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ソラコム、3キャリア対応のSIMや衛星利用のIoT向けメッセージングなど発表

 ソラコムは6日、IoT分野における衛星を用いたメッセージングなど複数の新サービスを発表した。

ソラコム 玉川氏

 発表の場に登壇した、ソラコム CEOの玉川憲氏によると、同社が提供するIoT回線は400万回線を突破。同社のサービスは住友ゴム工業などの製造業からシーメンスヘルスケアなどの医療分野、ENEOSといったエネルギー分野まで多岐にわたる業界に取り入れられている。

IoT SIMが3キャリアに対応

 日本をはじめ、世界のさまざまな地域で利用できる「SORACOM IoT SIM」では、「planX1」において、NTTドコモ回線に対応した。

 これにより、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社の回線に対応したことになり、SIMの差し替えなしで用途やエリアによって3社の回線を切り替えられるようになる。

衛星で海や山でも通信

 IoTプラットフォーム「SORACOM」において、衛星を利用したメッセージ送信機能をプラットフォームとして統合した。

 従来からサポートしていたセルラーやSigfox、有線LAN/Wi-Fiと同様にデータ送受信ができる。一般的なセルラー回線などでは難しい海上や山岳地帯などの未開発エリアでも通信できるメリットがある。

 インターネットに接続するものではなく、独自のプロトコルとなり、ごく少ないデータ通信量で低頻度のメッセージ送信を利用するケースで有効に利用できるという。

 現時点では、検証目的で利用できる「Technology Preview」としての提供で、使用事例の適正などを鑑みて提供開始時に案内するとしている。

ATOM Cam Swingが「ソラカメ」対応

 ソラコムのクラウドカメラサービス「ソラカメ」に、アトムテック製のネットワークカメラ「ATOM Cam Swing」が対応した。

 ソラカメは、カメラの映像をクラウドに保存できるサービス。スマートフォンアプリからリアルタイムや過去の映像を視聴したり、カメラの設定をしたりできる。これまで「ATOM Cam 2」のみが対応していたが、第2弾として「ATOM Cam Swing」が対応した。

 従来モデルと異なり、水平方向に360度、垂直方向に180度の首振りが可能で、ほとんど死角がないメリットがある。

 カメラ本体の価格は4280円。カメラ映像の保存期間は7日、14日、30日から選べ、月額利用料金は990円~。

 このほか、ソラカメの一部機能をAPIとして提供する。録画データを自社システムから確認したいというメリットに応えたもの。フィードバックを素早く取り入れるため、申請したユーザーにのみ提供する「Limited Preview」のかたちにするという。

企業のDXを支援

 新たに展開する「SORACOM Booster Pack」では、企業のDX立ち上げをワークショップ型で支援する。

 2~4日間のワークショップとIoTのベストプラクティスによりDXプロジェクトを支援。ソラコムのコンサルタントによるヒアリングがあり、同社が提供するサービスや技術、最適な構成も解説するという。

 ワークショップ終了後には、ソラコムがレビューしたアーキテクチャー設計やユーザーが次に求められるアクションなどの提案をまとめたレポートを受け取れる。

 先行参加した企業としては三菱重工業やセコムなどがある。