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コーニング「Gorilla Glass Victus 2」を発表、耐落下性能をさらに強化――スマホの強靱化に寄与

 コーニングは、落下耐性がさらに向上したアルミノシリケートガラス「Corning Gorilla Glass Victus 2」を発表した。今後数カ月以内に、スマートフォンのカバーガラスなどで市場投入が見込まれる。

 「Corning Gorilla Glass Victus」から素材や設計を見直し、落下に関する耐性が強化されたという「Corning Gorilla Glass Victus 2」では、スマートフォンのカバーガラスで使用する際、「コンクリート面で最大1m」「アスファルト面で最大2m」の高さからの落下試験をクリアしている。

 ラボでの実験では、コンクリート面とアスファルト面をサンドペーパーを使って模擬試験を実施。コンクリート面は粒度80番手のサンドペーパーを、アスファルト面は粒度180番手のサンドペーパーで実験し、カバーガラスが割れないことが確認されている。

80番手での実験。左が他社製ガラス、右が「Corning Gorilla Glass Victus 2」
180番手での実験。左が他社製ガラス、右が「Corning Gorilla Glass Victus 2」
スクラッチテスト。左が他社製ガラス、右が「Corning Gorilla Glass Victus 2」。右の方がキズが浅い

コーニングの歴史

 コーニングは、1851年に設立され、本社は米国ニューヨーク州コーニングにある。全世界で6万1200人の従業員を構え、2021年のコア売上高は141億ドル、「Fortune 500」の順位は2021年で262位だった。

 1877年に信号レンズを開発してから、1879年にトーマス・エジソンの電球に用いるガラス球、1915年に耐熱のPYREXガラス、1939年にブラウン管などを開発。

 その後、2007年に米アップル(Apple)のiPhone向けにカバーガラスを供給し、現在に至るまでタフで薄型のカバーガラスを開発し続けている。

材料事業部 事業部長の森下 英樹氏

 コーニングインターナショナル 材料事業部 事業部長の森下 英樹氏はアップルCEO(当時)だった故スティーブ・ジョブズ氏から「500万平方フィートのGorilla Glass」 の納品を依頼されたことから始まったという。当時は難しさもあったというが、4カ月後に納品までこぎ着けた。

 今回の「Corning Gorilla Glass Victus 2」についても、素材面から見直しを図ったことで、耐落下性能が向上し、画面サイズの拡大や重量の増加が進むスマートフォンなどのデバイスの耐久性向上に寄与しているとアピールしていた。