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ナイアンティック最新作「ペリドット」が5月9日22時スタート、そのゲーム内容と目指す姿とは
2023年5月9日 06:00
5月9日22時、米ナイアンティックは新たなスマートフォン向けバーチャルペットアプリ「Peridot(ペリドット)」の提供を開始する。
人気作「Pokémon GO」や、発表されたばかりで9月に登場する「Monster Hunter Now(モンスターハンターナウ)」は他社とタッグを組み、すでにファンがいる人気コンテンツをナイアンティック流にアレンジしたもの。
一方、「Peridot」はナイアンティックオリジナルのコンテンツ。愛らしい「ペリドット」を育て、いつもそばにいるペットのような存在として触れ合い、世界にでかけていく。
はたしてそのゲーム内容はどういったものか、そして人々を世界に連れ出すというミッションを掲げ、AR技術でデジタルとリアルの融合を図るナイアンティックが「ペリドット」でどんな体験を届けようとしているのか。
4月21日に日本の報道関係者向けに紹介されたプレゼンテーションの内容、そして来日したナイアンティック創業者、ジョン・ハンケ氏の言葉をお届けしよう。
数百年にわたる深い冬眠を経て、ペリドットたちはかつて彼らが過ごしてきた世界とはまったく異なる世界で目を覚ましました。ペリドットは、温かさ、幸福、希望の中に生きています。人がそばにいることで、世界はまた、少しだけ魔法がかった場所になります。ペリドット・キーパー友の会の一員になり、かわいいペットと深い絆で結ばれながら、みんなと力を合わせて世界をもっと素敵な場所にしましょう。
ARを通じて、現実世界に姿を見せる「ペリドット」
「ペリドット」は、作品名となっている「ペリドット」を育て、触れ合えるスマートフォン向け“バーチャルペットアプリ”。つまり、「スマホで、卵から生まれた架空のペットを育てて愛でる」といった内容だ。
AR・UXデザインを担当する篠原大河氏は「かつて流行したペットゲームをARやAIを使って楽しめたらどうなるんだろう、という疑問から始まったアプリ」と開発のきっかけを語る。
ペットと遊ぶ、というだけであれば、ほかにも似たようなゲーム、アプリは存在するかもしれない。では、「ペリドット」ならではの特徴はなんだろうか。ペリドットという存在、そしてペリドットとどう交流するか。
ペリドットとは
ペリドットはいつもあなたと一緒にいたい、ARの不思議な生き物です。それぞれのドット(ペリドットの愛称)は独自のDNAを持っており、ひとつひとつが特別な存在です。ドットを育て、彼らが楽しい毎日を送れるようにしてあげましょう。
見た目がかわいいペリドットですが、自分のまわりの環境を理解し、認識することができるARのペットです。「おねだり」をしてきたり、一緒に遊びながら「お手」などのトリックを覚えたりもできます。
「仕様」と言ってしまうとやや無粋だが、「ペリドット」の特徴のひとつは「独自のDNAがあり、すべてがユニークな個体」であること。つまり、同じ外見のペリドットは、ほかにない。
ペリドットは、犬のような、はたまた猫のような、いやたぬきのような……と一般的な動物でずばりたとえるのは難しい。ただ、さまざまな表情を見せてくれる顔、いろんなところへ行こうとする4本の脚、そして尻尾といった体をしており、その体表はさまざまな模様・色でいろどられ、毛並みがふさふさのペリドットもいれば、つるっとしたペリドットもいる。
ペリドットの姿を決める要素が現実世界になぞらえて「遺伝子」とされ、アプリ内では「アーキタイプ」と呼ばれている。プレイし続けると、アーキタイプの種類が開放されていく。
お友だちや他のプレイヤーと協力して、ユニークな特徴をもつ新しいドットに出会いましょう。
ユニコーンタイプやクジャクタイプなど、さまざまなタイプを持つペリドットを掛け合わせることで、たまごからかえるペリドットの個性は星の数以上の無限にあります。ペリドット・キーパー友の会でのランクが上がるとペリドットのタイプがアンロックされ、よりレアなタイプのペリドットと出会えるようになります。
あそび方
では、「ペリドット」というアプリ自体はどのように操作し、AR空間に生きる「ペリドット」とどう触れ合うのだろうか。
食事をあげることはもちろん、おねだりをきいてボールを投げて一緒に遊んだり、お腹を撫でてあげたり、帽子やネクタイなどを着せてあげたりして、かわいがってあげてください。ドットと一緒に世界を探索しましょう。彼らは好奇心旺盛で、一緒に探索する場所によって隠されたアイテムを発見するかもしれません。写真や動画を撮ってお友達と共有することもお忘れなく。
