ニュース
iSIMや衛星通信から生成AIまで、ソラコムが目指す“IoTの民主化”
2023年7月6日 12:00
ソラコムってどんな会社?
2015年に創業したソラコムは、同年9月にIoT向けのプラットフォームとして「SORACOM」の提供をスタート。2017年にKDDIグループの傘下に入ったあともさまざまなソリューションを展開し、IoT向け通信の契約回線数は500万を突破している。
小容量~大容量まで幅広いタイプのIoT向けSIMをラインアップし、グローバル市場でも存在感を高めるソラコム。無線経由で契約回線を追加できる「サブスクリプションコンテナ」というシステムにより、柔軟な運用を可能にする。
今回は、ブラジル市場に特化したプランとして「planP2」も発表された。ソラコムの玉川憲代表取締役社長は、「世界196カ国のうち、177カ国でサービスを提供している。ここまで来たらコンプリートしたい」と意欲を見せる。
物理SIMやeSIMが不要になる「iSIM」を商用化、ウェアラブルでの活用も
ソラコムは今回、iSIMの商用化を発表した。iSIMの対応モジュールとしてQuectel「BG773」と村田製作所「Type 1SC」が用意され、2023年内に提供が始まる。
次世代SIMの「iSIM」は、SIMをチップセット上に集約することで、物理SIMやeSIMを不要にする技術。小型化や省電力化が実現するため、ウェアラブルなど小さなデバイス向けの技術として注目されている。
衛星通信サービス「STARLINK BUSINESS」の取扱開始
ソラコムは、KDDIが米SpaceXとの契約によって提供する法人向け衛星通信サービス「STARLINK BUSINESS」について、回線契約の取次というかたちで取り扱うことを発表した。8月から提供される予定。
玉川氏は「(STARLINK BUSINESSを)ただ再販するだけでは面白くないので、ソラコムならではの味付けをした」とコメント。「SORACOM STARLINK BUSINESSキット」としてパッケージ化され、仮想SIMによってソラコムのサービスと連携する使い方を想定している。
衛星通信分野では、米Skylo Technologiesとの協業も発表された。これにより、ソラコムの利用者は、同一のSIMやeSIMのまま、地上のセルラー通信に加えてSkyloのIoT向け衛星通信も利用できるようになる。
生成AIの可能性を探る研究所を設立
開発が進む生成AIの力を活用すべく、ソラコムが発表したのが「SORACOM Harvest Data Intelligence」。IoTデバイスから収集したデータを、OpenAIのサービス「ChatGPT」によって分析する。
また、松尾研究所と共同で「IoT x GenAI Lab」を設立。IoT分野における生成AI活用の可能性を探っていく。