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アップル、「Apple Watch Series 9」発表

 米Apple(アップル)は、「Apple Watch Series 9」を発表した。9月13日より予約受付を開始し、9月22日に発売する。日本国内での販売価格は5万9800円から。

Apple、「Apple Watch Series 9」を発表

 サイズは41mmと45mmで、カラーバリエーションはスターライト、ミッドナイト、シルバー、(PRODUCT)RED、ピンクの5色。アルミニウムケースと、ゴールド、シルバー、グラファイトのステンレススチールケースがラインナップされる。

 チップセットには「S9 SiP」を搭載する。CPUは、前モデルのSeries 8と比べて60%多い56億のトランジスタを搭載し、30%高速に動作するという。連続動作時間は最大18時間で、低電力モードで使用時は最大36時間。高速充電に対応する。連続動作時間はApple Watch Series 8と同じ。

 新しい4コアのニューラルエンジンにより、機械学習のタスクがSeries 8と比べて最大2倍高速化さる。また、「屋外ウォーキングワークアウトを開始」や「タイマーを設定」のような、最も一般的なリクエストでインターネットからの情報を必要としないリクエストでは、クラウドへのアクセスが不要となる。

 デバイス上で処理が完結するため、通信環境がよくない状況でもSiriがすぐに応答するようになるほか、セキュリティも改善する。

 また、「Apple Watch Series 9」の音声入力は前モデルと比べて最大25%正確になり、体重、生理、服薬などの健康に関するデータを音声で記録できる。Siriへの健康に関するやりとりは、年末までに英語と中国語で利用可能となり、他の言語への対応は今後拡大するという。

「正確な場所を見つける」機能でiPhoneをより探しやすく

 Series 9では第2世代の超広帯域無線(UWB)チップの搭載により「見つける」機能が強化され、iPhoneへの方向と距離を「Apple Watch Series 9」で確認できる。触覚フィードバックと音声で、iPhoneの位置がわかるようになる。

 HomePodとの連携が強化され、再生するメディアのレコメンドが自動的に表示されたり、プレイリストやポッドキャストをApple Watch上で起動できるようになる。

 ディスプレイの輝度は最大2000ニトで前モデルの2倍に強化された。また、映画館や起床時などの暗所では、最小1ニトまで輝度を下げた状態で動作する。耐水性能は50mで、プールや海など浅い水の環境で使用できるが、スキューバダイビング、水上スキーなどのアクティビティには適さない。

 このほか、watchOS 10では「NameDrop」を使って、お互いのApple Watchを近づけて連絡先を交換できる。

エルメスやNikeから環境に配慮したバンド

 Appleのパートナー企業から、環境に配慮したApple Watch用バンドが発売される。Nikeのスポーツバンドは、再生フルオロエラストマーを32%以上使い、余剰バンドから作られるカラフルなフレーク状の素材がランダムな模様を生み出している。Nikeスポーツループのスペースダイパターンは、過去のシーズンの糸を再利用している。

 エルメスの新しいバンドは、2種類のウーブンストラップと、Apple Watchでは初の編み込みストラップ「ブリドン」、耐水性の高いラバーで作られた「キリム」の全4種類が発売される。

新ジェスチャー「ダブルタップ」

 新たに取り入れられる「ダブルタップ」では、Apple Watchを着けている手の人差し指と親指を2回タップすることで、電話に応答したり、カメラのシャッターを切るなど、アプリの主要機能が片手で操作できる。

 「ダブルタップ」は、Series 9に搭載されるNeural Engineが加速度センサー、ジャイロスコープ、光学式心拍センサーのデータを、機械学習アルゴリズムを使って処理することで実現する。ダブルタップのジェスチャーは、10月に実施予定のソフトウェアアップデートにより利用できるようになる。

Apple初のカーボンニュートラル製品

 「Apple Watch Series 9」は、新しいスポーツループとアルミニウムケースの組み合わせでカーボンニュートラルを実現している。これは、Appleの製品として初めて。

 Appleでは、サプライチェーンを含めてカーボンニュートラルを達成する「Apple 2030」に向けた取り組みを続けており、今回の発表会ではカーボンフットプリントの大きなレザー製品を今後発売しないことを明かした。

 「Apple Watch Series 9」では、アクセサリの製造だけでなく、製品のパッケージをより小さくすることで、一度の輸送につき最大で25%多く出荷を可能にしている。