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モトローラ「razr 40 ultra」「edge 40」発表、松原社長が見せた“ラインアップ完成”の自信とは

 モトローラ・モビリティ・ジャパンは6日、Androidスマートフォンの新製品「motorola razr 40 ultra」「motorola edge 40」を発表した。

 同社は6月8日に、低価格帯の新モデルとして「moto g53j 5G」(ワイモバイル向けは「moto g53y 5G」)を発表したばかり。

 そこから1カ月と経たないうちに2機種が発表される格好となったが、同社の松原丈太代表取締役社長は「これで我々のポートフォリオ(製品ラインアップ)は完成を見た」と自信を見せる。

松原氏

 ハイエンドのフォルダブル端末「razr 40 ultra」、日本市場を強く意識したミドルハイ端末「edge 40」にはどういったねらいがあるのか? 本稿では、発表会でのプレゼンテーションや質疑応答、囲み取材の様子をお届けする。

伸び盛りのフォルダブル市場に投じる“集大成”

 フォルダブル端末「razr 40 ultra」は、松原氏いわく「ベストなユーザー体験やテクノロジーを融合させた集大成」。従来の「motorola razr 5G」よりも大きくなったアウトディスプレイは、たとえばキャッシュレス決済のコードを表示させたり、スケジュールを確認したりなど、仕事やプライベートを問わずさまざまなシーンで役立つ。

 「軽い仕事などもこのディスプレイで全部終わる。ただの折りたたみではなく、人々のスマートフォンの使い方を変えるようなインパクトがある」(松原氏)。

 「razr」というファミリーネームについて、松原氏は「特別な思い入れがあり、モトローラのアイコンとすべきものとして扱ってきた。その名を冠するrazr 40 ultraは、トップモデルとしてふさわしい」と語る。

 同氏は続けて、今後の伸長が見込まれるフォルダブル端末市場の予測データに触れ、「ワクワクできるようなスマートフォンを出していく」と意欲を見せた。

日本向けの要素を“全部盛り”したミドルハイ端末

 「edge 40」は、「razr(40 ultra)とはまったく別のミッションを持ったスマートフォン」(松原氏)。日本市場で必要とされる要素を本社側に訴え続け、それらが最大限に盛り込まれた一台だという。

モトローラ・モビリティ・ジャパン キャリアプロダクト部 テクニカルアカウントマネージャーの見潮充氏。「edge 40」のカラー(イクリプスブラックとルナブルー)のネーミングは月にちなんでいるといったエピソードなども交え、製品について説明した

 特徴のひとつは、約6.55インチのディスプレイを備えつつ、日本人の手になじむスリムなデザインを実現したこと。加えて、IP68相当の防水防塵性能や、FeliCa対応といった要素も盛り込まれている。

 日本向けの要素を多く取り入れた「edge 40」は、グローバルでは一部の国で発売済み。目下のところ売上は好調で、松原氏は「日本人の感性に訴えるような製品もグローバルで通用することを学んだ」と語った。

 「(日本国内での)モトローラは、コストパフォーマンスの高さによって、オープンマーケットで認知されてきた。一方、グローバルではプレミアムブランドとして認知されている」と松原氏。

 「razr 40 ultra」「edge 40」によって、日本でもプレミアムブランドとしての認知度向上を目指す。「今回の発表によって、我々のポートフォリオは完成を見た」という同氏の言葉からは、製品ラインアップへの自信がうかがえた。

「razr 40 ultra」「edge 40」は、通信事業者ではインターネットイニシアティブ(IIJ)が独占販売する。同社執行役員 MVNO事業部長 矢吹重雄氏は「折りたたみスマホ(razr 40 ultra)は初めて使ったが、いろいろなシーンで役立つ」とコメント

一問一答

端末について

――「edge 40」はFeliCa対応となっている一方、「razr 40 ultra」は非対応だが。

松原氏
 ハイエンド端末ではFeliCaへ対応したいと思っています。ただ、「razr 40 ultra」は技術的にチャレンジングだったため、非搭載ということになりました。