最初に立ち上げると、ユーザーには3つの卵が示される。そのうちひとつを選び、育てることになる。
ペリドットと一緒に歩いたり、生息地とされる場所を訪れたりすると、経験値などがもらえる「クエスト」もある。
アプリ内のストアで、食べ物やおもちゃを買うこともできる。
現実とデジタルを融合する
ペリドットは、スマホ画面内にいるのだが、現実にある物体の裏に回ったり、道や室内を歩いたりする。そんなペリドットに食べ物をあげたり触れたりしてコミュニケーションしていく。
スマホ向けのARゲームの雄と言えるナイアンティックにとって「ペリドット」はどういう作品なのか。ハンケ氏は、ずばり「現実世界に、本当に生きているかのようなモノが、どれだけ飛び込めるかという限界に挑むプロジェクト」と語る。
ハンケ氏は、「ナイアンティックがこれまでARに投資してきた全てが詰まったアプリ。才能あるビジュアルデザイナーやUXデザイナー、そしてエンジニアすべての力が込められたもの」と説明。
すでにPokémon GOなどでスマートフォンで、現実とデジタルの融合を図ってきた同社。しかしハンケ氏は、ナイアンティック設立当初、「ぼんやりとゲームやデジタルが現実世界に溶け込むことを意識しており、その最初のゲームプロダクトとして登場したものがIngressだった」と振り返る。
Ingressが登場した当時、ユーザーのイマジネーションで、デジタルとリアルの融合を図った。その理由は、ナイアンティックの技術がまだ未熟だったから――そう語るハンケ氏は、その後、「思い描いていたデジタルの世界を現実でどう表現するかという点で投資してきた」という。
まず投資したのは、「身の回りの世界をコンピューターがどう理解するか」「デジタルコンテンツをリアルでどう投影するか」ということだった。
つまり「ペリドット」は、そうした研究や投資開発が結実したもの、ということになる。
「ペリドット」の開発を担当した、クリエイティブ・ディレクターのデイビッド・ホーリン氏も、「もともと、変な生き物のARペットゲームを作りたいと思って始まった。AR技術で現実にあわせて、正しい道を動かせるのかやってみたら、実際に作れそうだなと」と技術面での成果の裏付けが開発をはじめる後押しになったとする。
ハンケ氏は「ペリドットたちは意志ある存在であり、お花が見たいとユーザーを外へ連れていってほしいといった行動をとったりしてくれる。ペリドットのキャラクターは、世界を理解して行動する。皆さんには本当に生きているんじゃないかと感じてほしいですし、知能をもって行動するようになっていくことも楽しみにしてほしい」と将来像を描く。
ハンケ氏によれば、世界各地に、ペリドットが集まりやすい場所があるという。篠原氏は「ペリドットたちの生息地」が存在するとしたほか、ホーリン氏はナイアンティックの持つ位置情報データ(POI)を活用して、特別なアイテムが手に入ったり、ほかのユーザーのペリドットと交流したりできるようになっていると説明する。
冒頭で触れたように、Pokémon GO以外にもピクミンブルームや、MBA ALL Worldが提供され、そして今後「モンスターハンターナウ」が予定されるなどパートナーとの製品へ精力的に取り組んできたナイアンティック。一方で、自身の一般ユーザー向けアプリとして提供される「Peridot」は、ARを通じて、デジタル・バーチャルと現実をつなげ、ひとつに融合し、新たな体験をもたらそうとしている。VRゴーグルとはまた異なり、視覚を中心にバーチャルな存在を現実へ溶け込ませるため、「ペリドット」が椅子の上に座ったり、物の裏に回ったりするといった表現は、スマートフォンのカメラを使い、その場にある物を認識して実現するものだ。とはいえ、交通量の多い道路のそばなどでは、どういった振る舞いになるのか、はたまた、いわゆる「ながらスマホ」を避けてプレイするコツなどは、サービス開始後、あらためて確認したい点でもある。スマートフォンを媒介にしてペリドットとの交流をはかり、外へお出かけしたくなるかどうか、これから体験する人たちの声にも注目したい。
iOS:iPhone 8以降、かつiOS 14以降
Android:以下のGPUチップセットを搭載しているもの
Adreno 730
Adreno 660
Adreno 650
Adreno 640
Adreno 630
Mali G78
Mali G77
Mali G76
Mali G72
Xclipse 920
Galaxy Note 9 以降、Galaxy S9以降、Pixel 6以降
※iPadやタブレット、Wi-Fiのみの設定のものはご利用いただけません