボケ機能も導入され、雑誌の表紙のようなボケ撮影
を実現。プリインストールアプリ「Video Creator」では、Vlog作成をサポートする。

Video Creatorの説明

 こうしたソフトウェア面の強化も、若年層へのアプローチを見据えたもの。撮影後の編集までこなすようなXperia 1 Vのユーザーとは異なり、「撮影や編集がよくわからない」といったニーズにも応える。

“推し活”にも適したXperia 5 V

 3.5mmオーディオジャックやフルステージステレオスピーカーの搭載、LDACへの対応により、“どんな聴き方でもいい音になる”Xperia 5 V。リアルタイムHDRドライブをサポートする6.1インチのディスプレイとあわせて、満足度の高いコンテンツ視聴が実現する。

 バッテリー容量は5000mAh。越智氏は「バッテリーが一日もたなくて困っている学生が多い。一日使っても50%残るようなバッテリーもちを実現した」と自信を見せる。

プロモーションではNiziUとコラボ

 Xperia 5 Vのプロモーションについては、NiziUとのコラボレーションによるWeb CMを、SNSを中心に展開する。メンバーのエクストラカットを指す「エンディングフェアリー」付きの特別バージョンもランダムに配信していくという。

 明日21日に始まるゲームの展示会「東京ゲームショウ2023」にXperiaとして出展するほか、ソニーストアでも新商品体験イベントを実施するなど、さまざまなかたちでXperia 5 Vの認知拡大が図られる。久下氏は「『ワンランク上の体験で毎日をもっと特別にするスマートフォン』ということを伝えていきたい」とコメントした。