――「edge 40」について、グローバルモデルとの差分を教えてほしい。

松原氏
 FeliCaはグローバルであまり意味がないものになりますので、ここは日本向けのカスタマイズです。

 ちなみに「edge」シリーズは、今後しばらく、デフォルトでIP68に対応することになります。

――防水防塵への対応など、日本市場に対する本社側の考え方の変化は。

松原氏
 日本の市場に対して、本社側はかなりサポーティブになってきました。

 日本はやはり大きなサイズの市場で、ここで大きくなったブランドは世界でも競合できるということもある。

 モトローラとしてもここをきっちりやっていきたいと思っており、そういう意味では本社のサポートをしっかり受けています。

――海外では“ultra”ではない「razr」シリーズもあるが、なぜそれを日本で展開しないのか。

松原氏
 それも検討はしていますが、まずは一番すごいものを見てびっくりしていただきたいなと思ったので。

――「razr 40 ultra」のカラーは、海外ではもっと豊富。売れ行き次第では、日本向けに追加されることもあるのか。

松原氏
 ちょっと元気の出るカラーも出していきたい気持ちはあります(笑)。

 数(出荷台数)も頑張りながら本社にも交渉したいと思いますが、今のところ計画はありません。

――「razr 40 ultra」のカラーリングについて、海外では赤色が高評価を受けているようだ。今回、日本向けを黒色にした理由は。

松原氏
 インパクトのあるカラーが販売(実績)でどうなるのかというのは、悩ましいところです。

 プレミアムな端末の販売を考えたとき、日本の市場規模を考慮して、多色展開はやめておこうということになりました。

――「razr 40 ultra」は縦開きのフォルダブルだが、横開き型を出す予定は。

松原氏
 横開き型も見ていますし、まったく別のフォームファクターもいろいろと見ています。

 今回は、開いたら6.9インチ(のディスプレイ)で、閉じたらすごく小さくなるということが、(ユーザーにとって)一番刺さるところかなと。変化があるかもしれませんが、今はあれ(razr 40 ultra)がベストかなと思っています。

販路などに関する考え

――このタイミングで仕掛ける(製品をリリースする)理由は。

松原氏
 ずっと前から、ハイエンドやミドルハイの部分で、製品をしっかり出していきたいというところがありました。

 ただ、グローバルの動き(との兼ね合い)もあった。今回は6月のグローバル向けの発表を受け、すかさず日本でも発表したという状況です。

――今回、「razr 40 ultra」「edge 40」を取り扱う通信事業者はIIJのみとなっている。

松原氏
 販路を絞ったことで、数字がどうなるかなという話はあるかと思います。

 それと同時に、「大切に商品を見せて売っていただきたい」という思いもあった。どういう風(結果)になるかわかりませんが、今回はあえてそういった手法を取りました。

――(IIJによる)エクスクルーシブ(独占)は期間限定なのか、あるいは当面このようなかたちにするのか。

松原氏
 今のところは期間を決めておりません。

――ソフトバンクは今回反応しなかったのか。

松原氏
 いろいろお話はさせていただいていますが、やっぱりソフトバンクさんの戦略もありますので、そこに沿ったような商品をまた開発できればと思います。

――「edge 40」はキャリアも欲しがるような端末だと思うが、キャリアと組む難しさは。

松原氏
 難しさではありませんが、(キャリアは)いろいろな観点から戦略を練っておられるので、そこに対してきっちりハマる製品を提案したいと思っています。

 今回の「edge 40」は、キャリアさんの戦略に必ずしもぴったりハマるわけではなかった。ですが、モトローラではオープンマーケットで提供したいという思いがあり、発表に至りました。

――「OCN モバイル ONE」がなくなったのは痛いか。

松原氏
 ご存じの通りOCNさんとも取引はありましたので、インパクトがなかったかというと……ありました(笑)。まあ……どうしてくれるんだ、っていう(笑)。

――逆にNTTドコモに入っていくということはあるのか。

松原氏
 もしかしたらあるかもしれませんが、ドコモさんに入れていただくためには、それなりに多くの要求があります。

 「じゃあ」と言ってすぐに入れるものではないのでどうなるかはわかりませんが、技術的なディスカッションも交えながら進めていきたいです。

――日本メーカーが2つなくなった(撤退した)。これをチャンスとしてとらえているか。

松原氏
 モトローラとしては、皆さんがワクワクするようなスマートフォンを出したいという気持ちがあります。

 1社だけ強くなって、ユーザーさんにとってオプションがない状態では、最終的にモバイル業界が盛り上がらない。

 撤退されたメーカーさんも、過去に優れた端末を出されてきましたので、個人的には本当に残念です。今後もいろいろ状況が変わるかもしれませんが、私たちとしては、とにかく自分たちのできることを考えていきます。

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